(2020年9月5日付毎日新聞朝刊)
8月28日の記者会見で茂木敏充外相が、新型コロナウイルス感染拡大防止策として実施していた在留外国人の入国制限に科学的な合理性があるかと日本語で訊ねた外国人記者に「What do you mean by scientific?(科学的とはどういう意味か)」と英語で聞き直したことで差別的だと批判されていることに対して、「英語が通じると思って、善意でお聞きしたまでだ」と釈明しているが、そもそも前提が間違っていると思う。
外国人記者が日本語で「科学的」と訊いているのならば、「科学的とはどういう意味か」と日本語で訊かなければならないはずで、質問者が英語で具体的に定義していいかと訊かれた時に初めて茂木外相は英語を通じて相手の意図を聞き取るべきなのである。
茂木外相はハーバード大学に留学経験があるらしいが、英語を使って自分の頭の良さを示そうとして自爆して逆に性格の悪さを露呈してしまったパターンで、これは茂木外相に限らずジョージタウン大学を卒業した河野太郎防衛大臣など英語に堪能な日本人が陥りがちな過信で、さらに言っておくならば、別に英語に堪能でなくても勘違いして自分が英語が堪能だと思い込んでいる麻生太郎財務大臣にも当てはまる。
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