原題:『STAND BY ME ドラえもん』
監督:八木竜一/山崎貴
脚本:山崎貴
出演:水田わさび/大原めぐみ/かかずゆみ/木村昴/関智一
2014年/日本
「リアル」を追求してはいけない物語について
平成25年7月9日から平成26年4月1日にかけて展開される「ドラえもん」の物語のリアル感の増した3Dアニメーションはあまり気持ちの良いものではなかった。例えば、のび太が初めて使うタケコプターのシーンなどはその慣れないが故の危ない感じがよくでているのであるが、どこでもドアの使い方は明らかに間違っており、当然、雪山で遭難しているしずかちゃんのそばで開かれればすぐに救出できたのであり、現実世界においては「ひみつ道具」は便利すぎるが故にその高性能を持て余してしまい却ってリアル感が損なわれている。
クライマックスのジャイアンとのび太の「決闘」もリアルであるが故に、見てはいけないものを見てしまった感がある。確かに、実際の喧嘩となれば、あのように顔が腫れてあざを作ることは分かっているが、そこを曖昧にしていたからこそ「ドラえもん」は楽しめたはずで、改めて「ドラえもん」はリアルであってはいけないということは確認できる。だから残念なことに私にはいわゆる「ドラ泣き」という意味が全く理解できなかった。