原題:『ピーナッツ』
監督:内村光良
脚本:内村光良/益子昌一
撮影:谷川創平
出演:内村光良/三村マサカズ/大竹一樹/ゴルゴ松本/レッド吉田/ふかわりょう/佐藤めぐみ
2006年/日本
体を動かすことが大好きな映画監督について
2年ほど前に『愛の水球歌』という小説でデビューし、2作目の『たかが草野球』という実体験を元にした小説を上梓したものの、その後はスランプに陥り一年ほど小説が書けないまま、恋人の宮島百合子との関係もギクシャクしだした主人公で40歳になる秋吉光一は地元に戻るのであるが、10年前には賑わっていた商店街は再開発の候補地になっていた。
その再開発中止か立ち退きかを賭けて秋吉率いる草野球チーム「ピーナッツ」は再開発業者がスポンサーをしている社会人野球チーム「東和ニュータウンズ」と試合をすることになるのであるが、やはり「東和」には勝てない理由は、映画業界という観点から考えてみれば分かりやすいと思う。
しかしこの経験のおかげで秋吉は『されど野球~あれから10年~』という小説を執筆することができ、さらにカーリングやクリケットなど興味の幅を広げていくところなどは、『金メダル男』(2016年)に至るまで内村監督の作風の変わらなさを表している。ジャッキー・チェンを崇拝しているように、内村監督はストーリーよりも自分たち自ら演じるアクションを活写することが好きなのだと思う。