MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『バットマン vs. スーパーマン ジャスティスの誕生』

2016-05-15 00:07:45 | goo映画レビュー

原題:『Batman v Superman: Dawn of Justice』
監督:ザック・スナイダー
脚本:デヴィッド・S・ゴイヤー/クリス・テリオ
撮影:ラリー・フォン
出演:ヘンリー・カヴィル/ベン・アフレック/エイミー・アダムス/ジェシー・アイゼンバーグ
2016年/アメリカ

いつ始まったのか分からない正義について

 まだ幼かった主人公のブルース・ウェインが映画を観た帰りに両親を強盗に殺されたシーンから始まる本作は、後に誘拐されることになるクラーク・ケントの育ての母親の登場でその意味が分かるのであるが、メインとなるテーマは彼らの本来の姿であるバットマンとスーパーマンが敵と戦うことで却って人類に被害をもたらすというパラドックスにあると思う。しかしバットマンが宇宙人のスーパーマンを脅威に感じることは理解できても、スーパーマンがバットマンを脅威に感じる理由は説得力が足りない上に、「暗い」バットマンと「明るい」スーパーマンの対戦は、ザック・スナイダー監督の作風により「暗い」中で行われ、バットマンはともかくスーパーマンも暗めな感じでスーパーマンらしくない。
 ダイアナ・プリンスの突然の出現もテーマを不鮮明にしている要因になっていると思う。スーパーマンの遺体が入っているとされる棺桶にかぶさっている土がラストで上昇しているところを見ると続編があるようで、確かにまだ「正義の始まり(Dawn of Justice)」ということなのだから続きはあるのだろうが、残念ながらその肝心の正義が本作を観てもよく分からなかったから、続編を観ても理解できる自信がない。


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