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小さな幸せ

小さな幸せの見つけ方感じ方の達人をめざして!

鯉姫婚姻譚

2022-10-11 21:57:41 | 読書

 

藍銅ツバメ著

「鯉姫婚姻譚」

 

日本ファンタジーノベル大賞2021

「これ以上のラストはない」

と選考委員を唸らせた驚嘆の受賞作

 

という説明に、絶対読んでみたい!

これ以上ないラストを知りたい

と思い読んでみました

 

書き出しがこう

 

「ね、おたつね、孫一郎と夫婦になってあげようと思うの。嬉しいでしょう」

 

と始まります

 

おたつというのは人魚

上半身だけなら十をやっと越えたくらいの尋常な童女に見えるが、その腰骨から下は鯉のような尾鰭がつき、純白の鱗が並ぶ地に鮮やかな緋盤がいくつも浮かんでいる

 

若くして隠居生活している孫一郎の家の庭の池に住んでいます

 

孫一郎もおたつのことを憎からず思っているのですが、

人間と人魚は一緒にはなれないと

色んな異類婚姻譚の話しをおたつに聞かせてあげます

 

猿婿

八百比丘尼

つらら女

蛇女房

馬婿

 

どの話も切なく悲しい

ハッピーエンド好きの私ですが、嫌いじゃなかったです

これは作者の腕ですね

このツバメさん、この作品がデビュー作らしいのですが

これからどんどん書いて欲しいと思いました

 

さて、当の孫一郎とおたつのラストは如何に

 

おたつという名前にヒントが隠されています

どうぞ手に取ってみて下さい

お勧めです


チョウセンアサガオの咲く夏

2022-10-05 10:26:17 | 読書

 

 

柚月裕子著

「チョウセンアサガオの昨く夏」

 

これね、柚月さんの短編集なんですよ

柚月さんの13年がつまっているそうです

 

いや~読ませますね~

 

11作品

チョウセンアサガオの咲く夏

これは承認欲求の強すぎた結果の悲劇が描かれていました

読み終えた時、気持ちがざわざわとしました

 

泣き虫の鈴

12歳で奉公にだされたハ彦が奉公先で出会った10歳の瞽女に勇気をもらう

これはいいお話でした

 

サクラ・サクラ

日本兵のお話

ホロっとしました

 

お薬増やしておきますね

これはホラー?

今話しているのはどっち?

みたいな・・・

 

初孫

これは少しヤバい

 

原稿取り

これは面白かった~

今度、朗読の勉強会で読んでみよう

 

愛しのルナ

これはね~猫好きな人が読んだらどう思うんだろう?

聞いてみたい

 

泣く猫

これも猫がでてきます

この作品はじわ~ときます

 

影にそう

これも又瞽女さんのお話

泣けます

 

黙れおそ松

6つ子おそ松兄弟のお話

落ちがなんともおかしい

 

ヒーロー

最後のヒーローは柚月さんの代表作の「佐方貞人」シリーズから

 

全作品が12頁前後なのでサクサク読み進めます

 

お勧めです

 


白露

2022-09-08 19:46:56 | 読書

台風11号が、秋を連れてきました

朝、夕は爽やかな風が吹いて何とも気持ちがいいです

今朝も公園のラジオ体操に参加したのですが

気温は20.5度

両手を広げて空を見上げると

見上げた空は高く青く

その空のキャンバスに鱗雲だったり

刷毛ではいたような薄い雲が描かれています

あ~幸せだな~って

 

今年の夏は、コロナもあり、例年以上に暑く感じていただけに

この数日の「秋」に大きな幸せを感じます

こんな空を見ていると元気が沸々と体の中を駆けめぐってきます

体も動きます

 

夜は夜で虫が合唱を始めています

月も少しずつ丸くなっています

 

本もサクサク読めます

 

宮部みゆき著

「子宝船」

読み終わりました

 

 

 

きたきた捕物帖第2弾

 

第1弾からかなり日が経っていたので

思い出し思い出ししながら読みました

 

この本の登場人物に

何とまあ「ぼんくら」に出ていたおでこさんが出てきました

もう結婚もしていました

 

北一君が一生懸命に頑張る姿が大好きです

 

第3弾はもう少し早めにお願いします


あんの信じる者

2022-08-22 10:16:55 | 読書

 

 

柴田よしき著

お勝手のあんシリーズ第6弾

「あんの信じるもの」

 

表紙のやすがすっかりお姉さんになっています

お年頃です

 

台風の被害で紅屋も立て直し

その間、煮売りやでお手伝い

が前の「あんの夢」でした

 

すっかり新しくなった紅屋に戻ったところから始まります

今まで以上に広く使い勝手のいい台所

やすにも自分用の部屋まで作ってもらい

従業員用の内湯まで

紅屋の懐の広さが感じられます

 

そんな中、新しくとめ吉ちゃんという小僧さんが入り

やすは彼の教育担当者になります

このとめ吉ちゃんが素直で真面目でいい子で本当に良かった

やすはこの子に一生懸命に色々教えていきます

ふたりとも健気だわ~

 

新しい時代を迎えようとしている

やすが今まで出会っている「姫」は後の天璋院

夢を持てと教えてくれた歳三さんは土方歳三

やすのことが大好きな天文学者も後に有名な方に

と歴史上の人物が次々に出てきます

 

これはこれで、ああ、あの人のことだなと想像しながら読める楽しさもあります

 

今回は、次に繋がる伏線が張りめぐらされての終了

 

次回が待ち遠しい

男性でも楽しめる一冊ですよ~


狐花火

2022-08-19 18:09:17 | 読書

 

 

今村翔吾著

羽州ぼろ鳶組

「狐花火」

 

羽州ぼろ鳶組シリーズ第7弾

 

今回も勿論文句なく面白かったです

 

今年春から新たな幕府の取り決めが

武家火消し、町火消の頭取が一同に集まり新人火消しを発掘するという

「鳶市」

まあ、ドラフト会議のようなもの

今回は316人の志願者

走りの試技

梯子上がり

 

この中で、ずば抜けて目立っていたのが慎太郎

どれも全くダメダメな藍助

 

ぼろ鳶源吾頭取は一体誰を指名するのか

 

この二人、物語の最後に重要人物で再登場します

 

そして、物語は1弾「火喰鶏」で出てきた

明和の大火の下手人秀助と同じ手口の火事が起こります

 

死んだはずの秀助は生きていたのか?

 

とまあ、今回も命をかけた男たちの活躍で胸が躍りました

 

本当に面白いですよ

お勧めです

 

近頃、朝日新聞で今村翔吾さんの

「人よ、花よ、」

という物語の連載がスタートしました

こちらも毎朝楽しみです


菜の花の道

2022-08-11 20:44:36 | 読書

 

 

藤原緋沙子著

「菜の花の道」

 

千成屋お吟シリーズ

「ほたる茶屋」

に続く第2弾

 

2年ぶりに出ました

 

日本橋でよろず相談を引き受けている女将お吟

お吟の手足となって働く千次郎と興之助

この二人はお吟の岡っ引きだった亡き父の手下

 

そして何と言っても心強い存在は

今は隠居した元北町同心の平右衛門

 

勧善懲悪

肩ひじ張らずに楽しく読める時代小説です

 


花を呑む

2022-08-08 13:27:54 | 読書

 

あさのあつこ著

弥勒シリーズ第7弾  「花を呑む」

 

弥勒の月

夜叉桜

木練柿

東雲の途

冬天の昴

地に巣くう

と、順調に読み進んでいたのですが

新刊本等を手に取り、すっかり止まっていました

 

久しぶりの、同心木暮信次郎、岡っ引き伊佐治、商人遠野屋清之介

やっぱり文句なしに面白い。

3人のキャラ立ちが凄いので、間を置いてもすぐに入り込めました

彼らを取り巻く伊佐治の家族、清之介の店で働く人、商売仲間、信次郎の想い人(?)お仙さん

と、どの人も魅力的です

 

今回は、死人の口の中に深紅の牡丹の花が幾つも突っ込まれていた

そして幽霊が・・・

 

その事件の時、信次郎は寝込んでいて現場に行けなくてすこぶる機嫌が悪い

難解な事件であればあるほどその能力を遺憾なく発揮する信次郎なだけに

そのとばっちりをくうのが伊佐治

今回は伊佐治の息子の嫁おけいがまたしても事件に関わってしまいます

 

そして血生臭い事件には清之介がもれなくついてきます

そこでニヤリとする信次郎

 

この二人の間の緩衝材、伊佐治

 

このシリーズも伊佐治は本当に忙しい

 

 

清之介さんフアンの私も一度でいいから

遠野屋清之介のお店に行ってみたい!!

 

あさのあつこさんの本を読んでいると思います

あさのさんの語彙力が物凄く豊かだなあと

これでもかこれでもかと知らない日本語が出てきます

頭の中に丸々語彙辞典が収まっているんですね、きっと

 

は~こんな言葉があるんだと、新しい発見がとても楽しみでもあります

 

10作目が昨年出ています

急ぎ追いつかなくては

 

是非お勧めのシリーズです

 


花散る里の病棟

2022-08-06 21:21:44 | 読書

 

 

帚木蓬生著

「花散る里の病棟」

 

知り合いに勧められた一冊

帚木さん初めて読みました

 

源氏物語第2帖 「帚木」 + 第15帖 「蓬生」からのペンネームです

1947年福岡県生まれ

東大 仏文科卒業

九大 医学部に進み、今も現役の精神科医

作家と医者の2投流です

 

この「花散る里の病棟」は10年かけて書き上げ、今年4月27日に刊行

大正から令和まで、4代にわたる医者のお話

大正時代に寄生虫退治で名を挙げた野北保造が初代

2代目 宏一は軍医となり、フィリピン戦線で過酷な医療を体験

3代目 高齢者の居場所を模索する医者

4代目 今、コロナと戦っている若き医者

 

どの時代でも医者という仕事の過酷さをひしひしと感じさせる作品です

特に2代目の戦時下の体験は、胸が痛くなりました

これがそんなに昔の話ではないのですね

所々に、俳句がはさまれていて、ひりつく気持ちを癒してくれます

 

時代が行ったり来たりするので、前のページを読み返したりしながら読み進みました

この本、読んで良かったと思いました

 


あんの夢

2022-06-02 21:33:02 | 読書

 

 

柴田よしき著

お勝手のあんシリーズ5巻

「あんの夢」

今回の舞台は4巻までと違って深川

あんが働いていた紅屋は台風の被害に遭い、立て直し

その2か月の間、深川の総菜屋に行くことになりました

 

あんは直ぐに宿屋で出す料理と煮売りの味の違いを理解します

この煮売り屋の女主人が深川女です

きっぷがよくて面倒見がよい!

 

そこで持ち前の腕を発揮するあんの姿がとても新鮮です

年頃になったあんは嫁に行く気など全くなく

夢は

品川一と言われる紅屋の台所で働きたい!

その時代、女性が夢を語る事なんてなかったんですね

夢を持てと彼女を諭す歳三さん

うん?土方さん?

篤姫も出てきたからね~

血生臭いことに巻き込まれなければいいのですけど

 

 

頑張れあん

と誰もが応援したくなります

 

この物語、出てくる男性陣がとても女性を尊重しているところが

読んでいて心地いいんです

 

第6巻6月15日発売

う~ん、図書館では秋になるかな・・・

 

 


白鳥とコウモリ

2022-04-29 10:46:04 | 読書

 

東野圭吾著

「白鳥とコウモリ」

 

522頁

ぶ厚い本です

しかし、流石、東野さんの作品です

最後まで一気読みしました

 

善良な弁護士白石が殺されます

「心当たりなんて全くありません」

と弁護士の妻は警察に言います

弁護士はなぜ殺されたのか?

 

 

「白石さんを殺したのは私です。」

と、犯人は79頁で自供します

 

そこから、物語は始まります

 

被害者の娘と加害者の息子が真実が知りたいという一心で

事件の真相にせまります

 

そこに白鳥とコウモリの意味がわかってきます

 

重過ぎず、二人の若者と一緒に事件を追っていく感じで読めます

 

連休中にお勧めの一冊です