MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『スキャナー 記憶のカケラをよむ男』

2016-05-05 00:49:42 | goo映画レビュー

原題:『スキャナー 記憶のカケラをよむ男』
監督:金子修介
脚本:古沢良太
撮影:釘宮慎治
出演:野村萬斎/宮迫博之/杉咲花/木村文乃/安田章大/風間杜夫/高畑淳子
2016年/日本

過剰な「残留思念」による覚書

 さすが脚本を古沢良太が担っているだけあって、沢村雪絵がお笑いコンビ「マイティーズ」を好きになった理由まで、張られた伏線全てを消化しており文句のつけどころがない。
 それは監督の金子修介の演出も同様で、例えば、冒頭部分で主人公の丸山竜司が所属プロダクションの事務所で社長の峠久美子と口論しているワンショット内で窓の外の電車を左右に走らせるところなどこだわりの演出を見せる。だからおそらくもう一人の主人公の仙石和彦が警察庁の若手刑事である佐々部悟の運転で霞高原に向かった際に、高速道路で乗っていた車と木戸エリカの家に着いた時の車が違っていたことは過剰な「残留思念」による見間違いだったのだろう。誰だって思い込みによる間違いを犯すことがあるのだ。


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