MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『父は憶えている』

2024-02-01 00:59:29 | goo映画レビュー

原題:『Esimde』 英題:『This is What I Remember』
監督:アクタン・アリム・クバト
脚本:アクタン・アリム・クバト
撮影:タラント・アキンベコフ
出演:アクタン・アリム・クバト/ミルラン・アブディカリコフ/タアライカン・アバゾヴァ
2022年/キルギス・日本・オランダ・フランス

「原点回帰」の是非について

 作品の冒頭は大地にクネクネと伸びる太い幹の樹木が並んでいる誰もいない庭である。それから場面は望遠で撮られるキルギスの街並みに切り替わるのであるが、昔とは違って列車や高速道路が通って近代化が進んでいる。そこに現れたのが23年前にロシアに出稼ぎに行ったまま行方不明になっていたザールクで、息子のクバトに連れられて母国に戻ってきたのではあるが、ザールクは記憶を失っている上に、ザールクの妻のウムスナイは村の有力者と再婚してしまっている。
 例えば、ゴミを拾ってくるザールクの言動にクバトや妻が当初は困惑するのであるが、やがてそれが「原点回帰」に向かう行動だと理解するようになる。実際にラストにおいて冒頭で映された樹木を(昔からの慣習で?)保護するために白く塗っていたのはザールクなのである。
 ここで問題となるのは「原点回帰」に向かうザールクに対して、男尊女卑が根深いイスラム教の教えにより「原点回帰」に向かう限りウムスナイは離婚できないという皮肉なのであるが、そもそも男女の認識に大きな違いがあることは間違いない。
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/bunshun/entertainment/bunshun-67371


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