その中でも畳職人として困る物が針、包丁などの小道具と畳を縫う為の糸(切糸)です。
ワラ畳床が激減し、機械化が当たり前の昨今。
普段の仕事で針を持たない畳屋さんが多くなっています。
数年前に製造が無くなってしまった切糸。
毎日針を握る当店にとっては本当に困った問題です。

製造中止が決まった時、買いだめしてある切糸(知床)、本当に貴重です。
切糸は使用する前に糸をほぐし、油を塗ります。
夏と冬では塗る量を変え使用します。

油を塗り終えたら糸筒へ

当たり前に使っていた物がどんどん無くなっていく畳業界。
ワラ畳やイ草自体も少なくなり、この先、技術まで失われて行くのかもしれません。
私も50歳、自分が針を置くまでどんな変化がこの業界に訪れるのだろう・・・。
糸を塗りながら寂しい気持ちになりました。