原題:『海街diary』
監督:是枝裕和
脚本:是枝裕和
撮影:瀧本幹也
出演:綾瀬はるか/長澤まさみ/夏帆/広瀬すず/大竹しのぶ/堤真一/樹木希林
2015年/日本
「虚」と「実」が重なる「四姉妹」について
主人公である香田三姉妹の異母妹の浅野すずを演じた広瀬すずは偶然に同じ名前で、その結果、父親を亡くした浅野すずに対して香田三姉妹が一緒に暮らして姉妹として親密になろうとする過程と、香田三姉妹を演じた綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆の先輩女優が新人の広瀬すずを歓迎する過程が重なることで物語に真実味が出るようになる。
冒頭が長澤まさみの素足から始まるように、本作は決して単にほのぼのとした作品ではないが、そのような「エロス」を担うのが他の2人の先輩女優ではなく、例えば、入浴シーンや風呂上がりにバスタオル越しで真っ裸で扇風機に当たるのみならず、同級生の男子がこぐ自転車の後ろに乗って満開に咲く並木道の中で上を向きながら恍惚とした表情を見せる広瀬すずであることが意外で、大物になる予感がする。