葉室 麟 著
「草笛物語」
あの「蜩ノ記」の16年後
羽根藩の赤座颯太は若い藩主、吉通の小姓
颯太が主人公なので
蜩ノ記の重厚さはないのですが、爽やかさと読みやすさは格別
戸田秋谷は人の心の中に多くのものを残していました
秋谷の息子、戸田順右衛門は這い上がるため
百姓の友、源吉の妹お春を裏切り、重臣の娘を娶る
そしてすべての感情を押し殺す
そのため「鵙」という仇名を付けられ恐れられていた
しかし、お春は今でも順右衛門を慕っていた
そんな父を案じる一人娘の美雪にお春はこう言います
「順右衛門様は本当におやさしい方なのです。
ですから、ご自分に厳しくしていないと崩れてしまうような気がするのではないでしょうか」
「それは父が、本当は弱いひとだ、ということなのでしょうか」
「いいえ、やさしさは弱さではないと思います。
やさしいひとはひとの苦しみがわかり、助けようとします。
そんなとき、相手がどれほど強くても恐れない心は、やさしさからもたらされるのだと思います」
「では、やさしさこそが強さなのだと言われるのですね」
・・・
ひとはいとおしく思ってくれるひとがいてくれれば、道を過たずに生きていける。
お春、美雪
颯太そして若き藩主、吉通のその後の活躍を描いて欲しかった
もう、無理か・・・・
宇江佐真理さんと葉室麟さん
あ~惜しいなあ
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます