「ぶらり車イス紀行」 その299<o:p></o:p>
☆ ショートステイ体験での入浴とおやつ<o:p></o:p>
脱衣場で衣服を脱がしてもらい、入口の手すりを持って立ち上<o:p></o:p>
がると、いつも乗っている車イスから湯水に濡れても良い風呂場<o:p></o:p>
用の車イスに乗り換えて、浴室に入った。そこは、車イスがゆっ<o:p></o:p>
たり動けるスペースがある6畳くらいの広さがあった。<o:p></o:p>
彼女は、鏡の前の洗い場で、車イスのまま私の頭と体を洗い、<o:p></o:p>
続いて、鏡の脇に付いた手すりを持って立たせ、お尻を洗って、<o:p></o:p>
最後に、シャワーで泡を流してから、浴室の隅にある浴槽まで、<o:p></o:p>
車イスを移動させた。浴槽には、初めて見るものが付いてあった。<o:p></o:p>
だから、どのようにして入るのかと考えていると、浴槽に渡した<o:p></o:p>
ボード(白いプラスチック製らしき板)に、ボードの前に付いた<o:p></o:p>
手すりをもって、ボードに座って下さいと言う。そこで、彼女に<o:p></o:p>
体を支えてもらいながら、やっとこさでボードに座った。これも<o:p></o:p>
慣れるとコツが掴めると思っていると、ボードごと湯船に沈んで<o:p></o:p>
いく。ボードが沈んでいくと、体が浮き上がろうとする。それを、<o:p></o:p>
湯船に足を当て突っ張ると、湯船の中にすっぽり浸かった。日頃<o:p></o:p>
は、シャワー浴なので、湯船に浸かるのは久し振りである。<o:p></o:p>
湯船にのんびり浸かりながら、彼女の名前を聞くと、出身地の<o:p></o:p>
新県名と旧国名から一文字ずつとった名前で、今まで同じ漢字の<o:p></o:p>
名前の子に出会ったことはないと言う。なるほど、ひらがなでも<o:p></o:p>
珍しい名前である。<o:p></o:p>
そして、しばらく湯船に浸かってから、もう一度、彼女に体を<o:p></o:p>
支えてもらって、今度は、バスタオルの敷かれたいつもの車イス<o:p></o:p>
に乗り換えた。そして、脱衣場で頭や体を拭いてもらい、衣服を<o:p></o:p>
着せてもらって、部屋に戻った。<o:p></o:p>
風呂から上がって部屋でゆっくりしていると、3時のおやつを<o:p></o:p>
持って来てくれた。おやつも値段から言って、所詮、子供だまし<o:p></o:p>
のようなものだろうと思っておやつを見れば、半分ほど小豆の混<o:p></o:p>
ざった羊羹のようなものを薄皮で包んだもので、口に入れると、<o:p></o:p>
思ったほど甘くない。それよりもさっぱりした甘さで美味しい。<o:p></o:p>
この一品で、これからのおやつも楽しみになってきた。<o:p></o:p>
この続きは、次回をお楽しみに、……。<o:p></o:p>
たかし でした。