遺族、控訴見送る方針 母親の責任認定を評価 鹿沼6児童死亡事故訴訟
(4月28日 朝刊 下野新聞)
鹿沼市の国道で2011年4月、登校児童の列にクレーン車が突っ込み小学生6人が死亡した事故で、クレーン車を運転していた日光市大沢町、無職柴田将人受刑者(28)=自動車運転過失致死罪で懲役7年確定=や同居していた母親、勤務先だった鹿沼市の重機会社に計約1億2500万円の支払いを命じた24日の宇都宮地裁判決について、原告側遺族が控訴を見送る方針を固めたことが27日、分かった。6児童の遺族が同日、宇都宮市内で代理人弁護士と協議して決めた。
地裁判決は、争点となった母親の法的責任について「会社に(発作の危険性を)通報しなかったのは違法」と認定。さらに「柴田受刑者の自動車運転の開始および継続に加担したことに加え、第三者にそのことが発覚する機会を柴田受刑者と一緒になって消滅させてきた。事故は回避できた」などと判示した。
一方、賠償範囲は児童の父母11人にとどまり、祖父母と兄弟計23人の請求は棄却されたため、原告側は「不満が残る」として控訴の有無を検討。しかし総合的に判断して控訴を見送ったという。
犠牲となった大森卓馬君=当時(11)=の父利夫さん(48)は「刑事裁判で問えなかった母親の法的責任を認めてもらったのは大きな成果。1番ほしい判決がもらえた」と評価し、「判決が同種事故の抑止効果につながることを期待したい」とした。【下野新聞】
宇都宮地方裁判所は、刑事裁判では、判決後に私たちに向け裁判官が 「皆さんの悲しみが広く社会に伝わり、今後の事故防止につながることを願ってこの裁判を終えます」と異例の発言をしてくださり、単なる判決ではない事故防止への思いを社会へ示してくれました。
そして、今回の民事裁判でも、車の運転に積極的に関わった受刑者の母親の法的責任を認め、「母親の取るべき行動とは何だったのか・・・」、ということを、社会に明確に示してくれました。
私達がずっと言い続けてきた ”事故原因の本質” に目を向ける事の必要性・・・
事故後の二年間・・・ 様々なおかしな事との、長くて辛い、そして苦しい闘いでしたが、今は、「”おかしい” ものは ”おかしい”」 と信念を持ち闘い、訴え続けてきてよかったと実感しています。
判決が同種事故の抑止効果につながることを願ってやみません。