出版屋の仕事

知識も経験もコネもないのに出版社になった。おまけに、すべての業務をたった一人でこなす私。汗と涙と苦笑いの細腕苦労記。

書店営業(訪問)

2007年12月17日 | 営業
滅多に書かないカテゴリー「営業」。本日、行ってまいりました。

少ないとはいえ新刊委託配本をしてもらってるので、それが入った(あるいは入ってない)のがハッキリするのを待って、行ってきた。今回は、流通的な繁忙期を避けるのと、「でもやっぱり年内に…」の思惑で、発刊前(本ができる前)の営業はゼロ(ま、いつも似たようなものなんだが)。本を見せて売り込みたいということで、今頃の営業となった。

ちなみに、今回の新刊は、今までのジャンルとは違う(どうせ、いつも違う)とはいえ、「普段だったら入ってるところに入ってない」感じである。普段…というのは、「ある程度の在庫を…」という大きい書店さんなら入るということだが、やっぱり同じパターン配本でも毛色が違うと変わるんだとわかった。(え、そんなことないですか?)

で、銀座の書店7軒を、2時間かけて回る。受注7冊。担当者に会えず、案内を置いてきた書店が4軒。

これって、営業のプロ的にはどうなんでしょう? 今までの私の感覚だと、割に合わない。というか、全然ダメだ。

が、今回は、「ちょうどずっぽし来る書店さんなら!」という本だったし、「ちょうど銀座なら!」という本だったので、頑張った。

どう頑張ったかというと、「途中でめげずに、予定通りの書店を訪問した」ということに尽きる。「書店に営業」と思うだけで血圧が上がってしまう健康的問題や、帰ってきたら疲れちゃったからビールを飲みながらこうしてブログを書いている…という非効率を考えると、私としては上出来だ。

ところでうちは、銀座から電車で5分。本当はバイクだとグルグル回ったって2時間もかからないんだが、この季節は「防寒着を脱ぐ」手間があるので電車で行った。

よく考えてみると、うちから5分のエリアを2時間程度うろうろすることなんか、たいしたことではない。今回のように、銀座にある書店さんに合う書籍であれば、どんどん営業効率は上がる。

けど、今回も偶然だし、どうしてもそういうふうにジャンルを絞れない。

ただ、ジャンルという意味ではなくて、今までのうちの本と今回の新刊には大きな違いがある。

今回の本は、作った本人が言うのもなんだが、「書店の正しい位置に並んでいれば売れる」タイプではないかと思う。(甘いのはわかってます、うちの既刊との比較という意味です)

が、今までの本は、「書店にぶらっと来た人が買う」というより、「ニーズがあるから取寄せてでも買う」という本だ。どのみち市場在庫が少ないので取り寄せにはなるんだが、ちょぼちょぼでも注文が途切れないことを考えると、「ニーズがある人も日本のどこかにいる」らしい。作っているとき「こう売ろう」というより「こういう人なら買う!」という信念で作っているので、こんな悠長な売り方になっていたんだと思う。

で、今回の新刊だが、もちろん「こういう人なら買う」という読者層の想定はしてるんだが、なんとなく「見かけたら買う」人もいるような気がする。

そういう本のほうが、ちゃんと営業さえすればちゃんと売れるかもしれない。やったことがないのでわからないが、今回は営業苦手…とか言って逃げずに頑張ってみようと思う。

例によって時事本ではないので、最悪この本に本屋で出会わなくても、後になってほしいと思ったので取り寄せてくれる人はいると思う。

でも、そう言って逃げない。(血圧上がっても・・・)

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