出版屋の仕事

知識も経験もコネもないのに出版社になった。おまけに、すべての業務をたった一人でこなす私。汗と涙と苦笑いの細腕苦労記。

初めての経理 その3

2005年03月14日 | 出版経理
出版経理の基礎のコース(ホントは基礎じゃなかった)に出て、ようやく毎日の伝票処理についてクリアになった。さっそく、それまでの伝票を引っ張り出す。

納品伝票は4枚つづりと書いたが、1枚は当然納品のときに取次に渡す。大きな出版社だと、残り3枚があちこちの部署に行くんだろうが、うちは1枚で充分。かといってちゃんと綴じられている紙をわざわざ取ることもないので、そのままにしておく。

返品伝票は、トーハンと日販で微妙に違う。伝票自体もそうだが、返本のおじさんに求められる受領印を押す場所も微妙に違う。で、この返品伝票も数枚と、伝票が何枚あるか書いた紙を置いていかれる。うちに必要なのはひとつの束につき1枚だけなので、それだけ別にする。

複写の分をよく見ると、「起票→出版社控→…」と書いてある。受領印を押した伝票をおじさんが持って帰るのに、また返すんかい! 当時とりあえずそれはそれで別にして取っておいた。が、返さなくても何も言ってこないので、今では全部捨ててしまってる。

あと、月に1回送られてくる計算書。これもきちんと来た順にファイルしてこれからの作業に備える。トーハンは1枚だが、日販はなぜか月二回締めてて、2枚来る。後日、月に二回支払ってもらえる版元もあるのだと知った。

その計算書には、返品運賃手数料の請求書もついている。日販の場合、その請求書の根拠になる返品の表もついている。返品だけでずいぶんいろんな紙がある。無駄に思える。

私の場合、何か始めるときビシッと環境が整っていると気持ちがいい。なので、まず納品返品を記録するためのソフトを作る。作ると言ってもたいしたことなくて、マイクロソフトのアクセスにちょろっとマクロを組んだぐらい。

作るのはたいしたことなかったが、入力が結構ある。なにしろ半年分ほうってあったから。キーパンチャーかなんかのお姉さんに頼めばいいんだけど、返品伝票が多いのが恥ずかしいので、自分で入力する。

ちなみに、自分で使うソフトを作るときは結構手抜きをするので、その分使うとき面倒なこともある。そのへんは、実はずぼらな性格との妥協点をみつける。

伝票を入力し終わったところで、取次から送られてくる計算書と付け合わすためのレポートの出力に取り掛かる。つまり、そういうレポートを出せるように、また自作ソフトをいじるわけだ。

経理コースの講師の言葉が頭に残っていたので、とりあえず契約書を引っ張り出して、取引条件どおりに作ったらどうなるか、やってみた。

委託と注文以外の、自分はあまり関係ないからよく話を聞いてない条件とかがあって、やたら面倒だった。挫折した。

考えてみれば、いつもトーハンから計算書が送られてくる封筒に、出版経理のソフトのチラシが入っている。結構なお値段だとにらんで無視してたが、う~ん、買ったほうがいいんだろうか。

それでも、出版に関してはケチ精神が固まりつつあったので、やっぱり自分で作ることにする。アクセスは面倒なので、納品と返品の数だけ出るレポートを作って、あとはエクセルで送られてくる計算書と同じものを作ってみる。

おいおい、またですか。ここでもトーハンと日販と、微妙に違う。消費税を別に計算するとか、返品が何種類かに分かれてるとか。送られてきた計算書どおりの計算式を入れるだけなのに、謎解きでもしてるような気がしてきた。

その日は、そこまで。疲れきってしまった。

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