豊沢川(2) 孤独 1羽のみ。
18日俳句会があった。4名参加。少なかった。私が選んだ中から3句とり
あげる。「また雪に埋もれてしまう雪達磨」せっかく苦労して作ったのに
子供のべそかき顔と作ったママの様子が浮かぶ。「雪女町の空き家に住み
つきぬ」作者から聞くと町に空き家がふえたそうだ。侘しくて雪女がいても
おかしくなく感じられるそうだ。「スコップに日差しの重さ春の雪」雪の重さで
なく日差しの重さととらえたところが非凡である。
今日週刊朝日の仏教を歩く「最澄」を買う。最澄は法華経の誰でも仏になれる
という一乗思想を説いた人なそうだ。前に法華経を読んだことがあるが難解
だし煩雑だ。壮大なスケールの物語でインド人の想像力には驚嘆する。賢治が
信仰にいたったことは理解できなかった。そうとう深い思想のあるお経なのだ
と思った。調べてみると賢治のほかにも法華経に心酔して命を全うした人が
いた。「尾崎秀実(ほつみ)」だ。彼は戦時中スパイ容疑で逮捕されはた。私は
中学生だったと思うが大きく報道された記憶がある。彼は東大卒の新聞記者
評論家で、共産主義者で日本の軍国主義から中国を開放しようとしてゾルゲ
事件に連座して昭和19年11月死刑になった。後で獄中から妻え当てた手紙が
「愛情はふる星のごとく」として発刊された。彼は死刑を前にして獄中で読んだ
法華経講義により帰依した。天台法華の絶対の生命感を得、永遠に生きる
喜びを獲得したと妻えの手紙に打ち明けた。賢治も妹トシの死や自分の病魔
で死と対面しかねて信仰していた法華経の生死を越えた絶対の永遠の命に
触れて最後を全うしたといわれている。