今夜も火星が月に寄り添うように赤くまたたいています
読書の秋を楽しんでいます
諸田玲子著
「女だてら」
読み始めたら止まりませんでした
まさに一気読み
読み飛ばしも無しでした
江戸時代
福岡黒田藩の支藩筑前秋月藩
後継ぎを巡るお家騒動が勃発
秋月藩の藩校教授だった儒学者原古処を父を持つ、原采蘋(さいひん)本名みち
彼女は父と兄に秋月藩の存亡をかけた密命を託されます
江戸に向かうのですが、女では何かと不都合なので
髪を切り、月代(さかやき)を剃り男になります
男前です
p37~1部抜粋
人生世にありて意にかなわずば
明朝髪を散じて扁舟をたのしまん
人生がおもうようにならないなら、明朝は髪を乱し身なりもかまわず、
なにものにも束縛されることなく、小舟に乗って放浪の旅をたのおしもう・・・
という意味だ。
李白の作である。
古処はー父はー李白をだれよりも崇拝していた。
・・・・
襲いかかる数々の荒波に扁舟はあわや沈みそうになり、
あるいはくるくる独楽のよう、いつ壊れて投げ出されるか。
それでもみちは、逃げるつもりはなかった。
「扁舟をたのしまん・・・・か。
たのしむ余裕がないときほど、たのしそうな顔をする。
すくんでいるときほど溌剌として見せる。
それがおれのやり方だ」
次々に試練がおそいかかるのですが
なんせ本人には自覚はないのですが「人たらし」です
助けたくなるんですね
道中はまさにサスペンスです
スリリングです
この女性実在の女性だったんです
諸田さんが彼女に息を吹き込みました
作者の諸田さんがこう言っています
男性はみちに恋して元気になって
と
女性読者も惚れます、彼に、いや彼女に!
諸田さんの作品も沢山読みましたが、「お鳥見女房」シリーズを除いて
一番面白かったですね
小藩の命運をかけた漢詩人原采蘋の活躍
おすすめです
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