コチラは入れ替えに使用した薄畳です。

仕上がりが(厚み)15mmですから標準厚(60mm)と比べるとこんなにも薄いです。


当店の物は框巻きも両用機も薄畳が縫える機械ですので、もちろん逢着します。
正直、私は薄畳が好きではありません。
普通のものより手間が鰍ゥる事、耐久性が無い事、しっかりした表がつけられない事、
お客様の負担が多い事などがあるからです。
しかし、お部屋が薄畳の仕様になってしまっていると標準の畳を入れる事が出来ないのです。
大抵の場合、畳替えの度に入れ替えをする事になります。
それを解ってお客様が薄畳の和室にするならいいのですが、ほとんどのお客様が表替えをする時になって、こんな薄い畳が入っているの!?と知る場合が多いのです。
こういった《畳》とは言いたくない薄畳があまり増えない事を望むばかりです。
さてコチラが入っていた薄畳です。
私はおろか、問屋さんまで初めて見たと言っておりました。

表面、ぱっと見は普通の薄畳ですが・・・。

近くでちゃんと見ると、タッカーでの施工ですので縁にはホチキスの針が浮いてしまっています。
これが錆びてしまって飛び出していたら・・・。
浮「ことです。

裏も もちろんタッカーで止め、布テープを貼っています。

全てがタッカー工法。 錆びていてペンチで針を抜くのが大変でした。

床は1分5厘のベニヤに2分ベニヤを四方のせて貼り付けてあります。
当然、縫う事など出来ません(困)
中には2分の厚みのクッション材が・・・。



これは畳屋があつらえたのでしょうか? それともどこかのメーカーで作ったものなのでしょうか? ご同業の皆様、見たことがありますでしょうか?
どういう風に寸法に作ったのでしょうか?
ノコギリで寸法に裁断し、ちゃんと斜めにカンナを鰍ッ、全てをタッカーで止め仕上げる。
タッカー工法はともかくとして畳床を寸法に作るのは大変だったと思います。
珍しい薄畳を見ることが出来た仕事でした。