田舎に住んでるというと範囲が広くなるから人よりも鹿や猿のほうが多いといわれるほどの田舎に住んでるヨシローさんが昨日訪ねてきてアケビを3つもらった。「家にできてたの?」と「聞くと来る途中で見つけた」と言って差し出してきた。神出鬼没で猿のような爺さんだが3年位前には心臓の手術をしているのに「野生だなぁ」と思う。オレなんか彼と比べるとソフィスティケイトされてるなと思う。それに差し出されたアケビのなんとワイルドなこと。 「こりゃカラスでもつついたろうかのう」「きれいにくりぬいてるね」「穴あいちょる」と毛むくじゃらのアケビを手渡してくれた。人の近くにできないアケビってこんなものなんだろう。人の近くにできるアケビはもっとツルツルして紫っぽいもの。「じゃぁ、帰るケン」といってさっさと帰ってしまったヨシローさん。まさに風と共に去りぬ。世の中分からない人がまだまだいるもんだ。
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