18日(火)、横浜地方裁判所において、3年前にてんかん発作の事故により息子さんを亡くされた伊藤さんの民事裁判の判決があるということで、我々鹿沼のクレーン車事故と酷似した事故ということもあり、裁判を傍聴させていただきました。
正直、こんな事故に遭うまでは、伊藤さんの事故のことは知りませんでしたが、大芽が亡くなったあと、読売新聞に掲載されていた伊藤さんの記事を読んで、記事の中で「なぜ、同じことが繰り返されるのか。」と伊藤さんがコメントされているのをみて、いつかお会いしたいと思っていました。
伊藤さんには、裁判後の記者会見を終えたばかりでお疲れのところ、私達とお会いしていただいたこと、そしていろいろなご助言を頂きましたこと、また、今後の我々の活動に対してもお力添えをいただけるとのお言葉を頂き、大変心強く、感謝しております。
お会いできて、本当に良かったと思っています。
伊藤さんにお会いして、今、強烈に心に思うことは、3年前に伊藤さんのお子さんが無責任な運転者に殺されてしまってから今までの間、伊藤さんが刑事裁判や民事裁判、報道、講演等を通じ、「同じ悲劇が繰り返されないように」、そして、「拓也くんの死を無駄にしないように」、と必死に訴えていたはずなのに・・・・
誰も何も変えなかった・・・
何も変わらなかった・・・
そして、事故は繰り返されたということです・・・
今回、伊藤さんの民事裁判の判決が出たら、事故は無くなるのでしょうか。
今回、私達の事故で、柴田将人被告人が逮捕されたら、事故は無くなるのでしょうか。
私はそうは思いません・・・
一部の無責任な運転者が一時的に逮捕され、一時、一般社会にいなかっただけのことであり、伊藤さんの事故では、運転手は禁錮2年8月の刑を終え、間もなく出所してきます。
反省期間もあまりにも短く、また運転して同様の事故を起こしてしまうかもしれません・・・
また、今回の事故で柴田将人が捕まったからといって、持病無申告の運転者が全ていなくなった訳ではないからです。
今日、集団登校する小学生の列にまた車が突っ込んでしまうかもしれないし、明日、突っ込んでしまうかもしれない・・・それでも突っ込んでしまうまで誰も何もできない・・・・ 何もしない・・・ それが今の日本の刑法や免許制度の現実なのです。
だからこそ今回、国の偉い人や警察の方には本当に真剣になって、「今度こそ本当に同じ事故が繰り返されないように・・・・」 事故の本質に目を向けてほしいと願っています。
どこかの新聞に、「鹿沼の遺族が、自分たちの行き着く最終地点である伊藤さんの民事裁判の判決を傍聴」 っていう記事があったけど・・・
伊藤さんや伊藤さんの奥さんが、我々の子供達の写真を見て一緒になって泣いてくれて、同時に我々には、3年経った今も少しも変わらぬご夫婦の拓也くんへの思いが苦しいほど伝わってきて・・・
何も終わってはいない・・・ 最終地点なんてない・・・ そう思った・・・