原題:『Le Père Noël』
監督:アレクサンドル・コフレ
脚本:アレクサンドル・コフレ/レイチェル・パルミエリ/ファブリス・カラゾ/ローラン・ゼイトゥン
撮影:ピエール・コットロー
出演:タハール・ラムヒ/ビクトル・カバル/アネリーズ・エスム/マイケル・アビテブール
2014年/フランス
(SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2015)
サンタクロースの物語の奥深さについて
6歳のアントワーヌがクリスマス・イブの夜に眠りにつこうとした矢先に、バルコニーへ落ちてきたサンタクロースとの出会いから始まる物語は、本気で男がサンタクロースだと信じて追いかけてくるアントワーヌと、彼の信頼度を上手く利用しながらギャングの命令で金品を盗もうと試みる「サンタクロース」との絶妙な掛け合いがテンポ良く最後まで飽きさせることはない。
アントワーヌは馬のセブリトが親の言うことを聞かずに外へ出かけてワニに遭遇してしまう物語を父親にしてもらっていたが、彼の父親はその結末をアントワーヌに教えないまま亡くなっていた。もちろんここではアントワーヌがセブリトであり、ワニがサンタクロースに当たるが、てっきりセブリトがワニに食べられると思っていたアントワーヌに対して、サンタクロースはワニはセブリトを家まで送っていくが、ワニの方がハイエナたちに食べられてしまうと物語を変え、自らの不遇さをファンタジーにしてアントワーヌを喜ばすことで「本物」のサンタクロースになるのである。
『レオン』(リュック・ベッソン監督 1994年)の「男の子版」といっても間違いない良作だと思う。もちろんコメディー作品である。