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女だてら

2020-11-26 22:23:29 | 読書

今夜も火星が月に寄り添うように赤くまたたいています

 

読書の秋を楽しんでいます

 

 

諸田玲子著

「女だてら」

 

読み始めたら止まりませんでした

まさに一気読み

読み飛ばしも無しでした

 

江戸時代

福岡黒田藩の支藩筑前秋月藩

後継ぎを巡るお家騒動が勃発

 

秋月藩の藩校教授だった儒学者原古処を父を持つ、原采蘋(さいひん)本名みち

彼女は父と兄に秋月藩の存亡をかけた密命を託されます

 

江戸に向かうのですが、女では何かと不都合なので

髪を切り、月代(さかやき)を剃り男になります

 

男前です

 

p37~1部抜粋

 

人生世にありて意にかなわずば

明朝髪を散じて扁舟をたのしまん

 

人生がおもうようにならないなら、明朝は髪を乱し身なりもかまわず、

なにものにも束縛されることなく、小舟に乗って放浪の旅をたのおしもう・・・

という意味だ。

李白の作である。

古処はー父はー李白をだれよりも崇拝していた。

・・・・

 

襲いかかる数々の荒波に扁舟はあわや沈みそうになり、

あるいはくるくる独楽のよう、いつ壊れて投げ出されるか。

それでもみちは、逃げるつもりはなかった。

「扁舟をたのしまん・・・・か。

たのしむ余裕がないときほど、たのしそうな顔をする。

すくんでいるときほど溌剌として見せる。

それがおれのやり方だ」

 

次々に試練がおそいかかるのですが

なんせ本人には自覚はないのですが「人たらし」です

助けたくなるんですね

 

道中はまさにサスペンスです

スリリングです

 

 

この女性実在の女性だったんです

諸田さんが彼女に息を吹き込みました

 

作者の諸田さんがこう言っています

 

男性はみちに恋して元気になって

 

女性読者も惚れます、彼に、いや彼女に!

諸田さんの作品も沢山読みましたが、「お鳥見女房」シリーズを除いて

一番面白かったですね

 

小藩の命運をかけた漢詩人原采蘋の活躍

おすすめです

 


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