新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

照会・お便りetcはこちらへどうぞ
opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

南半球でも今シーズンのインフルエンザ立ち上がりは早い

2019-04-10 09:30:01 | インフルエンザ:海外の動き/海外発生

これからインフルエンザシーズンに入る南半球、いつもなら。

しかし今シーズン、南オーストラリアは例年より立ち上がり早く、今年すでに26000例ワクチン接種計画前倒し。

この、南半球、なかでも先進国かつ英連邦なオーストラリアの状況は、実際の流行にも、心理的影響でも、その後の(2019/20シーズンの)北半球に大きく影響します。

昨(北半球の)シーズンには、オージーインフルエンザなる見出しが躍り、実際にもかなりなオオゴトになりました。

かなり気になるオーストラリアの現状、注目です。

https://www.abc.net.au/news/2019-04-08/flu-vaccine-program-brought-forward-as-numbers-spike/10980370?fbclid=IwAR1oTt7KuROdxauIKQf36AKzvnIAwiSil428dbbxRgQDVTNA9jooAmBzd8I

Flu vaccine program brought forward as surge in cases surprises health authorities

        Posted      Mon at 6:34pm


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今シーズンのインフルエンザはキツイかも(カナダ/カルガリーの現場発)

2018-11-23 11:16:50 | インフルエンザ:海外の動き/海外発生

北半球、今シーズンのインフルエンザの行方は・・・
先行するカナダのERは結構大変みたいです。

  • アルバータ州では今シーズンに入りすでにインフルによる入院205例。その大部分がカルガリーに集中。
  • 例年より」立ち上がりはやく、例年を上回る入院数が予想される。

昨シーズンのような、オージーインフルエンザだジャパニーズインフルエンザだと上へ下への大騒動にならないことを願っています。

https://globalnews.ca/news/4668821/alberta-health-services-flu-season-nov-15-2018/

https://globalnews.ca/news/4687027/doctor-warning-calgary-flu-hospitalizations/?fbclid=IwAR1w1Ufz2FDVzNax4eeP4xonbsVB7sawK2sIoB1-vErSMCy7_leLtim9iSQ

Doctor warns Calgary may see ‘many more hospitalizations’ than usual this flu season


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エミレーツ機内、集団インフル罹患事件の論評@ビジネスインサイダー

2018-09-09 02:09:23 | インフルエンザ:海外の動き/海外発生

NYのケネディ空港のひと騒動。エミレーツ航空の機内で呼吸器症状・消化器症状が多発してケネディ空港到着後に検疫、たまたま乗り合わせたラップ歌手がツイッターに画像を載せたこともあり大きな話題になりました。この機体がメッカのハッジ巡礼者を乗せていたことから色々憶測も呼びましたが、機内発症とうことで、潜伏期からMERSは最初から否定的、インフルエンザ陽性も確認され、インフルエンザでしょうということになっているが通常の季節性かどうかわまだわからず。ビジネスインサイダーがハーバードにも取材かけて論評。

  • 今回の件は警告。もしこの機内で発生したのがインフル以外の病気で、行先がケネディ空港でなかったら、もっと大変なことになっていただろう。
  • このフライト以外にも、パリとミュンヘンからフラデルフィアに着いたフライトで、同様に咽頭痛うったえた乗客があり、同様に検疫うけた。これらの乗客はみな、メッカの巡礼帰り。
  • もしもインフルよりも致死率の高い疾患であったら、災害級の話になっていただろう。
  • 実際に今回はケネディ空港の公衆衛生担当者は良い仕事をした。世界中では、適切なサーベイランスがおこなわれず感染者を見つけられない空港はごまんとある。MERSはより致死率高い疾患で、呼吸器症状。見つけられなければ世界中に散らばる。
  • メッカ巡礼において、デング熱・シストソーマ・ハンセン氏病のある国々からも70万人の巡礼者が集まってくる。
  • 医療者のさらなる教育の必要性指摘。

国内では相次ぐ災害報道の隠れてベタ記事からせいぜい数段の本件ですが、実はかなりヤバイ紙一重。これを教訓に、検疫予算の充実を願いたいものです。

この記事に使われている写真、ラップ歌手がツイッター投稿してた写真と同じです。アップした歌手は"tons of ambulance"なんて表現してましたが、米当局の底力を見せつけられたような写真ですね。

かつて、2009年のH1N1騒動のときには機内検疫の画像が、エボラや韓国MERSのときには検疫所の映像が繰り返し掲載/放映されるとともに、一方で検疫無意味論も流れました(まあ、そりゃあ検疫万能論は×としても無意味論もなあ)。将来、どこかの国の感染症関連の話題が日本のメディアを賑わす事態になったとき、そのような論唱える御仁も出てきそうです。その節は、この写真を見せてあげましょう。USAではこんな風よと。

https://www.businessinsider.com/emirates-plane-flu-harvard-doctor-says-were-lucky-it-wasnt-mers-2018-9

A Harvard professor says the dozens of passengers sickened on international flights are a clear 'warning shot' of a worst-case scenario

 

 


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矯正施設でインフル接種打てなかったのは賠償対象か(米の訴訟)

2018-03-29 09:02:56 | インフルエンザ:海外の動き/海外発生

刑務所収監中の母親がインフル予防接種を受けられず、続発性肺炎で死亡したのは刑務所側の瑕疵である・・・という訴訟を娘がおこして話題に。

  • 米オレゴン州coffee creek刑務所。
  • 薬物犯で禁固70カ月の刑で服役中の53歳女性。インフルエンザ罹患後、黄色ブドウ球菌による続発性肺炎で1月15日に死亡。これをめぐり、刑務所が印ワクチンを受けさせていなかったのが原因であるとして娘が訴訟提起。
  • 同刑務所では、受刑者のうち18%しか接種を受けていなかったと報じられている。

う~ん、これは勝てるのか否か。視点は

  • これが、受刑者の18%しか接種されておらず”楯”が出来ていなかった・・という行政訴訟ならともかく、そうではありません。母親(n=1)がワクチン受けていたらインフルにかからず、続発性に黄色ブ菌にかからず、肺炎にならず、死ななかったという証明は。。。
  • 今シーズンの米国はH3N2流行で、ワクチン打ってたらH3N2にかからなかったといえるか(かなりあやしい)?
  • H3N2⇒二次性黄色ブ菌、母親の個体側要因は? obesityとか?DMとか? 薬物犯ということなら、HIVほか免疫低下要因有無?
  • 訴訟提起した薬物犯の娘に十分な訴訟費用があるのか(まともな弁護士が雇えるのか?)あるいはひょっとして、プロ市民団体がバックアップしていてそちらの方は万全なのか(だから報道に載ってるのか?)

ともあれ、受刑者の18%しかワクチン受けれていなかった現実も深刻、トランプ政権の削減策はこんな所にも影を落としているのでしょう。

 

http://sacramento.cbslocal.com/2018/03/26/flu-shot-prison-woman-death-lawsuit/

 

Woman Dies After Not Being Given A Flu Shot In Prison, Lawsuit Claims

March 26, 2018 at 10:12 am

Woman Dies After Not Being Given A Flu Shot In Prison, Lawsuit Claims

March 26, 2018 at 10:12 am

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鳥インフルH7N4の初デビューは20年前、オーストラリア

2018-02-16 13:17:09 | インフルエンザ:海外の動き/海外発生

鳥インフルH7N4の初ヒト感染が江蘇省で報告され、(一部インフルオタク界隈で)盛り上がっておりますが、これの初お目見えは20年前のオーストラリアとの報告。

  • 1997年のオーストラリア、サウスウェールズ州Tamworthにて、高病原性鳥インフルエンザH7N4。 2か所の養鶏場から分離。
  • ウイルス性状は以下コピペ(The viruses isolated from chickens on two commercial chicken farms were identified as H7N4 viruses, with hemagglutinin cleavage site amino acid sequences of RKRKRG and intravenous pathogenicity indices of 2.52 and 2.90, respectively. A virus with an identical nucleotide sequence, but with an intravenous pathogenicity index of 1.30, was also isolated from cloacal swabs collected from asymptomatic emus kept on a third property.)

http://www.aaapjournals.info/doi/abs/10.1637/0005-2086-47.s3.806?code=aaap-site&journalCode=avdi

An Outbreak of Highly Pathogenic Avian Influenza in Australia in 1997 Caused by an H7N4 Virus
P. W. Sellecka, G. Arzeyb, P. D. Kirklandb, R. L. Reeceb, A. R. Goulda, P. W. Danielsa, and H. A. Westburya

aCSIRO Australian Animal Health Laboratory, 5 Portarlington Road, Geelong, 3220, Victoria, Australia

bElizabeth Macarthur Agricultural Institute, Woodbridge Road, Menangle, 2568, NSW, Australia

20年前にオーストラリアでデビュー、その後、姿を現さなかったものが2018年の中国で・・人類が知らないことはまだまだいっぱいあるなあという話です。


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新顔H7N4ヒト感染、江蘇省で

2018-02-15 15:31:32 | インフルエンザ:海外の動き/海外発生

鳥インフルエンザのヒト感染、中国初報告@江蘇省。クリスマス発症、正月入院、22日退院。H7N4確認

  • 江蘇省(Liyang in Changzhou of Jiangsu Province )の68歳女性。
  • 12月25日クリスマス発症。元旦に入院。回復し22日退院。
  • 発症前、鳥類接触歴確認、
  • 濃厚接触者から発症者みられず。

当局(衛生和計画生育委員会)発表は簡単ですが、中国初のH7N4ヒト感染。鶏接触歴のあるおばあちゃんだけが感染ですから、海外赴任者研修ではあらためて「生鳥市場に行ってはいけません」と強調ですね。

 

http://outbreaknewstoday.com/china-reports-1st-known-human-h7n4-avian-influenza-case-60497/

China reports 1st known human H7N4 avian influenza case

February 14, 2018

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もう何だかひっちゃかめっちゃかな米発インフル報道

2018-02-04 17:25:15 | インフルエンザ:海外の動き/海外発生

たかがH3N2、されど・・・なんて言ってられない状況の米国のインフル騒動。報道もあふれかえっています。

Canadian data show low flu vaccine protection against H3N2


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オリンピック前の半島にインフル禍

2018-01-31 00:01:01 | インフルエンザ:海外の動き/海外発生

オリンピック開幕まで2週間を切ったいま、北も南もそれぞれにインフルエンザが大変とWHO発表。

北の方はH1N1流行。WHO発表数字(だから実態の一部でしょうが)約12万7千例、うち8.1万例がH1N1確認。うち1/4以上が平壌。

南の方は鳥インフルエンザ。ソウル南郊Gyeonggi。76万羽殺処分。

マスギャザリングを前にして落ち着かぬことです。

http://www.foxnews.com/world/2018/01/29/swine-flu-bird-flu-hit-north-korea-and-south-korea-days-before-winter-olympics-kick-off.html

http://outbreaknewstoday.com/north-korea-reports-h1n1-influenza-outbreak-23798/

 


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今のところH7N9はこんな風だけれども・・・

2018-01-25 09:34:13 | インフルエンザ:海外の動き/海外発生

第5波でピョンと跳ね上がって世界中を多いに心配させた昨年の鳥インフルH7N9.

今季の状況は、「いまのところ」こんな感じです。春節に向けて本格化するので何ともいえませんが、願わくば、この状況のままいってくれればありがたいのですが。

 

 

詳細はこちら。いろいろ載っておりますので実際にクリックしてご覧ください。
http://www.fao.org/ag/againfo/programmes/en/empres/H7N9/situation_update.html

 


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ひたすらインフルエンザ、西も東もインフルエンザ騒動

2018-01-24 11:08:28 | インフルエンザ:海外の動き/海外発生

fluwikiしかり、当サイトしかり、新型/鳥インフルエンザが盛り上がった頃開設されたサイトはタイトルに「インフル」を抱えながらも、インフル閑散期にはデングやらエボラやらラッサ熱やらジカやら、何でもありサイトになるのが多数ですが、ここのところ皮肉な「原点回帰」になっています。fluwikiもインフル一色(って本来なのですが)。

先週には、オージーインフルエンザから「生還(!)した人のインタビュー」まで見かけました。

まだ当分、世界騒動は続きます。


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