あの日 鹿沼児童6人クレーン車死亡事故遺族の想い - blog -

てんかん無申告で運転免許を不正取得したクレーン車の運転手により、登校中の児童6人が歩道上で轢き殺された事故【遺族ブログ】

大芽のいない大芽の誕生日・・11歳

2012-09-14 | Chibi Taiga

今日は、大芽の誕生日・・・

生きていれば、11歳・・・

生きていたら、どのぐらい身長が伸びていて、足のサイズはいくつになっているのかな。

 

去年の誕生日は、おそろいのスパイクを買ったね。

でも、パパには、もう、大芽の靴のサイズも、服のサイズも知ることができなくなってしまいました。

 

 

最近、「愛をみつけたうさぎ」という本を読みました。

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裕福な家の女の子、アビリーンに愛されていた陶器でできたうさぎの人形エドワードが、裕福であったがゆえにごうまんで、愛することや幸せな現状に気づいていなかったんだけど、ある日、突然アビリーンとひきはなされ、全てを失ってしまう。

その後、さまざまな人と出会い、いろいろな名前で呼ばれながらも、それぞれに深く愛され、辛い別れを繰り返しながら、人を愛すること、愛されることを知るというお話です。

 

お金がなく、病気で亡くなってしまったサラ・ルースが愛したジャングルズ(エドワード)は、サラの兄ブライスと家をでるが、そのブライスともすぐに別れることになってしまう。

こなごなにくだかれて・・・

ブライスは人形師のルシウスに頼む、「こいつをもとどうりにしてください。直してください」と。

お金のないブライスにルシウスは2つの選択肢をせまる。

一つ目は「他の人形師に直してもらうこと」

2つ目は「直してもいいが、直したあとは、ジャングルズ(エドワード)はルシウスのものになるということ」

ブライスは、もちろん後者を選択するが、妹サラの愛したジャングルズ(エドワード)と別れなければならなかった。エドワードもまた辛い別れをしなければならなかった。

のちに一度、ブライスがお店に来て、ジャングルズ(エドワード)を見に来るシーンがある・・・

ルシウスに、ジャングルズ(エドワード)を「抱いてもいい?」と聞くが、その願いはかなわず、ブライスは店を後にする。

その後、ブライスがどうなったのかは、書かれていないんだけど・・・

ブライスの気持ちと、大芽への自分の想いを重ねてしまい、とても胸が苦しかったです。

 

幸せだったが故に、気付かなかった、幸せだった大芽との日常の何気ない出来事・・・その大切さに気が付かなかった自分・・・

パパは大芽がいなくなってからそのことをしりました。

パパ自身がエドワードだったのかもしれません・・・

もっともっと大芽の話を聞いてあげたり、もっともっとサッカーを褒めてあげたり、もっともっと一緒に遊んであげたり、いろんなとこに連れて行ってあげたり、いろんなものを買ってあげたりすればよかった。日本代表の試合だって、連れて行ってあげればよかったと思っています。

後悔ばかりの毎日だけど、”命の大切さ” や ”愛するということ”の意味や重さが、今は痛いほどわかります。

 

大芽へ

大芽には、まだよくわからないかもしれないけど、この本をプレゼントします。

パパもママもメイも、みんなも、ずっとずっと大芽のことを愛しています。

「誕生日おめでとう」

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「準危険運転致死傷罪」創設検討について

2012-09-05 | 日記

「できるだけ罰則重く」事故被害者遺族ら要望 「準危険運転罪」創設検討で

産経新聞 9月4日(火)22時23分配信

 重大事故をめぐり新たに検討される法整備について、被害者遺族からは「できるだけ罰則の上限を重く」との要望が聞かれた。

 「悪質で反社会的な運転行為をすべて、新設される法律でまかなうことができれば」

 栃木県鹿沼市で昨年4月、児童6人がクレーン車にはねられ死亡した事故で、長男の大芽くん=当時(9)=を亡くした伊原高弘さん(40)はこう期待を込める。事故では宇都宮地検が運転手=当時(26)=に対し、危険運転致死罪適用も視野に捜査。だが、事故はてんかんの発作が原因で、同罪は成立しないと判断した。

 高弘さんは「厳罰化」の方針に一定の評価をする一方、危険運転致死傷罪よりも軽い罰則が想定されていることについて「子供のためにできることは裁判で被告に最大限の反省をしてもらうこと。できるだけ罰則の上限を重くしてほしい。最低限、危険運転致死傷罪の条文改正にも踏み込んでほしい」と注文を付けた。

 同罪の適用が見送られた例は、このほか、京都府亀岡市で4月、小学生ら10人が無職少年の運転する軽乗用車にはねられ死傷した事故などがある。

(産経新聞9月4日(火)22時23分配信より)

 

滝法務大臣の法制審議会への諮問内容の発言に伴い、昨日、各社の記者さんから取材がありましたが、本日5日、各社さんに掲載していただいてありました・・・(上記は産経新聞社さん配信の記事)

「準危険運転致死傷罪」がどのようなものかわからない中で、コメントを求められたわけですが、結局のところ、私としては、審議会で審議される内容が、「準危険運転致死傷罪」という、既にゴールや着地点を決めた審議だったとするならば、またしても小手先だけの法改正となり、同じ悲劇を繰り返してしまうのではないかと懸念しています。

先日(8月22日)も、署名の追加提出で、谷法務副大臣に強く要望してきた「危険運転致死傷罪の条文に踏み込んでほしい!」ということをやらなければ、「準危険運転致死傷罪」が何年の量刑の引き上げ検討になるのかわかりませんが、全国の遺族や、本事故に注目している国民に対しては、納得できるものにはならないとおもっています、

何故、悪質かつ反社会的な事故(ルールを守らない事故)を、現行法で最高刑20年を求刑できる「危険運転致死傷罪」に追加するということがそんなに難しいことなのでしょうか・・・?

何故・・・?

「準」という折衷案みたいな曖昧さが、かえって被害者遺族を苦しめる法改正にならないことを切に願います。

みなさんも真剣に考えてほしい・・・

自分のお子さんや愛する家族が、無免許運転や、てんかん無申告など、我々の事故と同様の反社会的かつ悪質な事故で愛する家族の命を奪われたとき・・・

仮に10年程度に量刑が引き上げられたところで納得できないはずです。

我々は、昨年のクレーン車事故は、「事故ではなく、殺人だと思っています」 「あの日、クレーン車で一人一人無差別に殺されていった事件だと思っています」

包丁や拳銃で無差別に殺人をしたら、無期懲役にも死刑にも問えるのに、車だと最高でも現行法では、20年の刑にしか問えない・・・

今までも、その量刑の短さに、本当にたくさんの遺族が苦しんでいる現状があるのです。

 

 

生きていれば、子供たちは、60年も70年も生きられたはずです。

もっともっと野球や、サッカーもしたかったでしょうし、

友達とも、もっともっと遊びたかったはずです。

大好きなママにもっともっと甘えたかったはずです。

 

将来は、恋愛もしたでしょうし、結婚もし、家庭も持ったはずです。

幸せな人生があったはずでした・・・・

 

鹿沼の事故も、亀岡の事故も、ルールを守っていた子供たちが、ルールを守らない大人に殺された事故です。(危険運転以外のなにものでもありません

大臣諮問後の法改正の推移は、子供達の仲間や、全国民が見守っている重大な事故(事件)です。 

審議会の方々には、突然命を奪われてしまった子供たちの

「未来」

「無念さ」

「命の重さ」を、今一度考え・・・・

我々が署名活動で訴えてきた「危険運転致死傷罪の条文改正」に踏み込んでほしいと願っています。