出版屋の仕事

知識も経験もコネもないのに出版社になった。おまけに、すべての業務をたった一人でこなす私。汗と涙と苦笑いの細腕苦労記。

私なりの営業

2006年06月14日 | 営業
まず報告だが、念願かなって日販の返品が箱入りになった。にこやかな返品おじさんが、本当に連絡しておいてくれたらしい。

なるほど、トーハンと違って折れない。が、トーハンより浅い。箱には26冊入っていた。細かい話だが、返品手数料の1冊あたり単価から計算すると、箱入りのほうがお得になる。ちなみにトーハンでは、返品センター説明会のとき「だいたい一箱15冊程度」と言われたが、実際はもっと入っている。

で、最大の問題だが、やはりトーハンと同じく傷みが小さい。「やればできるじゃん」と思わずつぶやいてしまった。

さて、前の記事からの勢いで、営業活動をした。そのつもりでカテゴリーを選ぼうとしたら、なんと「営業」がなかった。「宣伝」と「発売前」しかない。なので、今後の課題という意味で今日新しく作った。いかに営業活動をサボっていたかがわかる。

で、その営業活動だが、たくさん注文してくれた書店へ挨拶に行った。書店営業の方々からすると、ちゃんちゃらおかしいことかもしれない。(前の記事で今後は心して「書店さん」と言うと書いたが、このブログは簡潔に書きたいので、今後も一切敬称略とする。)

その前に、ちょっと前に「配本数のコントロール」なんて話題もあったんだが、おみくじ短冊を見たときはそんなことは忘れていて、やっぱりそのまま納品した。

私としては、あの話題の結論は出ていない。「注文にはきちんと応えるのが商行為」という説と、「ブックライナーのように備えておく系統の注文なら、早く納品したほうがよいかも」という考えと、「版元としてある程度のコントロールは必要」という意見のあいだで悩んでいた。

悩んではいたんだが、日販からはおみくじ封筒で来るので注文どおりの納品が可能なため、すっかり忘れていた。大量の注文数どおり納品した。

で、その書店にお礼に伺うことにした。注文取り営業はすごく苦手なのだが、挨拶に行くくらいなら私でも大丈夫だろうと思ってのこと。

ここんとこ営業の人の話をずいぶん聞いて、「大まかな書店は月1回は訪問」というのが基本ラインだとわかったが、とても無理なのである。夜も寝ないで訪問…というのならできそうだが、書店営業は限られた時間帯というイメージがある。初期の頃に午前中行って、めちゃくちゃ嫌な顔をされたのがトラウマになっている。

実際問題として、他にもする仕事があるので、主だった書店へ月1回というのは少々難しい。かつ、「できるなら行きたくない」という営業嫌い性格。いつものことなんだが、「無理やり取ってきた注文で後日返品」VS「書店に並ばなきゃ意味がない」という議論でまた悩む。

とりあえず、今回は「できれば注文取りも…」程度のノリで行ってきた。が、その大量に仕入れてくれた本の話を少々、納期がらみで直納の話を少々して帰ってきてしまった。

うちで出している他の本も持っていったのに、すっかり忘れていた。どうも、店員さん相手だと緊張してしまうのである。

でも、どう考えても「嫌そうな顔ながら番線ハンコを押してもらう」より、挨拶のほうがいい気もするのである。並べてもらえれば売れるかもしれないから、売り上げという意味では注文取りのほうが重要かもしれない。が、店員さんに面倒だなと思われたり結局覚えてもらえなかったりするより、今回のように「わざわざどうも」と言われるほうが、長い目で見て効果があるんではなかろうか。

少なくとも、私が緊張で高血圧にならないで済むのは事実。

同じような感覚で、HPに「書店様へ」というページを作った。実は今までは、うちの(出版業の)HPなんて見る人はいないだろうという前提だった。が、最近、他の版元は「在庫情報の提供」にとても敏感だと教わった。オンライン書店の在庫表示ばっかり気にしてたんだが、念のためHPに記載することにした。

他にももうひとつ、書店向けのアイデアがある。小さいことなんだが、うちのような規模でないとできないことなので、やってみようと思っている。

4 コメント

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アイデア? (シゲキ)
2006-06-15 10:11:19
タミオさんこんにちわ。

本屋さんへ午前中に営業で訪問すると、品出しで忙しいから嫌な顔をされることもありますよね。

でも、それはやってみて初めて知る失敗ということで、いい経験だったのでは?



反対に親しくなった担当さんとかだと、開店直後の忙しい時間帯でも、目で挨拶して帰るだけで、その後の印象が変わることもあります。



私の営業モットーは、注文鳥ではなくミツバチのようにアチコチの本屋さんを花粉を運ぶがごとく動き回り、さらに挨拶を心がけて顔を憶えてもらうことです。

それこそ、大量注文のお礼で訪問、パブ予定を伝えるだけで訪問、近くに来たから顔を出すだけの訪問、なんでも有りだと思います。



本屋さんはプロ(でない人もいますが)ですから、売りたい本があれば注文を出してくれます。



ところで、アイデアってなんですか?

気になります(笑)
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シゲキさん、こんにちは (タミオ)
2006-06-15 17:52:52
いやー、ほとんどのことが「やってみて初めて知る」って感じです。失敗も山のようにあります。



アイデアというほどのことはないんですが(^^;

今、できるかどうか調べてますので、できそうだったらご報告します。けど、うち規模でないと、多分できません(笑)
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興味津々 (シゲキ)
2006-06-15 20:44:05
大手の人が「ウチ規模じゃなきゃ」なんて言ったらぶん殴ってやりますが、タミオさんがうち規模というんだから、そりゃぁそそられますなぁ。
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あはは (タミオ)
2006-06-17 17:44:11
そうですよね。

しかし、実はどこもやってることかもしれないです。
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