あの日 鹿沼児童6人クレーン車死亡事故遺族の想い - blog -

てんかん無申告で運転免許を不正取得したクレーン車の運転手により、登校中の児童6人が歩道上で轢き殺された事故【遺族ブログ】

勇気を出して

2014-12-29 | 日記
何かをやろうと決断しても、3日以内に行動しなければ、
結局やらずじまいに終わる「72時間の法則」というものがある。
2014年もあと3日、あなたは最後に何を決断しますか?

メンタリストDaigoさんのツイートより



確かにそうかもしれないですね
立ち止まっていても変わらないですね
考えていたとしても、行動しなかったのなら
結局、何も変わらないですよね

勇気を出して...

前に進めずにいた弱い心
そんな弱い自分の背中を押してくれる
Daigoさんの言葉に感謝...


              


「自閉症の僕が跳びはねる理由」を読んで

2014-12-23 | 日記
「自閉症の僕が跳びはねる理由」
  ~会話のできない中学生がつづる内なる心~ 東田直樹
「続・自閉症の僕が跳びはねる理由」
  ~会話のできない高校生がたどる心の奇跡~ 東田直樹
「跳びはねる思考」
  ~会話のできない自閉症の僕が考えていること~ 東田直樹


 
 一気に読ませていただきました。
 僕たちの日常は、普通に生活出来ていて、普通に話すこともできて、それがあたりまえのことだから、きがついてあげられないのだと思う。
 本のオビにもありますが、僕たちは、何もわかっていなかったんだと思う。
 この本を通じ、東田さんが何に苦しみ、どれほど悩み、苦しんできたのか、胸が締め付けられる思いで読ませていただきました。

 東田さんがなぜ跳びはねるのか。

 東田さんがなぜ目を見て話せないのか。

 東田さんは一人でいるのが好きなのか。どうして一人でいるのか。

 この本の中では、一つ一つQ&Aの形式で詳細に綴られています。
 東田さんの言葉や考え方、感じ方、一つ一つが僕のこころに突き刺さって、自分の無理解な心に反省するとともに、そこからいろいろなことを教えていただきました。
 
 少し触れさせていただきますが、著書の中で東田さんは、どうして目をみて話さないのですか?と聞かれたとき、僕たちが見ているものは、人の目ではありません。「目を見て話しなさい」と言われ続けても、僕はいまだにそれができません。相手の目を見て話すのが怖くて逃げていたのです。と答えています。
 また、別の質問で、みんなといるよりひとりが好きなのですか?と聞かれたときは、「いいのよ、ひとりが好きなんだから」 僕たちは、この言葉を何度聞いたことでしょう。人として生まれてきたのにひとりぼっちが好きな人がいるなんて、僕には信じられません。僕たちは気にしているのです。自分のせいで他人に迷惑をかけていないか、いやな気持にさせていないか。そのために人といるのが辛くなって、ついひとりになろうとするのです。と答えています。【「自閉症の僕が飛び跳ねる理由」より】

 僕たちが見る視線、その冷たい視線こそが、彼をそうさせてしまったのでしょう。
 また、「いいのよ、ひとりでいるのが好きなんだから」という僕たちの勝手な思い込みで、どんなにか傷ついて、苦しんでいたでしょうのに、それを言葉にして伝えることができなかった彼の子供のころの悲しみや苦しみを想像すると、何とも言いようのない思いが胸に込み上げてきました。
 


 僕は、平成23年4月18日に、突如、理不尽な交通事故により最愛の我が子を亡くしてしまいました。
 事故直後は、人に会うことが恐怖でした。
 人の視線も恐怖でした。
 子どもを亡くすと同時に、自分の心も死んでしまいました。
 そして、今まで、いろいろなことを考えてきました。
 子どもを亡くして生きるということはどういうことか。
 何故生きているのか。
 被害者や被害者遺族の心はどうなっていくのか。
 愛する人や愛する家族を失った人たちの精神の居場所はどこなのか。
 その精神や心はどこに向かえばいいのか。
 そんなことを考え、いろいろな本を読んだけど、その答えは今まで見つけることはできませんでした。

 でも、今回、この本に出会って、東田さんの考えや気持ち、その行動の理由、東田さんが自分自身がいると考える”心の居場所”に僕なりに触れさせていただいたとき、僕の現在の心の居場所も、もしかしたら、誰も捜すことのできない深海の海の底のようなところにいるのかもしれないと思いました。
 そして、そこで僕は、もがき苦しみ、何を求めていたのかということも気付かせていただいたような気もしました。
 もちろん、東田さんとのケースは違いますし、東田さんが今まで、人に理解されず、苦しんできた苦悩の日々のことを考えると、僕が軽々しく共感することなんて大変おこがましいことなのですが、本を読み終えてみて、東田さんが跳びはねる理由も、心の居場所も、一緒に分かち合いたい気持ちでいっぱいになりました。

東田さんが書いてくださったこの本は、僕の一生の宝物となりました。
この本がたくさんの方に読まれ、自閉症の方への理解がひろまり、やさしい世の中になっていくことを願っています。

 

 

 


事故を風化させない思い・・・

2014-12-05 | 日記
運転免許持病申告400人…改正道交法半年

2014年12月01日付 読売新聞

 鹿沼市で2011年に起きたクレーン車事故をきっかけに成立した改正道路交通法が6月に施行されてから1日で半年。てんかんや統合失調症など一定の病気について虚偽の申告をした者への罰則を定めたことで、10月までに県公安委員会に寄せられた病気の自己申告者は約400人に上った。運転免許制度への理解は深まっているようだ。
 鹿沼市の事故では、運転手の男が持病のてんかんを隠して免許を取得していた。同法は運転免許の取得・更新の際に病状に関する「質問票」の提出を義務付け、虚偽申告は「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」とした。
 県警によると、施行直後の6月だけで75人が病気について自己申告した。前の年は16人で、大きく増えている。施行後の5か月では、399人に上った。
 虚偽申告の疑いのある人について医師が公安委員会に通告する「医師による任意の通告」はまだないが、申告者の多くは医師の助言を受けた人だという。
 県警の担当者は「意識の高い医師や患者が増えている。病気がある人でも安心して車に乗れるという理解を深めてほしい」と話す。
 また、全19署と運転免許センター(鹿沼市)にある「運転適性相談窓口」には施行後5か月で1549件の相談が寄せられ、前年同期の878件を大きく上回った。大半は「子どもの頃に発作が起きたことがある」など病状に関するものという。
 県警は施行に合わせ、窓口の担当者を増やすなどの対策を実施。病気についての相談者には、即座に免許が取り消されるのではないことを説明。病状を正しく申告してもらうため、取り消されても3年以内に病状が回復すれば、学科や技能試験が免除されて適性試験だけで再取得できることも伝えている。
 鹿沼市のクレーン車事故で長男の大芽君(当時9歳)を亡くした伊原高弘さん(43)は、「自己申告が増えることで、事故から患者の方の命も救うことができる。(法が)被害者も加害者も生まない力になってくれればうれしい」と語った。
 日本てんかん協会県支部の鈴木勇二事務局長は「改正法を契機に、『病気だから運転はダメ』という風潮が薄れてきている」と話す。患者の免許制度への理解が深まっていると感じており、「患者がきちんと病気に向き合う今の流れが続いてほしい」と力を込めた。【2014年12月01日付 読売新聞】

 
 

「法改正から半年経過し、読売新聞では、その効果について記事にしようと思っています。」
「医師からの任意の通告はありませんが、伊原さん達ご遺族の活動により、自己申告の人数、相談件数は確実に増えています。」
 事故当初から我々の活動を熱心に記事に取り上げてくれて、署名活動にも何度も足を運び、励ましてくれた地元栃木の読売新聞の記者さんから、久しぶりの電話であった。
 感想については、上記、記事にしていただいたとおりですが、私には、自己申告者数の増加もありがたかったのですが、その他にも、この記事では、ありがたいと感じたことが2つありました。

 その1つ目は、読売新聞社さんの「鹿沼クレーン車死亡事故の”事故原因の本質”を風化させない」という思いです。この記者さんとは、様々な場面で様々な会話や意見を交わしていたので、私達の想いも十分わかってくれているし、そのことは、この3年間で取り上げてくでさった記事の文面からも感じていました。
 6人の児童が身勝手なクレーン車の運転手に集団登校中に轢き殺され、亡くなった・・・
 悲惨な事故だった・・・
 それだけで終わすことはない風化させない報道があって、私達の署名活動が法改正に結びついたのは事実です。 この記者さんの記事で、『事故発生から2年8か月間、亡くなった6人の遺族を取材し、活動を追ってきた。悲しみやつらさ、折々の心境を話してくれた遺族は、いつも私を、こんな言葉で発奮させてくれた。「私は世の中に自分の言葉を伝えることができない。でも、あなたにはできる」 二つの法成立は、決してゴールではない。「悲惨な事故で悲しむ人を二度と作らないこと」こそが遺族の思いであると胸に刻み、新法が適切に運用されるのかを見届け、改善すべき点や議論すべき点を世に伝えていこうと思う。それが、記者として私が負うべき責任だと感じている。』という記事を読んだことがある。
「一人にたった一つしかない大切な大切な命・・・患者さんの命、被害者の命、どちらも大切な命・・・」
その命への我々の思いを絶えず受け止め続けてきてくれた記者さんに感謝したい。
 

 2つ目は、てんかん協会の事務局長さんの「法改正を契機に、『病気だからダメ』という風潮が薄れてきている」と話す。患者の免許制度への理解が深まっていると感じており、「患者がきちんと病気に向き合う今の流れが続いてほしい」と力を込めた。というコメントです。
 私自身は、協会さんからのこのようなコメントを目にしたのは初めてでしたので、大変ありがたいと感じました。
 まさに、このとおりであり、てんかんの方が運転できないということもありませんし、きちんと申告し、運転免許の許可基準をクリアできていれば、事故は起きないはずなのです。

 クレーン車の運転手のように、過去10年間に12回もの交通事故を起こしていて、医師に何度も何度も運転を止められていながらも、自身の身勝手な考え方で運転を続け、自己申告という免許制度であったがために虚偽の申告をして運転免許が取得できてしまった事で運転中に意識を失い、結果、集団登校していた私達の子ども達6人を歩道上で轢き殺してしまった事・・・
 そのことによって6人の子供たちの命は奪われてしまいましたし、私達遺族は一生悲しみや苦しみに耐えながら生きていかなくてはならなくなってしまいました。
 また、この運転手の身勝手な考えや行動で起こしてしまった悲惨な事故により、てんかんという病気の偏見を助長し、てんかんという病気と真剣に向き合い、必死に生きている方々の社会生活の場を狭め、計り知れない苦痛を与えてしまったはずです。
 クレーン車運転手が病気と真剣に向き合っていれば、事故は防ぎえたはずです。 


 大芽たち6人の命はたった9歳から11歳という短さで奪われてしまいましたが、子ども達が命をもってやり遂げたこの法によって、被害者も加害者も生まない社会になってほしいと心から願っています。