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MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ビッグ・ガン』

2017-03-16 00:25:27 | goo映画レビュー

原題:『Tony Arzenta』 英題:『Big Guns』
監督:ドゥッチョ・テッサリ
脚本:ウーゴ・リベラトーレ/フランコ・ヴェルッキ/ロベルト・ガンドゥス
撮影:シルヴァーノ・イッポリティ
出演:アラン・ドロン/リチャード・コンテ/カルラ・グラヴィーナ/ニコレッタ・マキャヴェッリ
1973年/イタリア・フランス

手本としての「アイドル映画」について

 いわゆるギャング映画なのであるが、アラン・ドロンが演じる主人公で殺し屋のトニー・アルゼンタはかなりの強者で、左腕を撃たれた以外は怪我を負うこともなく簡単に相手を殺していき、最後にサンドラを救出する際も、何故かきっちりと閉まっていなかった部屋のドアを音をたてずに開けることができるために中にいた相手に気づかれずに一発で射殺することができるのである。だから本作はギャング映画という以上にアラン・ドロンの「アイドル映画」と言った方が相応しいように思うのだが、だからと言って駄作という訳ではない。
 トニーが復讐を始める動機になった事件の、それまでの静寂を破る唐突感や、ラストのどんでん返しも上手くいっていると思う。復讐の連鎖を断ち切ろうと試みたトニーだったが、仲間でレストラン経営者のルカ・デンニーノが「あいつを何とかしてくれれば、もっと商売しやすくなる」という言葉の重みに気がついていなかったのである。


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