あの日 鹿沼児童6人クレーン車死亡事故遺族の想い - blog -

てんかん無申告で運転免許を不正取得したクレーン車の運転手により、登校中の児童6人が歩道上で轢き殺された事故【遺族ブログ】

過失とは何なのでしょうか

2012-04-30 | 日記

 

人の命の重さとは、そんなにも軽いものなのですか?

あなたの愛するお子さんや、あなたの愛する人が同様の危険運転行為により命を奪われたとき・・・ あなたは納得できますか?

 

これは、私達が昨年の12月から3月まで行った署名活動で、【署名のお願い文】のタイトル部分に掲げさせていただいていた言葉です。

 

私達の事故は、てんかん無申告の無責任な運転者による、クレーン車の危険運転行為(過去10年間に12回の事故歴)でありましたが、どんなに反社会的で悪質であっても危険運転致死傷罪に該当する ”刑法の条文がない!” との理由により、”過失” として起訴され、柴田受刑者には、懲役7年(自動車運転過失致死罪)というあまりにも短い判決が下されました。

そして、私達は、その量刑の軽さそのものこそが、過去の交通事故遺族の心情に照らしてみても、処罰感情からかけ離れた量刑であり、遺族を苦しめ続けてしまう大きな要因であることを、遺族になって初めて知りました・・・

 

今回、京都府 祇園でのてんかん無申告者の事故に続き、また、京都府亀岡市で、今度は無免許運転者が集団登校をする小学生の列に突っ込み、付添っていた保護者さんとおなかのお子さん、小学生が殺されてしまいました。

何故、何の罪もない未来ある命が奪われなくてはならないのか・・・

ましてや無免許運転・・・

 

しかし、この事故も、我々の事故同様、”刑法に該当する条文がない”とか”故意ではない”とかの理由により、危険運転致死傷罪では起訴することができないと思います。

被害者側としては、加害者を殺したいと思うのは当然なこと・・・ でも、それができないから法に任せているのに・・・ 法が応えてくれない・・・ 

過失とはいったい何なのでしょうか・・・? 

こんなにも反社会的、悪質な事故が本当に ”過失” なのでしょうか?

人の命の重さとは、そんなにも軽いものなのでしょうか? 

納得できません・・・

 

国には、反社会的かつ悪質な事故については、20年でも短いとは思いますが、現行法に危険運転致死傷罪という刑法があるのですから、少なくとも危険運転致死傷罪が適用となるような刑法の早期条文改正を望みます。

 

 

 


防げた事故、救えた命・・・

2012-04-21 | 日記

平成24年4月12日 またしても悲惨な交通事故が起き、私たちの事故と同様に、ただ歩道を歩いていただけの何の罪もない人の尊い「命」が奪われてしまった・・・

 

私たちは、昨年4月18日の事故以降、

「自己申告」という、おかしな免許制度に疑問を感じ、

「ルールを守っていた子供たちが、ルールを守らない大人によって命を奪われた事故です」

「ルールを守らない大人がいる以上、また事故は起きてしまいます」

「今、何人の無申告の方が運転されているのですか。調べてください」

「何故、無申告で運転されている人を捜査しないのですか」 

「このまま何もしなければ、今日、みなさんが帰りに死んでしまうかもしれないし、明日、私が死んでしまうかもしれないし、また小学校の列に突っ込んでしまうかもしれないのですよ。私は、毎朝通勤時に、小学生が楽しそうに通学している姿を見ます。でも、またあのような事故がいつ起きてしまうか心配でならないんです」

何度も何度も必死になって訴えてきましたし、報道を通じても訴えてきました。

 

しかし、誰も何もしなかった・・・

 

何もしない現状が怖かった・・・

そして、こんな理不尽な事故があっったにもかかわらず、何も対策を打ち出そうとしないのか不思議だった・・・

警察庁が打ち出した対策は、相談窓口の設置と事故データベースだった。

「何故事故原因の本質に目を向けないのか・・・何故・・・」

「それならば、歩道なんて、危なくて歩けないのではないか・・・」

大芽にはお姉ちゃんがいますが、事故以降は妻に学校まで送迎させた・・・

 

そして今月12日、我々が危惧していた事故が起きてしまった・・・

3日前の4月9日には、17万人の署名を前に、大臣が「真正面から取り組みます」とのお言葉をくださり、安堵して帰ってきたばかりなのに。

遅かった・・・

本当にやりきれない気持ちでいっぱいです・・・

 

 

我々のクレーン車事故から3年前の平成20年3月9日、

横浜市鶴見区で、てんかん発作の運転手により、中学生の伊藤拓也君(当時14歳)の尊い命が奪われた。

その時も、父親の真さんは、「制度を変えなければ、同様の事故が繰り返されてしまう」と訴えていたはずなのに・・・

国は3年間何もしなかった。

 

平成23年4月18日、

「事故は繰り返されてしまった・・・」

国が、命の重さを真剣に考え、伊藤さんの訴えに即座に対応していれば、私たちの6人の子供たちは死なずに済んだはずです。

 

そして、平成24年4月12日、

「奇しくも我々が法改正の署名を提出した矢先、またしても事故は繰り返されてしまった・・・」

国が、運転手が意識を喪失し、操縦不能のクレーン車が小学生の列に突っ込んでくるという異常な事故を ”おかしい” と感じ、事故原因の本質に目を向けていたのなら・・・

署名活動前に行った国との勉強会で、国が我々の訴えに真摯に耳を傾け、即座に行動に移していたのなら、京都 祇園での今回の事故は防げたかもしれません。

被害者7人は死なずに済んだのです。

加害者も死なずに済んだのです。

 

 

防げた事故であり、救えた命・・・残念でなりません。

 


全ての人に感謝・・・

2012-04-10 | 日記

「署名の提出はもう必要ありません。17万の署名で十分です。」

「17万の民意を重く受け止め、真正面から取りくみたい」

 

大臣室で17万の署名簿を提出し、請願書を読み終えた私たちに、小川法務大臣は、暖かく、そして力強く上記のお言葉をくださいました。

 

また、松原大臣(国家公安委員会委員長)においても、16万7千の署名を受け、

「私も子供がいます。胸がしめつけられる想いです。このような事故を二度と起こしてはならない」

「重く受け止め、早期に再発防止策を取りたい」

としっかりした口調で発言してくださいました。

 

あふれ出る涙が止まりませんでした・・・

 

 

正直、この難しい問題に対し、大臣がここまで踏み込んで発言をしていただけるとは思っていなくて、あいまいな回答だった場合、「それでは、あと何万人集めれば国は動いていただけるのか」とまで、食い下がろうという覚悟をしていました・・・

でも、両大臣とも逃げなかった・・・

本当に感謝しています。

 

子供を失ってから今までずっと、現行法や制度にたくさんの疑問点を感じ、現行法や制度そのものを「こんな法律や制度でなかったのなら・・・」と恨んではきましたが、

振り返ってみると、

昨年の刑事裁判においては、裁判官が涙を流してくださったこと・・・

裁判長が判決の後、遺族に向け、異例のはげましの発言をされたこと・・・

検事、そして弁護士、記者さんたちが法廷で自分のことのように泣いてくれたこと・・・

 

そして今回、

国のその機関のトップに立つ大臣が、”おかしい” ものを ”おかしい” と感じ、

まさに「真正面から立ち向かうべく」 ご発言されたこと・・・

 

その局面局面における各関係者の判断に、人としての感情、人としての感覚を感じ、救われる思いがしました。

感謝の言葉しかありません。

 

今後は、両大臣の言葉を信じ、一旦、署名活動は休止しますがみなさんや亡くなった子供たち6人と一緒に、今後の国の動向を見守っていこうと考えています

 

そしていつか法が変わったら、

子供たちに

「君たちが法を変えたんだよ」 「たくさんの命を救ってくれてありがとう」

と言いたいと思います。

 

【小川法務大臣への請願】 刑法の条文改正

Dscf5983

Dscf5988_4

【松原国家公安委員会委員長への請願】 運転免許制度の改正

Dscf6020_2

Dscf6022_2

【最終提出署名数(4月7日時点)】

刑法の条文改正    → 170,829名

運転免許制度の改正 → 167,398名

Dscf5972

Dscf5976_5

※現在、お手元にあります署名については、後日、取りまとめて国に追加提出したいと思いますので、ご郵送いただくか、遺族宛に届けていただければ幸いです。

 

最後に、これでこの活動が終わったわけではなく、国が動く・・・ということで、ようやく一歩を踏み出したわけですが、一度ここで、お礼を言わせてください。

 

我々の思いや悲しみをうけとめ、事故から今までずっと寄り添い、お力をかしてくださいました議員の方々・・・ 鹿沼市全体の悲しみとして、全面的に署名に協力する旨の方針を打ち出してくださった市長・・・

そして、署名に協力をしていただいた自治会、親戚、職場、先生方や保護者、仲間、PTA、連合栃木、青年会議所、事故のご遺族、見ず知らずの私たちに署名をしてくれた方々・・・

さらには、寒い中、街頭署名活動でのボランティアに協力をしてくださった方々・・・

署名場所を快く提供してくださいました企業さんや道の駅の関係者の方々・・・

 

ここには到底あげきれないほどの本当にたくさんの方々、

 

全ての人に・・・

 

「心より感謝いたしております。 ありがとうございました」

 

 

鹿沼児童6人クレーン車死亡事故遺族の会

 

 

 

 

 

 


【国への請願】 最終署名数

2012-04-08 | 日記

明日、国への請願に行ってきます。

 

【最終提出署名数】

刑法の条文改正       → 170,829名

運転免許交付制度の改正 → 167,398名

皆様のご協力に感謝します。

【署名簿】

Dscf5974

Dscf5976_3


ものすごい枚数の署名簿を前にして、署名にご協力いただきました皆様には、ただただ感謝いたしております。

一人一人にお礼を申し上げることはできませんが、みなさんの気持ちとともに、国への請願に行ってきます。

この膨大な署名(民意)を真摯に受けとめ、大臣、国家公安委員長、国の関係機関が行動に移していただけることを信じています。

 

 


国への請願について

2012-04-06 | 日記

国への請願について、ようやく日程が決まりました。

 

【請願日】      

平成24年4月9日(月)

【署名簿提出先】

法務大臣(法務省) 、国家公安委員会委員長(警察庁)

 

【署名数(平成24年4月5日現在)】

刑法の条文改正    →約162,900名

運転免許制度の改正 →約159,600名

 

 

 私達は、皆様にご協力いただいた署名簿を、単に提出するためだけに国へ行くのではありません。

 皆様一人一人からいただきましたこの16万を超える国民の声を、大臣や国家公安委員長が真摯に受け止め、行動に移すと答えるのか、それとも、まだまだ民意が必要だと発言するのか、皆様においては、ぜひ、各報道に注目していただきたいと思っています。