あの日 鹿沼児童6人クレーン車死亡事故遺族の想い - blog -

てんかん無申告で運転免許を不正取得したクレーン車の運転手により、登校中の児童6人が歩道上で轢き殺された事故【遺族ブログ】

10月25日(木)【運転免許制度、国家公安委員長への提言】

2012-10-27 | 日記

 被害者も加害者も生まない社会・・・を目指し、

皆様から頂きました20万人の署名簿を提出し、警察庁の検討会で約半年間近く議論された結果、10月25日(木)、国家公安委員長に提言が提出されました。

 

 提言が発表されるまでの間、この提言に関し、各報道機関の方々の取材を受けてきましたが、その都度お話したこと・・・

 それは、我々の活動を、それこそ事故当時から取材を重ね、署名活動では、寒い中一生懸命足を運んでいただいて広く記事を取り上げてくれ、時には気づかいまでしてくれた記者さんたちには、 「みなさんは私たちの活動を身近で見て、感じ、取材をしてきてくれました。 私が今回の提言を受け、感じたことは、きっと・・・みなさんが、記者だから・・・とか仕事だから・・・という以前に、一人の人間として感じた事と同じことだと思います・・・」とお話しました。

 だから、事故当初から、ともに悲しみ支えれくれた方々・・・

 野球部さんや北押原FCの仲間・・・保護者さんやPTA、友達や親類・・・地区の方々・・・鹿沼市の皆さん・・・栃木県、そして全国で署名活動に協力してくださり、ともに悲しみ、自分に置き換えて考えてくれた20万人の皆様が感じたこと・・・

 同じなのだと思います・・・。

 

 我々のできることはここまでです。

 我々の思うところまでは手は届きませんでしたが、警察庁が17日に行った遺族への説明の場で、「実行力はあるかと問われれば、”ある”と考えている」 と力強く語る以上・・・、複雑な思いはありますが、見守るしかないと考えています。 
 

 何故なら、今は、任意の報告による実効性を検証する数字がないからです・・・

 今後、法改正がなされ、我々が疑問の残るこの「医師からの任意の報告」が、機能しているか否かについては、1年後、2年後に、患者の自己申告(平成23年度は、2430名)の他に何件の医師からの通報があったのか・・・ということを公表し、検証する必要があると我々遺族は考えています・・・。

 

 

以下、産経新聞社さんの記事です。
(MSN産経ニュース2012.10.26 12:17 配信)

クレーン事故遺族、再発防止に期待も「医師の通報義務必要」

 

 昨年4月、児童6人が犠牲になった栃木県鹿沼市のクレーン車事故を受け、警察庁の有識者検討会(座長・藤原静雄中央大法科大学院教授)は25日、車の運転に支障を及ぼす可能性があるてんかんなどの患者が運転免許取得や更新時に申告を怠った場合の罰則を設けることを盛り込んだ提言書を提出した。事故の遺族は不申告による重大事故が少しでも減ることを期待する一方、実現を求めてきた医師の通報義務は見送られただけに抑止効果への疑問の声も上がった。

 遺族は危険運転致死傷罪の適用拡大や自己申告の免許取得制度の限界を訴え、約20万人の署名を提出。これらを受けて警察庁は有識者の検討会を設置、この日の提言につながった。

 事故で大森卓馬君=当時(11)=を亡くした父、利夫さん(48)は「法案が成立することを期待したい。新たな制度によって病気と真面目に向き合う患者が守られるようになってほしい」と期待を込める。

 遺族が求めてきた医師による届け出義務化は見送られた。熊野愛斗(まなと)君=同(11)=の父、正則さん(43)は「後押ししてもらった方には感謝しているが、義務化見送りは納得できない」と複雑な心境を吐露。「任意の届け出だけでは抜け穴がある。医師と患者の信頼関係などの問題もあるが、事故で奪われる命の重さを考えてほしい」と義務化の必要性を訴えた。

 伊原大芽(たいが)君=同(9)=の父、高弘さん(40)も「数年後、どのような結果が出るか、その数字を見て判断したい」と継続的な検証の重要性を強調した。

 一方、てんかん患者と家族らでつくる「日本てんかん協会」は同日、「むしろ病状を隠す結果になることが懸念される。罰則の導入には慎重であるべきだ」との声明を発表。同協会県支部の鈴木勇二事務局長は「不申告の事故をなくしたい気持ちは同じ。ただ、並行して社会がてんかんへの理解を深め、患者が生活しやすい環境をつくることが大切」と話した。