原題:『Moonage Daydream』
監督:ブレット・モーゲン
脚本:ブレット・モーゲン
出演:デヴィッド・ボウイ
2022年/ドイツ・アメリカ
「自作解説」をするデヴィッド・ボウイについて
まずは作品冒頭で映される引用を和訳しておきたい。
「20世紀になって、神は死んで人が神を殺したとフリードリヒ・ニーチェは宣言した。それが人が神になったという人間の傲慢さを生み出したのだが、神からしてみれば、自分が生み出せたらしいものはただの大惨事でしかなかった。それが恐ろしい混乱へと導いた。と言うのも、もしも私たちが神に取って代われないというのならば、私たちが自分たちの中で作り上げた場所をどのようにして埋めればいいというのか?
"At the turn of the 20th century, Friedrich Nietzsche proclaimed that God is dead and that man had killed him.""This created an arrogance with man that he himself was God. But as God, all he could seem to produce was disaster.""That led to a terrifying confusion: for if we could not take the place of God, how could we fill the space we had created within ourselves?"」
どうやらデヴィッド・ボウイは自分たちの場所を埋める作業に人生を捧げたというのが、監督が本作を制作する際のモチーフとしたらしい。その上、一般的なドキュメンタリー映画と違い、まるで観客はボウイの背中を追いかけながらボウイ本人が自分自身の楽曲制作意図を観客に説明しているように錯覚させ、あっという間に終わってしまった。
ボウイ本人が主演している『戦場のメリークリスマス』(大島渚監督 1983年)の一場面が引用されるのは理解できるが、日本においてはいまだに無修正版が公開されていない『愛のコリーダ』(1976年)の一場面まで引用されていた。作品の引用にも監督のセンスを良さが現れている。
映画のタイトルにもなっている「月世界の白昼夢」(1971年)を和訳しておきたい。
「Moonage Daydream」 David Bowie 日本語訳
俺はアリゲーターで
おまえのために来た両親で
宇宙侵略者で
おまえのためにロックンロールに淫する
口を開くな
おまえはピンク色のモンキー鳥のようにギャーギャー騒ぎ
言葉によって俺の脳は壊れようとしている
俺からおまえの刺激的な目を逸らさないで欲しい
俺の頭にはおまえの光線銃が向けられている
恋人よ、空間に漂うおまえの顔が俺の顔に押し当てられ
月世界の白昼夢の中で自制を失う
知ったかぶりはするな
本当のことを言ってくれ
人間と愛の教会はそのような聖なる場所になるんだ
俺にしてくれ
本当におまえが気にかけていることを俺に知らせてくれ
俺を空中に飛ばしてくれ
俺からおまえの刺激的な目を逸らさないで欲しい
俺の頭にはおまえの光線銃が向けられている
恋人よ、空間に漂うおまえの顔が俺の顔に押し当てられ
月世界の白昼夢の中で自制を失う
俺からおまえの刺激的な目を逸らさないで欲しい
俺の頭にはおまえの光線銃が向けられている
恋人よ、空間に漂うおまえの顔が俺の顔に押し当てられ
月世界の白昼夢の中で自制を失う
俺からおまえの刺激的な目を逸らさないで欲しい
俺の頭にはおまえの光線銃が向けられている
恋人よ、空間に漂うおまえの顔が俺の顔に押し当てられ
月世界の白昼夢の中で自制を失う
自制を失う
麻薬に酔って
性交する
Moonage Daydream (Live)
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