先日のメモ日記で「基軸通貨としての米ドルはしばらく延命するのでは」と書きました。
これは世界で米ドルが重宝されているだろうとゆう自分の感覚からです。
おれが昨夏に南米を旅行したとき、パナマ、エクアドルでは米ドルを使っており、ペルーのATMでは米ドルかソルでの引き出しを選べ、ボリビアの空港では米ドルで空港税を払わされ…、と米ドルの底力を感じました。
もちろんこんなのは世界の一部の話なんで、今後米ドルが基軸通貨として生き残るのかどうかとゆう議論には論拠としてまったく使えない話なんですけど。
ただ今日読んだForeign Affairsの『The Dollar Dilemma』とゆう記事で世界の基軸通貨の展開を予想していたので、自分の見解をサポートするものとしてメモっとこうと思います。
この記事ではまず世界の国々がなぜ外貨を準備するのかなどを述べた後で、米ドルが影響力は落ちたとはいえ未だに世界の基軸通貨であることを具体的な数字で示しています。
そして米ドルに変わる基軸通貨候補として英ポンド、スイス・フラン、日本円などを経済規模、金融政策なんかから排除、代わりに三つのオプションを挙げています。それは
①ユーロ
②SDR
③人民幣
この三つに対する論考を要約してみたいと思います。もし用語とか間違ってたら訂正していただけると嬉しいです。
まず①のユーロ。
ユーロ圏は米経済に匹敵するGDP、また負債のGDPに占める割合は米よりよく、かなりの有力候補。
ただ米との違いは、それぞれの国が発行する国債が異なるリスク・リターン・流動性を持ち雑多であること。
しかもアイルランドをはじめ、ギリシャ、イタリア、スペインなどの国債の評価も下がっており、ドイツなんかがユーロ圏で統一した債を発行することを承諾しないだろう。
そして英がユーロに加盟せず、東欧の加入も反対されて規模が拡大するには時間がかかる。
ただEU周辺でのユーロの外貨準備としての価値は増大する。
例えばロシアは2008-2009年で米ドルが準備高に占める割合は47%から42%減っており、これからもユーロが準備高に占める割合は大きくなる予定。
ユーロはヨーロッパ周辺での地域的な基軸通貨になるだろう。
続いて②のIMFのSDR。
チャイナの中央銀行のかしらが昨春にSDRを米ドルの代替として推す発言をしたことがある。
この背景にはチャイナ世論(?)が米ドル資産を持ってることに不安を抱いていることがある。
チャイナが面しているジレンマは、米ドルを売りたくても持ってる資産の価値が下がるのは痛いために急には売れないこと、そして米ドルに代わる外貨がないこと。
SDRが発行されれば米ドルが基軸通貨であるために生じている世界の不均衡も解消され、チャイナの外貨準備のジレンマを解消できる。
ただそのためにはSDRの市場を作って大きくし、流動性を上げなければならない。
民間での取引が活発になるまで各国政府が長期でSDRに投資し続ける必要があり、実は1970年代に失敗していたり。
さらにIMFを強化する必要もあるし、保証として予算も各国が提供しなければならない。
また、もし基軸通貨として機能しだしたら、SDRが不足したときに発行する力が必要だけど、今のルールではメンバーの85%の賛成がなければそれができず。
SDRが世界の基軸通貨たるにはIMFが世界の中央銀行としての役割を果たさなければならないが、それは一朝一夕で起きることではないだろうと。
そして③の人民幣。
チャイナはマジで人民幣を世界の基軸通貨にせんと動いているよう。
外貨準備に頭を悩ますことなく、今の米のように好きなときに増やしたり減らしたりできる。
問題は兌換性がないこと。
昨年アルゼンチン、ブラジル、ベラルーシ、香港、インドネシア、マレーシア、韓国と交換の協定を結んだ。
しかし現況ではそれらの国の中央銀行は人民幣で為替市場に介入できるでもなし、第三国との貿易に使えるでもなし、外国への負債を払うこともできない。
チャイナが人民幣の流動性を高めることで人民幣の国際的な役割を大きくすることはできる。
だが他のアジア諸国が経験したように、金融市場の安定さを保ったまま国内外の資本の移動を自由にするのはかなり大変なこと。
そして市場には透明性が求められ、監督と規制が必要で、金融政策や財政は安定していなければならないし、為替レートも十分な柔軟性がなければならない。
ところがそのためにはチャイナが成長するために使ってきた二つの道具、投資を後押しするための銀行の貸付と輸出を維持するためのドルペッグを放棄せざるをえない。
2020年までに上海を世界の金融センターにしようとの目論見もあるが、実際そのためには上記二つの道具を捨て、外国からの投資を受け入れる必要がある。
2020年になってもGDPの予測ではチャイナは米の半分でしかなく、人民幣は実績も持つ米ドルにはかなわないだろう。
ただ時間とともに人民幣の役割も強まり、ユーロが地域での機軸通貨の役割を強めていくように、チャイナと経済的結びつきが強いアジア諸国が元での外貨準備を進めていくだろう。
とゆうわけで、基本的にこの論考を書いた著者は米ドルがゆっくりと価値を落としていくだろうけども、米ドルはそれでも諸国の外貨準備とかの大きなシェアを占めるだろうと。
そしてその米ドルを中心にユーロ、人民幣など地域で力を増していくだろう通貨を加えた多種の基軸通貨からなる世界を予想しています。
WWI以前は基軸通貨だった英ポンドに加えてドイツのマルク、フランスのフランが諸国の外貨準備のそれなりのシェアを占めていたと。
そして1920年代には米ドルとポンドの外貨準備に占める割合は半々だったそうで、基軸通貨が幾種類かあるのは珍しいことではなかったそうな。
ちょっと違う話なんだけど、アジアで共通通貨を作る可能性についても著者は触れています。
彼によればアジア共通通貨はないらしい。
とゆうのも、元が国際的な役割を果たすのに必要な経済規模に達するために各国と金融の主権を統合する必要がないので。
そして時間が経てば経つほど元の影響力が高まっていくだろうとゆうことも踏まえて。
これは世界で米ドルが重宝されているだろうとゆう自分の感覚からです。
おれが昨夏に南米を旅行したとき、パナマ、エクアドルでは米ドルを使っており、ペルーのATMでは米ドルかソルでの引き出しを選べ、ボリビアの空港では米ドルで空港税を払わされ…、と米ドルの底力を感じました。
もちろんこんなのは世界の一部の話なんで、今後米ドルが基軸通貨として生き残るのかどうかとゆう議論には論拠としてまったく使えない話なんですけど。
ただ今日読んだForeign Affairsの『The Dollar Dilemma』とゆう記事で世界の基軸通貨の展開を予想していたので、自分の見解をサポートするものとしてメモっとこうと思います。
この記事ではまず世界の国々がなぜ外貨を準備するのかなどを述べた後で、米ドルが影響力は落ちたとはいえ未だに世界の基軸通貨であることを具体的な数字で示しています。
そして米ドルに変わる基軸通貨候補として英ポンド、スイス・フラン、日本円などを経済規模、金融政策なんかから排除、代わりに三つのオプションを挙げています。それは
①ユーロ
②SDR
③人民幣
この三つに対する論考を要約してみたいと思います。もし用語とか間違ってたら訂正していただけると嬉しいです。
まず①のユーロ。
ユーロ圏は米経済に匹敵するGDP、また負債のGDPに占める割合は米よりよく、かなりの有力候補。
ただ米との違いは、それぞれの国が発行する国債が異なるリスク・リターン・流動性を持ち雑多であること。
しかもアイルランドをはじめ、ギリシャ、イタリア、スペインなどの国債の評価も下がっており、ドイツなんかがユーロ圏で統一した債を発行することを承諾しないだろう。
そして英がユーロに加盟せず、東欧の加入も反対されて規模が拡大するには時間がかかる。
ただEU周辺でのユーロの外貨準備としての価値は増大する。
例えばロシアは2008-2009年で米ドルが準備高に占める割合は47%から42%減っており、これからもユーロが準備高に占める割合は大きくなる予定。
ユーロはヨーロッパ周辺での地域的な基軸通貨になるだろう。
続いて②のIMFのSDR。
チャイナの中央銀行のかしらが昨春にSDRを米ドルの代替として推す発言をしたことがある。
この背景にはチャイナ世論(?)が米ドル資産を持ってることに不安を抱いていることがある。
チャイナが面しているジレンマは、米ドルを売りたくても持ってる資産の価値が下がるのは痛いために急には売れないこと、そして米ドルに代わる外貨がないこと。
SDRが発行されれば米ドルが基軸通貨であるために生じている世界の不均衡も解消され、チャイナの外貨準備のジレンマを解消できる。
ただそのためにはSDRの市場を作って大きくし、流動性を上げなければならない。
民間での取引が活発になるまで各国政府が長期でSDRに投資し続ける必要があり、実は1970年代に失敗していたり。
さらにIMFを強化する必要もあるし、保証として予算も各国が提供しなければならない。
また、もし基軸通貨として機能しだしたら、SDRが不足したときに発行する力が必要だけど、今のルールではメンバーの85%の賛成がなければそれができず。
SDRが世界の基軸通貨たるにはIMFが世界の中央銀行としての役割を果たさなければならないが、それは一朝一夕で起きることではないだろうと。
そして③の人民幣。
チャイナはマジで人民幣を世界の基軸通貨にせんと動いているよう。
外貨準備に頭を悩ますことなく、今の米のように好きなときに増やしたり減らしたりできる。
問題は兌換性がないこと。
昨年アルゼンチン、ブラジル、ベラルーシ、香港、インドネシア、マレーシア、韓国と交換の協定を結んだ。
しかし現況ではそれらの国の中央銀行は人民幣で為替市場に介入できるでもなし、第三国との貿易に使えるでもなし、外国への負債を払うこともできない。
チャイナが人民幣の流動性を高めることで人民幣の国際的な役割を大きくすることはできる。
だが他のアジア諸国が経験したように、金融市場の安定さを保ったまま国内外の資本の移動を自由にするのはかなり大変なこと。
そして市場には透明性が求められ、監督と規制が必要で、金融政策や財政は安定していなければならないし、為替レートも十分な柔軟性がなければならない。
ところがそのためにはチャイナが成長するために使ってきた二つの道具、投資を後押しするための銀行の貸付と輸出を維持するためのドルペッグを放棄せざるをえない。
2020年までに上海を世界の金融センターにしようとの目論見もあるが、実際そのためには上記二つの道具を捨て、外国からの投資を受け入れる必要がある。
2020年になってもGDPの予測ではチャイナは米の半分でしかなく、人民幣は実績も持つ米ドルにはかなわないだろう。
ただ時間とともに人民幣の役割も強まり、ユーロが地域での機軸通貨の役割を強めていくように、チャイナと経済的結びつきが強いアジア諸国が元での外貨準備を進めていくだろう。
とゆうわけで、基本的にこの論考を書いた著者は米ドルがゆっくりと価値を落としていくだろうけども、米ドルはそれでも諸国の外貨準備とかの大きなシェアを占めるだろうと。
そしてその米ドルを中心にユーロ、人民幣など地域で力を増していくだろう通貨を加えた多種の基軸通貨からなる世界を予想しています。
WWI以前は基軸通貨だった英ポンドに加えてドイツのマルク、フランスのフランが諸国の外貨準備のそれなりのシェアを占めていたと。
そして1920年代には米ドルとポンドの外貨準備に占める割合は半々だったそうで、基軸通貨が幾種類かあるのは珍しいことではなかったそうな。
ちょっと違う話なんだけど、アジアで共通通貨を作る可能性についても著者は触れています。
彼によればアジア共通通貨はないらしい。
とゆうのも、元が国際的な役割を果たすのに必要な経済規模に達するために各国と金融の主権を統合する必要がないので。
そして時間が経てば経つほど元の影響力が高まっていくだろうとゆうことも踏まえて。