MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『僕だけがいない街』

2016-05-01 00:15:31 | goo映画レビュー

原題:『僕だけがいない街』
監督:平川雄一朗
脚本:後藤法子
撮影:斑目重友
出演:藤原竜也/有村架純/鈴木梨央/林遣都/及川光博/福士誠治/杉本哲太/石田ゆり子
2016年/日本

タイムリープを凌駕する「若さ」について

 大人になったら誰でも後悔していることはあり、それが主人公の29歳で漫画家志望の藤沼悟にとっては白鳥潤の「冤罪」なのである。悟はその白鳥潤や母親の藤沼佐知子や宅配ピザ店のバイト仲間である片桐愛梨の励ましもあって、母親の死をきっかけに「時空移動(タイムリープ)」を利用して事件の回避に努める。しかし残念ながらそれらの励ましは29歳になった心だから応えられるわけで、小学5年生の男の子の心のままだったら無理であろう。
 いわゆる「タイムパラドックス」に関しては、主人公で小学5年生の藤沼悟が橋から落ちた後の展開以外にはそれほど気にならない。むしろ気になることはどんなに悟が時空移動しようとリバイバル能力を発揮しようと、さらには2016年になろうとも全くその美しさが変わらない佐知子を演じている石田ゆり子の存在である。『仮面ライダー1号』(金田治監督 2016年)において本郷猛を演じた藤岡弘、に関して年齢の違和感について書いたが、本作においてはその石田ゆり子の「若さ」に関して悟の家を訪れた愛梨に指摘させることで観客が抱く違和感を上手く処理していると思う。しかしそれにしても28年間美人でい続けるところは逆に面白い。


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