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MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『任侠野郎』

2016-06-13 22:23:59 | goo映画レビュー

原題:『任侠野郎』
監督:徳永清孝
脚本:福田雄一
出演:蛭子能収/トリンドル玲奈/柳楽優弥/安田顕/中尾明慶/橋本マナミ/北原里英/佐藤二朗
2016年/日本

「パンツと太刀」について

 『セーラー服と機関銃』(相米慎二監督 1981年)と『昭和残侠伝 唐獅子牡丹』(佐伯清監督 1966年)を組み合わせたような作風は企画として面白みはあるものの、オリジナルを超えろとは言わないまでも明らかに迫力不足で主人公の柴田源治を演じた蛭子能収はただの「出オチ」でしかない。
 例えば、若き柴田源治を拾って面倒を見てくれていた小里組の組長が刺された現場に駆け付けた源治の後に現場に来た榊辰巳が組長を刺した犯人が正岡組の組員であると教え、怒り狂った源治が一人で正岡組に押しかけて娘の正岡時子の目の前で組長を殺してしまうのであるが、このシーンはどう考えてもおかしい。源治よりも後から来た榊辰巳が犯人を知っているはずがないからで演出が間違っていないのであるならば源治はかなり頭が悪いと思うが、残念ながらそれが笑いに結びついていない。
 蛭子能収は映画に関して一家言ある人なので、かなり期待して観に行ったのであるが、セリフは棒読みで演技に工夫も感じられずいつものように「ありのまま」で挑んだ本作は企画倒れで、これならば北原里英の方が作品に対する姿勢がよっぽど真摯だと思う。


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