MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『海にかかる霧』

2015-05-10 00:04:59 | goo映画レビュー

原題:『Haemoo(海霧)』
監督:シム・ソンボ
脚本:ポン・ジュノ/シム・ソンボ
撮影:ホン・ギョンピョ
出演:キム・ユンソク/パク・ユチョン/ハン・イェリン/イ・ヒジュン
2014年/韓国

年齢にもかかる「霧」について

 ポン・ジュノが関わるシリアスな作品にハズレはないと思うが、逆に言うならば『スノーピアサー』(ポン・ジュノ監督 2013年)のように少しでもコメディー的な要素を持ち込むと失敗してしまうのである。その点本作はシリアスに徹しているために見応えはあるが、想像以上に陰惨な光景を目撃してしまうことにもなる。
 一つだけ疑問を呈しておきたい。舞台は1998年10月である。ところがパク・ユチョンが演じる見習い乗組員のドンシクが年齢を訊かれて26歳だと答えた時、密航者の一人であるホンメは、それならば1974年生まれだと言い、ドンシクも否定しないのであるが、これでは単純計算でも1998年ではなくて2000年になってしまう。字幕が間違っているのか脚本の問題なのか、あるいは韓国には独特の年齢の数え方があるのかいまいちよく分からなのであるが、本作の元となった「テチャン号事件」は2001年に起こっているから脚本のミスかもしれない。ラストで6年後にドンシクが食堂でたまたま目撃した、自分の子供かもしれない女の子は5歳くらいに見えたから特殊な数え方はないように思うのだが。


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