MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ズンドコベロンチョ』

2015-12-01 00:12:55 | goo映画レビュー

原題:『ズンドコベロンチョ』
監督:金澤克次
脚本:北川悦吏子
出演:草刈正雄/田山涼成/丸岡奨詞
1991年/日本

「ズンドコベロンチョ」以外の言葉の意味について

 フジテレビの『世にも奇妙な物語』で『ハイ・ヌーン』(坂本太郎監督 1992年)と一緒にリメイクされていたのが本作である。主人公の三上は優秀なエリートサラリーマンで、自身の博識を自慢にしていたのであるが、「ズンドコベロンチョ」という、自分が知らない言葉に遭遇したことをきっかけに奈落の底に落ちていくというストーリーである。しかし本作の、藤木直人が主人公を演じたリメイク版はネットの普及もあり、さすがにネットにさえ載っていないような言葉を主人公だけが知らないという設定には無理があるように感じた。
 しかし本作を観なおして私たちが驚くことは三上のセリフにある。企画会議において「この、『アトリウム』って何?」と問う部下に対して、司会進行の三上が呆れたまま何も答えずに、「アーバンライフにおけるコンテンポラリーのニーズに応えるために、今のインテリジェントビルにはアメニティー空間としてのアトリウムは欠かせない訳です。」と説明するのである。ここの三上のセリフは当時の新しい横文字を駆使した、一般人にはちんぷんかんぷんの説明であったはずなのであるが、今改めて聞いてみると普通の説明なのである。理解できるようになった理由が、自分が大人になったためなのか、当時の新しい横文字が一般的になったのか微妙なところではあるのだが。


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