
原題:『Day of the Dead』
監督:ジョージ・A・ロメロ
脚本:ジョージ・A・ロメロ
撮影:マイケル・ゴーニック
出演:ロリー・カーディル/リチャード・リバティー/ジョン・アンプラス/テリー・アレクサンダー
1985年/アメリカ
「主義」の行きつく先について
『ゾンビ』(1978年)から7年後に製作された本作は、『ゾンビ』のラストでヘリコプターで逃げ去ったフランシーン・パーカーと黒人のピーター・ワシントンの「その後」が描かれているように見えなくもない。
「死体時代」というタイトル通りに、完全に死人たちに支配された地上を避けて生きている者たちは地下施設で暮らしており、軍人たちに守られマシュー・ローガン博士を中心に科学者たちが生存者を探しながらゾンビとの共存を模索している。
『ゾンビ』のテーマが資本主義か共産主義かの選択であるならば、本作は民主主義か戒厳令下の軍国主義かの選択といったところであろう。そしてローガン博士が育てたバブと呼ばれるゾンビが指揮官のヘンリー・ローズ大尉を撃ち殺し、生き残ったサラ・ボウマンとジョンとビルがヘリコプターに乗って行った先が無人島というアイロニーが効いていると思う。