竹の性質

　
　竹は成長過程において、杉やヒノキの木材のような何十年もかけて成長するのではなく、年輪はなく、１年で数十メートル伸びる。竹には節があるが、何十もの節が、それぞれ成長点であるため、勢いよく複数の成長点が一気に伸びる。１日に数メートル伸びるほど、スピード感がある。成長した竹は、それ以後、伸びることはなく自分の竹林を広げるために、地下茎をのばして、それぞれの地下茎に竹林を作る。直径の大きな竹を作ろうと思えば、この時期に肥料を多く与え、竹林の土壌を豊かにすればよい。
　竹は四季をつうじて常に葉をもっている。ということは、下には太陽の光がさしこまない。そのために、下に背の低い木が生えるようなことはない。広葉樹林の林のように葉がいっせいに冬には、落ちる時期はなく、背の低い木が生えるようなことはなく、竹林には竹しかない。下には竹の葉が、竹に滋養を与えるのみである。
　竹の性質を使って、素晴らしい糸を作ることができる。この糸とは、竹ひごのことである。竹ひごは、竹の性質を使って、縦方向に割るのである。細かく割れば割るほど、細くて強い竹ひご（糸）が出来上がる。この糸を使って、竹と竹とを結び、竹籠や竹魚籠、竹こおりなど、あらゆるものを作ることができる。又、竹の弾力性を使って、上記のもののように、竹と竹とを編みこんで、線から面へと作りこんでいくことができる。