新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

感染パーティーはNG(管理人担当の日経BP連載②

2009-12-28 12:26:42 | マスコミでのコメント・取材・出演

管理人担当の日経BP連載第2回、「パーティー」の話題です。

感染パーティーをしよう・・・と考える人は、日経BP読者にも当ブログ常連さんにも、まさか居ないと思います。
が、井戸端会議や雑談の場で、そういう発言に接して対応に困る人・・・というのは居そうです。
というわけで、取上げてみました。
↓クリックください。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/special/pandemic/topics/200912/513646.html


(主要部コピペ)

感染パーティーはNG

近畿医療福祉大学の勝田吉彰氏

 感染パーティー。新型インフルエンザに感染していると思われる人を入れて、飲めや騒げやの大騒ぎをしながら飛沫を浴びる。大部分が軽症で終わる今のうちにうまく感染して、タダで免疫をつけてしまおう、という発想だ。子供たちバージョンもあるらしい。

 それは間違いです。やってはいけません。絶対ダメです。海外報道を見ても、繰り返し繰り返し呼びかけられている。日本でも、専門家が否定的見解を出している。そんなことを考える人々が本当にいるのだろうか。当サイト読者の皆さんは首をかしげると思う。

 いるのである。あるメーリングリストでは、ご近所の井戸端会議で本当に感染パーティーをやる算段が語られていて衝撃、にわか新型インフル講座をやって止めさせたという実体験が述べられたりしている。筆者のサイトにも質問をいただいた(もちろん、お勧めしませんと回答した)。

 あなたの周囲でそういう声を聞いたら、やめさせてほしい。その理由は、(1)子供や青年層では基礎疾患がなくても重症化するケースがある。あの世に旅立ってしまい新聞ダネになる例だけが“重症化”ではない。気管内挿管され一言も声を発せず、人工呼吸器につながれトイレにも行けないという目に遭うケースはまだまだあるのですよ、と伝えてあげよう。また(2)高齢者は、それだけ長く生きている。大切に乗った車でも10年走ると故障する部品が出てくるし、それがエンストするまで目に見えないことも多々ある。痛いわけでも痒いわけでもなく意識されていない基礎疾患ゆえ、取り返しのつかないことになるかもしれません、と教えてあげよう。

 なお、意図的な“感染パーティー”じゃなくても、1月は何かと行事の多い月だ。医療施設でも福祉施設でも企業でも、“お餅つき”や“新年会”や“成人パーティー”の体制にはよく注意喚起しておこう。手洗い・咳エチケットはもとより、大皿にスナックを盛って、不特定多数が手を突っ込むというシチュエーションがないよう食べ物を小皿で出すといった配慮が必要なのだ。

 


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新型インフルに押しつぶされた季節性インフル

2009-12-28 12:20:33 | インフルエンザ:基礎知識/新知見

季節性インフルが新型インフルに押しつぶされた(squelch)と、ちょっと面白い表現で報道。

  • いつもなら、季節性インフルエンザ流行のシーズンだ。だけど、どこへ行ってしまったのだろうか?
  • 現状、インフルエンザで入院する患者の99%はH1N1だ。(But “99 percent” of the people who have been hospitalized because of the flu have tested positive for H1N1 virus, not seasonal flu, said Dr. Mark Netherda, Sonoma County's deputy public health officer.)
  • このトレンドは、新しいH1N1が現れ優位を占め、それまでの季節性を押し出す(crowd out)というセオリーに乗っているようだ。
  • ハーバード大Dr. Marc Lipsitch教授も、今シーズン、季節性インフルはやって来ない方に賭けると言っている。しかしそれでも確信はしていない。「押し出すとは、新しいウイルスの流行にともなって、在来のウイルスの感染拡大がなくなることだ。そのメカニズムは、ある種の免疫、短期の免疫が、遠い親戚筋に対しても有効だと推測されている。
  • 過去のパンデミックー1918年と1957年ーは、季節性シーズンより先立つ秋口にやってきた。そして続く(冬の)シーズン中、やや多めの新型ウイルスが見られたが、多数というほどではなかった。そしてそのシーズン、季節性インフルが戻ってきたという証拠はない。
  • だから、新型の流行にともない季節性は押し出されたと推測するのだと。
  • ただし、大きなifをともなう。もし本当にこのセオリーどおりなら、季節性ワクチンの供給が足りない今シーズン、大きな助けになる。でも本当にそうなのか。
  • でも、安全策はとっておいた方が良い。季節性ワクチンが(不足とはいえ)打てるのであれば打っておいた方が良かろう。そしてもちろんH1N1のワクチンを。

歴史どおりゆけば、季節性インフルは来ないといえます。でも、そう言いきれるわけではない。頭の片隅に警戒感は持っておいた方が無難です。

ソースは12月26日付pressdemocrat↓
http://www.pressdemocrat.com/article/20091226/ARTICLES/912269973/1350?Title=H1N1-may-squelch-seasonal-flu-cases&tc=ar
H1N1 may squelch seasonal flu cases

 


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トラベルワクチンフォーラム研修会

2009-12-28 11:09:15 | イベント情報

トラベルワクチンフォーラム研修会です。

日時:2010年1月30日(土) 
主催:バイオメデイカルサイエンス研究会
場所:国立国際医療センター 国際医療協力局3階会議室
時間:午後1時~5時半

講演テーマ:
1.輸入新型インフルエンザワクチン(by ノバルティス Luiz氏)
2.組織培養日本脳炎ワクチン(by 阪大微研 中山氏)
3.渡航者ワクチンガイドラインの紹介(JOHAC 濱田氏)

詳細、申込み方法等は↓参照ください。
http://www.npo-bmsa.org/img/TVF_17anounce1.pdf



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