「世界史としての日本史」半藤一利/出口治明
思った以上に良かった。
参考図書も紹介されている。
世界史の中の日本、として捉えると、別の角度から光が当たり、異なる面が見えてくる。
P78
第二次大戦を理解するうえで一番大事な人間はヒトラーとスターリンです。この二人を理解しないと、第二次大戦は見えてこない。
ISについて
P134
あれは単なるテロではなくて、非成立国家が余計なことをして秩序を破壊してきた国に対する戦争を仕掛けているのではないかと捉えたほうがいいんじゃないかと。
P135
フサイン=マクマホン協定、サイクス・ピコ協定について書かれている。
中東のもめ事の原因となった協定である。
出口 ノンフィクション作家の星野博美さんが書かれた『みんな『彗星を見ていた』という本には、日本は400年前に何万人ものキリシタンを拷問のあげく殺したことが書かれています。
半藤 あの本は面白かったですね。日本人も昔、ISと同じことをやっていた。
(参考→「みんな彗星を見ていた 私的キリシタン探訪記」星野博美)
日独伊三国同盟について
P250
同盟締結に断々乎として反対するのが米内光政大臣、山本五十六次官、井上成美軍務局長の海軍トリオであったことはよく知られています。国賊山本次官を殺せの声も高く、山本がひそかに遺書をしたためていたほど真剣に、日本はこの問題にとり組んでいたのです。
P149
『コストを試算!日米同盟解体』によると
日本→米国…思いやり予算等の日米同盟にかかるコスト総額1兆8千億円
日米同盟をやめて自前で軍隊を保ち中国に対抗した場合のコストは22兆~24兆円
PS
半藤一利さんは1930年、東京都生まれ。東京大学文学部、文藝春秋に入社し、「週刊文春」「文藝春秋」の元・編集長。
出口治明 1948年、三重県生まれ。京都大学法学部を卒業で実業家。
興味深い対談である。
【ネット上の紹介】
近年メディアを席巻する“日本特殊論”。しかし、世界史のなかに日本史を位置づければ、国家成立時から現代に至るまでの、日本と、日本人の本当の姿が浮かび上がる。作家・半藤一利とライフネット生命保険会長・出口治明。圧倒的教養を誇る二人が、既存の歴史観を覆し、再び世界に後れを取ったわれわれが、今なすべきことを語り尽くす。
[目次]
第1章 日本は特別な国という思い込みを捨てろ
第2章 なぜ戦争の歴史から目を背けるのか
第3章 日本が負けた真の理由
第4章 アメリカを通してしか世界を見ない危険性
第5章 世界のなかの日本を知るためのブックガイド
第6章 日本人はいつから教養を失ったのか