原題:『Sherlock:The Abominable Bride』
監督:ダグラス・マッキノン
脚本:スティーヴン・モファット/マーク・ゲイティス
撮影:スージー・ラヴェル
出演:ベネディクト・カンバーバッチ/マーティン・フリーマン/ユーナ・スタッブス
2016年/イギリス
時代を楽々と超えるシャーロック・ホームズについて
元のBBC制作のテレビドラマ『SHERLOCK』を見ていないと、ストーリーのトリッキーな設定に戸惑ってしまうが、シャーロック・ホームズを「ハードディスク」、敵対するジェームズ・モリアーティ教授を「ウィルス」とする解釈は現代的で上手いと思う。
メアリー・ワトスンが婦人参政権の運動に加わっているように、当時から男女による差別は問題として認識はされていたようだが、もしも描かれているように1895年あたりから過激な女性解放運動(ウーマン・リブ)が起こっていたならば、21世紀の女性の立場は今以上に改善されていたのかどうかは微妙で、それはクー・クラックス・クラン(Ku Klux Klan、KKK)がいくら頑張っても世界が白人至上主義にはならないことに通じる。