新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

照会・お便りetcはこちらへどうぞ
opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

米国のワクチン副反応補償制度はダメダメだ!とスタンフォード大が叱っている

2015-07-12 12:12:46 | 議論沸騰

ワクチン副反応の後遺症に対する、無過失補償制度。米国の制度が実際の運用においてグダグダだとスタンフォード大の報告。

  • 1986年以来の14000件調査。
  • 米国の補償制度。無過失責任。ワクチン1本あたり75セント徴収して原資。
  • 規定どおりなら240日以内に給付決定し支払われる。
  • しかしながら現実には、法的ゴタゴタが起こっている、平均5年以上かかっているなど、問題山積。
  • このような現実が、ワクチン接種率向上を妨げている面もあるのではないか。

う〜ん、米国のワクチン補償制度って、うまくいっていないのか。。。

 

http://news.stanford.edu/news/2015/july/vaccine-court-engstrom-070615.html

Federal program for vaccine-injured children is failing, Stanford scholar says

 


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ビルゲイツが自分が生きてるうちに「3300万人規模の犠牲者がでるパンデミック」が来ると予測を語っている

2015-05-29 09:50:53 | 議論沸騰

ビルゲイツのインタビュー。私がマジで恐れているのは(核戦争なんぞではなく)パンデミックです!と。

  • 今後、私が生きている間に核戦争が起こる可能性はほとんどないだろう。しかし、世界的パンデミックが起こる可能性は50%以上とふんでいる。
  • そのパンデミックで、3300万人以上の犠牲者が出るはずだ。
  • ビルゲイツは59歳だから、つまり、この大パンデミックは今後数十年内に起こるということになる。
  • EVDをめぐる一連のことを見ていると、我々がいかに感染症に対し備えていないかわかる。前回の世界的パンデミックは1918年のスペインカゼだが、これだって、本当のところどこから来たのかわかっていない(スペインかぜと称しているのは、たまたま、スペインのメディアが世界で初めてこれを報じたからにすぎない)。スペインかぜの犠牲者3300万人はカナダの人口と同じ。
  • いま、国境を越えた移動は当時の50倍になっている。諸要素を加味すれば、次のパンデミックでは、250日間で3300万人の犠牲者が出ると見積もっている(the next Spanish flu-like epidemic could kill 33 million humans in 250 days.

これはノストラダムス予言の類じゃなくて、ビルゲイツのブレインたちがボスに色々インプットして、鬼才の脳内で計算された数字ということです。

SARS、MERS、EVD、チクングニヤ@カリブ、いずれも数十年どころか、該当年度の数年前には誰も予想していなかった事態ばかりですので、「数十年以内に3300万人亡くなるとビルゲイツが予想するパンデミック」は、おそらくはいまの我々の警戒リストに入っているものではまったくないものなのかもしれません。

ソースはbusinessinsider
http://www.businessinsider.com/bill-gates-biggest-fear-is-a-killer-flu-2015-5

Bill Gates just described his biggest fear — and it could kill 33 million people in less than a year

Read more: http://www.businessinsider.com/bill-gates-biggest-fear-is-a-killer-flu-2015-5#ixzz3bTnIwrV6

 


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抗生剤の不採算問題をどう対処し、耐性問題を乗り切るか

2015-05-25 19:18:27 | 議論沸騰

抗生剤の耐性獲得問題。次次と新たな抗生剤を市場に投入してゆかねばならないわけですが、他方、抗生剤は「とにかく儲からない」という問題があります。そこをどうクリアするか。

  • 抗生剤は投与期間が短く、(耐性問題から)寿命が短い。さらに価格も抗がん剤などに比べて安価である。したがって、抗がん剤は糖尿病薬等にくらべて著しく、利潤を得ることが難しい。2000年代に多くの製薬会社が抗生剤から手を引いてしまい、いま開発中の抗生剤はわずか3種類しかない。
    今後耐性問題に対抗してゆくためには、少なくとも15種類の抗生剤が開発されねばならず、うち4種類は完全に新しい抗生剤(広域スペクトラム2種と狭域2種)でなければならないのに、現状はお寒い限り。そのために今後10年間で160億から370億ドル必要だ。現状は、抗生剤が市場で稼ぐ金が年間400億ドル、耐性問題で費やされる金が200億ドル医療費を押し上げている。
  • このことから、抗生剤を開発するモチベーションがわかないのは経済原則から当然である。抗生剤の開発を公的支援する仕組みが必要。
  • 2012年のGAM法、2013年のADAPT法。
  • 英国の分析 Review on Antimicrobial Resistanceによれば、下図のごとき状況。

  • 報告では、官民でファンド設立を提言している。それには3通りの方法がある。まず“global innovation fund”で初期の開発研究を支援する。そして、売上とは切り離して、前払いで製品の買い上げを保証する。これは“delinkages,” というインセンティブで、議論が発生する余地がある。これに要する額は20億ドル。
  • 開発された製品を全世界で売ることが出来ればよいが、そのようなバイヤーとして政府機関・国際機関は無力である。
  • delink方式で問題は、そのコストをだれが負担するかである。

要は、抗生剤みたいな利益の出ない薬は誰も開発したがらず、耐性問題でどうにもならなくなってしまうから、公的支援で開発費を面倒みみなければならない。その方法として、開発費と売上を切り離して(de-linkして)ゆくのが有効だけれど、その費用をだれがもつのかが難題である・・・という話です。う~ん。また、誰か大金持ちに小切手を切ってもらわなければ、淘汰されてしまうのかなあ。

ソースは
http://phenomena.nationalgeographic.com/2015/05/23/oneill-amr-3/

We Need Antibiotics. They’re Not Profitable To Make. Who Pays?


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ニューヨークの地下鉄にペスト菌のDNAがいるかも?という報告の喧々諤々

2015-02-13 20:04:24 | 議論沸騰

米NYで、環境中の検体から炭疽菌やペストの遺伝子断片(かもしれないもの)が検出された!という報告をめぐる喧々諤々。

  • NY地下鉄駅で検体採取をおこなって、そのDNAを分析、公表されているデータと照らしあわせた。 
  • 面白い結果もあり。たとえば2012年のハリケーンサンディで冠水したSouth Ferry 駅で採取した検体からは、他の駅と比べて海の微生物(の遺伝子)が検出された。しかしもっと目立つものに、3つのサンプルからペストの原因のYersiniapestis のDNAが、2つの検体から炭疽菌の原因になるBacillus anthracis のDNAが検出されたというものである。
  • 結果、地下鉄の駅には炭疽菌やらペスト菌やらがいるような印象を与えている。著者らは、「たとえペストや炭疽をおこす細菌の痕跡が地下鉄網にあったとしても、人々が心配するようなことにはならない」とコメントしている。しかし、このコメントさえ、言い過ぎであるとする科学者たちもいる。著者らの方法、検体の遺伝子を分析して、すでに公表されている配列と比較して、類似していれば、その病原体があったとするものは、悪評高く信頼性がないものだとする。たとえば、バージニアのトマトから採取したサンプルから、オーストラリアのカモノハシから採取された検体と共通のものが検出されたとしている。しかし、公表されている19000種のパターンと突き合わせると、約1/3は同じパターンが一部一致したりしていた。

その他反論はまだ続きますが、「ニューヨーク地下鉄には炭疽菌やペスト菌がいる」という流言⇒パニックにつながりかねない報告に対して、批判が多数起こっているという話です。
少なくともメジャーに受け入れられることにはなりそうもありませんが、それでも、これに尾ひれがついて都市伝説になってゆく・・・というのは、このSNSの時代、十分に考えられます。ニューヨーカーの間で、パーティーの会話におさまってゆくのか興味深いところです。

ソースはナショナルグラフィック

http://phenomena.nationalgeographic.com/2015/02/10/theres-no-plague-on-the-nyc-subway-no-platypuses-either/

There’s No Plague on the NYC Subway. No Platypuses Either.

 


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また出てきた政府批判(ネパールの鳥インフルエンザ)

2013-08-06 09:08:33 | 議論沸騰

ネパールで鳥インフルが発生すると”お約束”のように出てくるのがヒマラヤタイムズの政府批判。
やはりというべきか、今回も世界に発信しています。g

  • 今回のネパールのH5N1感染拡大がカトマンズバレーに拡大してきているのは、政府の初動がまずかったせいである。
  • 最初に、Jhapa, Chitwan and Pokharaで発生をみた時点においてさっと検疫をはじめていればカトマンズまで来ることはなかったはずなのに、しかるべき処置をはじめたのは流行確認されてからだった。殺処分も遅れた。
  • 殺処分に対する補償額の低さも、もうひとつの感染拡大の原因である。

以下、”いつも”と同様の批判が連なります。
我々から見れば、ネパール政府に十分な財源が無いのが主因ではないかと思えるのですが、思うように対策がとれない政府当局⇒毎回同様の批判を繰り返すマスコミ・・・と溜息なループ が繰り返されます。こういう処にこそ迅速にODAと思うのですが、ベトナムのような利害関係もなく、難しいところです。

ソースはヒマラヤタイムズ
http://www.thehimalayantimes.com/fullNews.php?headline=Govt's+laxity+led+to+bird+flu+outbreak%3A+Experts&NewsID=386248

Govt's laxity led to bird flu outbreak: Experts    

Added At:  2013-08-04 11:33 PM

   Last Updated At: 2013-08-04 11:33 PM

 


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鳥インフル遺伝子変異研究、部分再開

2013-01-25 09:27:24 | 議論沸騰

H5N1の遺伝子に変異を(人工的に)加えるとヒトヒト感染能をもつものが出来上がるかもしれなくて、テロリストが化学兵器に応用するかもしれない・・・という議論から、この種の研究が自主的停止になり、それは今に至っておりました。
 今回、一部の国限定ながら再開の動きに。

この種のウイルスを扱う設備があり、当局ふくめ合意が得られ・・・と厳格な条件付き、その条件がクリアした国からということになります。
その第一陣にUSAが入っていないことを報道する記事も。

ソースはCNN↓
http://thechart.blogs.cnn.com/2013/01/23/bird-flu-research-resumes-but-not-in-u-s/


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米CDCのインフル患者数推定はおとぎ話だっ!(natural news)

2012-06-29 08:54:46 | 議論沸騰

先般の米CDC発表、H1N1(2009)の犠牲者数は公式数字  の 倍、   人と推定されるという発表は、かなりの衝撃をもって伝えられました。
 これに思い切り噛みついた論評@natural news。そんなのおとぎ話(fairy tale)だっ!と。
出だしからIf they're not lying, they're lying.と刺激的。

  • 2009年パンデミックのとき、CDCはH1N1(2009)の感染者数をカウントするのをやめ、ただ推測するのみであったことをCBSがすっぱ抜いた。医療機関受診したうち、インフルに似た症状示す者をカウント。CBSに指摘されると、今度は大きな数字を出して恐怖を与える戦術に出た。感染者は1000万人いると。No evidence. No test results. No facts. で。
  • そして今回、修正主義者のごとく。犠牲者数18500人は過少だと言いだした。では何人?2.5万?5万?10万?いやいや25万だって!! さらに57万5400可能性までCDCの魔法使いたちは言っている。
  • では、彼らは一体どこのウサギ小屋からこんな数字を引っ張ってきたのか。コンピューターモデルとか統計モデルとかいうのがそれ。「我々はアルゴリズムだとか方程式だとかチャートだとか、ガタガタ言われる筋合いのないものを使ってる。俺たちを信じろ、プロなんだ(We devised algorithms, equations, and charts which no one will bother to examine or assess or judge. Trust us. We're the pros)と。

以下、罵詈雑言は続いてゆきます。噛みついているポイントは、09年のあの状況下、確定診断できていないILSを感染者とカウントして(専門外にわかりにくい)統計処理して、大きな数字が出てきたこと・・・という事のようです。確定診断できていないケースを・・・と09年あの状況で言われてもねとは思いますが、他方、説明責任という言葉が適切なのかどうかわかりませんが、”アルゴリズムだとか方程式だとかチャートだとか”を一般社会向けに普段からコミュニケーションしてゆく試みは、もっとあってもよいかもしれません。ちょうど、小中学校の教育課程でNIEが導入されメディアリテラシー教育が始まったように・・・

ソースはnatural news.com↓
http://www.naturalnews.com/036316_swine_flu_death_estimates_CDC.html

CDC's revised swine flu death estimates a fairy tale scare story



Learn more: http://www.naturalnews.com/036316_swine_flu_death_estimates_CDC.html#ixzz1z8SB5vQ8

 

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河岡論文掲載までの背景(鳥インフル変異論文)

2012-05-03 21:46:48 | 議論沸騰

鳥インフルルウイルス遺伝子変異論文をめぐるカンカンガクガクのうち、河岡グループ分がネイチャー掲載。日本の各紙にも報道されておりますが、日本のメディアが報じていないうち、海外メディアから興味深いところ紹介。

事実関係については日本メディアが報じているのでコピペで。
****************************************
 http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20120503-OYT1T00432.htm
鳥インフル論文、ネイチャー誌電子版に掲載

テロなどへの悪用が懸念されるとして、英ネイチャー誌への掲載が見合わせられていた鳥インフルエンザウイルス(H5N1)に関する東京大医科学研究所の河岡義裕教授らの論文が、3日付の同誌電子版に全文掲載された。

 米政府の諮問機関が3月末に全面公開を認める判断を示したのを受けた措置。同誌は論文と併せて、論文を公開すべきかどうかを検討した外部専門家の評価結果も掲載。「生物兵器に利用するには分子生物学の高度な知識などが必要で、たいていのテロ集団の能力を超えている。掲載しないと、ワクチン開発が遅れる懸念があり、研究者の意欲をそぐ可能性も問題」として、掲載を支持した。
****************************************

海外メディアからいくつか。

  • 一連の研究のきっかけ。1983年、若き頃の河岡氏は Robert Webster氏( St. Jude Children’s Hospital in Memphis, Tennessee. )のラボに留学していた。その年、鳥インフルH5N2の流行が起こった。4月には鶏にわずかな症状が起こるのみであったが、11月には多くの鶏が死に農家が心配する状態になっていた。そこで若き河岡氏は検体を持ち帰りラボで鶏に感染させてみたところ100%犠牲となった。鶏を解剖してみると、(腸管にとどまらず)多臓器不全を起こしていた。
     そこで、遺伝子解析してみたところ、わずか1か所の変異でこの変化が起こっていたことが分かった。

    河岡氏や他の研究者がすすめている遺伝子変異実験がある危険を内包しているのは確かである。同時に、自然界が日々おこなっている実験ーウイルス変異し他のウイルスから遺伝子を借りてくるーと、どちらが危険なのか多くの意見があろう。だが、確かな答えはないのである。
    Schientific American↓
    http://blogs.scientificamerican.com/observations/2012/05/02/controversial-bird-flu-research-published-how-worried-should-we-be/

  • David Relman(NSABB)氏が記者に語ったところによれば、彼は河岡論文の掲載には賛成票を投じ、オランダチーム論文には反対票を投じた。その理由は、河岡論文は「ある一線」を越えていないのに対し、オランダチームは越えてしまっているからと。河岡論文ではH5N1ウイルスの1種のタンパクを含むにすぎず、悪意ある人間が論文内容をつかって悪事を働こうにも、4か所変異させたウイルスを操作せねばならず、しかも、そこまでしてもヒトを殺せるとは限らない。それに対してオランダチームの論文では、最初から最後までH5N1ウイルスそのものを使っているからで、それゆえ、最終作品は、悪意ある人間にとって魅力的なものになってしまう(The Wisconsin paper came close to the line but didn’t cross it, because the virus contained only one H5N1 protein. If people want to do some evil with the information in the paper, they’ll have to engineer an H5N1 virus with the four-mutation haemagglutinin. And they’d have no guarantee that it would cause a human pandemic.Relman felt that the Dutch experiment, on the other hand, crossed the line. The Dutch scientists used bird flu from start to finish, and so the final genome they ended up with may be an attractive starting point for malefactors.)
    Discover magazine↓
    http://blogs.discovermagazine.com/loom/2012/05/02/behold-the-forbidden-flu-a-loom-explainer/

 


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鳥インフル遺伝子変異論文、オランダ政府は一枚上手だった?(認可申請提出へ)

2012-04-26 07:46:10 | 議論沸騰

H5N1遺伝子変異論文の掲載めぐるカンカンガクガクの続き。

オランダFouchier氏のチーム、さらに次のレベルの発表を控えているのですが、オランダ政府から「危険な情報を輸出する」ものと見なされ政府の認可申請を出すことを求めれた問題で、結局、Fouchier氏側が妥協して申請を出す(そしておそらく政府は速やかに許可を出す)という落とし所に落ち着いた模様。

  • Fouchier氏らの次の論文、Schience誌に投稿にあたり、オランダ政府から「兵器テクノロジーを輸出すること」に引っ掛かるので政府の許可が必要であると指摘されていた。
  • これに対し、Fouchierは(当然)反発していた。これは基礎科学であり該当しないと。
  • 当初は、たとえ投獄や巨額罰金という結果になろうともwhich could include jail and a large fine.許可申請はしない方針であった。しかし、今回、Fouchier氏側が折れて、許可申請を提出することとなった。
  • この申請後、オランダ政府は速やかに処理をして許可がおりる見込みと。誰も刑務所にゆくことなく。

「おとしどころ」を探って収まる所に収まったというところですね。
ただ、これで、基礎医学論文を「兵器技術」だと言って検閲する前例が出来てしまったわけでもあり、オランダ政府側が権力(投獄や巨額罰金ちらつかせ?)を背景に一枚上手だったかなという気もします。

ソースはnpr↓
http://www.npr.org/blogs/health/2012/04/24/151292681/bird-flu-scientist-has-applied-for-permit-to-export-research?ps=sh_sthdl

Bird Flu Scientist Has Applied For Permit To Export Research

 


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遺伝子変異論文発表是非論争のドロドロ(反対派の巻き返し)

2012-04-15 23:16:29 | 議論沸騰

遺伝子変異論文(byオランダチーム&河岡チーム)の掲載すべきか否かをめぐる論争の第二幕。

  • 3月末の会議で、全文掲載すべき・・・となり決着したかに見えたのが第一幕。
  • このとき、オランダチームの報告については12対6で、河岡チームについては全会一致で決定。
  • しかしながらオランダチーム論文の掲載に反対票を投じた6名のうちのひとり、Michael T. Osterholm, PhD, MPH, director of the University of Minnesota's Center for Infectious Disease Research and Policy氏の出した書簡が波紋。
  • 書簡のなかで、(掲載妥当と結論づけた)3月29・30日のミーティングは、最初から結論ありきで"I believe that the agenda and speakers for the March 29 and 30th NSABB meeting as determined by the OBA [NIH Office of Biotechnology Activities] was designed to produce the outcome that occurred," 、小石を道路から蹴りだすものだ("kick the can down the road")と批判。
  • このミーティングでFouchier氏が、今回議論になっている報告以外に、もうひとつ、フェレットに繰り返し暴露させずともさらに容易に感染する変異の存在も示唆していたと暴露。
  • また、セキュリティ面のブリーフィングは不完全なものだった、データにもとづく議論がなかったetcとも指摘。

この論争、管理人としては、当初、いつまでも結論が出ない神学論争化を懸念しておりました。が、意外に早く決着したかに見えていたのですが、少々強引なこともなされていたようです。今回、会議の中身のリークもともなう書簡が出たりして、もうひと波乱ありそうな雲行きですね。成り行きがまた注目されます。

ソースはCIDRAP↓
http://www.cidrap.umn.edu/cidrap/content/influenza/avianflu/news/apr1312letter.html

NSABB member says officials stacked deck for board's H5N1 decision

science insider↓
http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2012/04/a-flawed-flu-papers-process.html
A Flawed Flu Papers Process?

 

 


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