新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

照会・お便りetcはこちらへどうぞ
opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

台湾旅行は蚊に注意(デングは3桁目前、日本脳炎もあちこちで)

2019-10-23 08:47:29 | デング熱

台湾の蚊媒介性疾患、微妙にいろいろと。

  • デング熱の国内感染。定石どおり都会(〇〇city)で、台北新市街の発生をもって99例目です。3桁も時間の問題か。
    Kaohsiung City, 31 cases in Tainan City, 7 cases in New Taipei City, 2 cases in Taipei City, and 1 case in Taoyuan City and Taichung City.
  • 日本脳炎。定石どおりの田舎(〇〇county)が多いのですが、〇〇cityと称する地名も出ているのが気になるところです。ここらへん、台湾の実情どうなのか。これが北京なら、Beijing Cityは万里の長城のあたりまで含まれ、豚小屋のすごそばで生活と言うイメージのところもあり、なんら不審なところはないのですが。。
    Kaohsiung City, 4 cases in Taoyuan City, 3 cases in Taichung City, 2 cases in Chiayi City, Pingtung County and Changhua County, and Chiayi County. 1 case in Hsinchu County and Yunlin County.

http://outbreaknewstoday.com/taiwan-99th-local-dengue-case-additional-japanese-encephalitis-case-confirmed-54142/?fbclid=IwAR0ynsex2-dMb5FekCMnYzQpqYB6pqrpnSodL1ckHhAImvMkkfseP4bZVwc

Taiwan: 99th local dengue case, Additional Japanese encephalitis case confirmed       

        by                Robert Herriman              
October 20, 2019

ゾフルーザのFDA認可は高リスク者限定

2019-10-19 09:21:52 | インフルエンザ:対策/対策の進歩

米FDAのゾフルーザ認可。日本の騒動を眺めてか、高リスク群限定の認可です。

  • Genentech社(ロシュ)、New Drug Application (sNDA) for Xofluza (baloxavir marboxil) 。FDA認可。対象は、合併症の高リスク群。
  • 糖尿病、慢性肺疾患、喘息、肥満、65歳以上。

 

https://www.cathlabdigest.com/content/genentech-announces-fda-approval-xofluza-baloxavir-marboxil-people-high-risk-developing-influenza-related-complications?fbclid=IwAR3qIgqkfiVbPD7JjTCpBvwSv0CQjj2CwAG199xEU-pDEQWoTbRzuNcUCXw

Genentech Announces FDA Approval of Xofluza (Baloxavir Marboxil) for People at High Risk of Developing Influenza-Related Complications

 

元ソースにゾフルーザの要点。

Xofluza significantly reduced the time to improvement of flu symptoms versus placebo in people at high risk of complications from the flu (median time 73 hours versus 102 hours; p<0.001).

  • Similar efficacy results were seen between Xofluza and oseltamivir in relation to duration of symptoms (median time 54 hours versus 54 hours).
  • In subjects infected with type B virus, the median time to improvement of flu symptoms was shorter in the Xofluza group compared to the placebo group (75 hours versus 101 hours respectively).
  • Adverse events reported in at least 1% of adult and adolescent subjects treated with Xofluza included diarrhea (3%), bronchitis (3%), nausea (2%), sinusitis (2%) and headache (1%). Xofluza was well-tolerated and no new safety signals were identified.


京都・奈良を修学旅行した高校生はこうデング熱に感染した(京都人の見解)

2019-10-17 23:04:49 | デング熱

デング熱に修学旅行の高校生が感染し、京都・奈良でもらったらしいとの報道が昨日から流れています。これから修学旅行シーズンごとに、こういう事が繰り返されるだろなあというのが実感です。

京都生まれの管理人からみれば「さもありなん」というストーリーです。京都(&奈良)に修学旅行に行き、2人”だけ”が診断された。無症候例もありますから、実際の感染はその倍あたりでしょうか。以下考察

1.なんで2人(~その倍程度)なの? 実はいまどきの京都修学旅行は、観光バスから大勢ぞろぞろ降りてくるのも勿論すたれてはいませんが、タクシーを借り切ってグループで京都の街を回るのが”今風”です。管理人も帰省していつも手を合わせにゆく神様仏様のところにゆけば、中高年男性(タクシー運ちゃん)+3~4人の高校生という組み合わせが、何組も闊歩しているのがいつもの光景です。だから数十人ではなく、2人+αだけ感染するのは、まあそうだろうなというのが実感。では、彼らがどこに行きたがるか。漫画ミュージアムあたりはともかく、先生のOKも要りますから、やはり神社仏閣です。人気は、縁結びの神様、芸能人の玉垣の神社、サッカーの神社、パワースポット、いろいろ。山のようなインバウンド旅行客と、山のような高校生が邂逅します。

2.さて、神社仏閣における、デング熱対策は如何に。これ、公的補助が無けりゃ絶対ムリです。以前、2014年に代々木公園ほかでデング熱が大ブレイクしてしまったのは当サイト常連さんには記憶鮮明なところです。その時に宗教関係者にアンケート調査おこないました。論文は、関西福祉大学リポジトリからpdfダウンロードいただけます( 勝田吉彰: デング熱・チクングニヤ熱など媒介蚊対策における宗教関係者の意識調査 日本医事新報)4764:44-49 2015)

https://kusw.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=448&item_no=1&page_id=24&block_id=42

 

実はこの頃、管理人はいくつかの僥倖に恵まれました。管理人が奉職する関西福祉大学は金光教(神道系)の経営です。その大教会長が管理人に講演を依頼して来られたのが国際宗教同志会、神職もお坊さんも宗派を超えて仲良く席を同じくする世界というのを初めて知りました。そのご縁で、神道系も仏教系も、誰でも名前を知ってる有名寺院含め、アンケート調査を実施することが出来た結果が上記論文です。

神社仏閣の蚊対策、それはそれは大変です。境内の50%以上が薮や森林や竹藪という処が23%、「竹林だけで2000坪」と書かれていたところもあります。蚊対策は不可能、かなり困難あわせ72%。少しお話させていただいた有名神社のグーグルアースは、ひたすら森。そのHPを見れば、ご利益は(高校生大好きな)縁結び。また、別の仏閣からは隣接する墓地の花指しから大量の蚊がという声も。

蚊対策には、公的支援が必要という声が数多く記されています。

この画像は、車折神社。芸能人たちの玉垣は、多くの修学旅行生たちをひきつけ、インスタ画像はあふれかえっています。(余談ながら、ここは管理人の少年時代の、学習塾のすぐご近所です。つまりこの神様とは50年来のおつきあいいただいておりまして、H1N1以来10年来、TV局ラジオ局で大きな失敗をせずにやって来れてるのはこの神様のご加護と率直に信じておるところであります)さて、この神社とて、境内の樹木には苦戦しており、毎年、「尊厳維持」と、その伐採の費用を求める振込用紙が送られてきます。管理人も、いくらか協力はさせていただいておりますが、そういう寄付が集まるわけでもない多くの神社仏閣の状況は推して知るべしです。

結論;

1.今回の、京都奈良修学旅行生のデング熱罹患は、京都人から見れば「さもありなん」である。

2.京都の(奈良も)神社仏閣が、大勢のインバウンド旅行者と修学旅行生であふれかえり続ける限り、今回のような事象は起こり続けるであろう。来年も再来年もその先も。

3.それでは京都のイメージダウンだから、なんとかせなあきまへん、だが、神社仏閣の自助努力で蚊をなくせというのは絶対不可能である。公的支援が不可欠。(詳細は上記論文)
 

 


世界を歩いてゆく、これからも(外務省医務官募集 〆切 2019.11.14)

2019-10-16 23:40:53 | お勧めサイト/お勧め本

外務省医務官の募集です。

今回の〆切は2019.11.14です。

管理人の前職、行って本当に良かったと思っています。

医師免持ちのあなた、ぜひぜひ人生の1ページを。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/ms/h_w/page4_005360.html

(以下コピペ)

外務公務員医療職(医師)募集

外務省では,以下の医療職に従事して頂ける方を募集しています。  なお,大学医局からの応募も歓迎しておりますので,ご相談ください。

1 募集条件

  • 日本の医師免許取後の臨床経験10年以上で,プライマリーケアに対応し得る医師
  • 産業医資格を有していることが望ましい(必須ではない)

2 採用人員

  • 若干名

3 採用時期

  • 原則として試験合格後1年以内

4 勤務先

  • アフリカ諸国等開発途上国所在の我が国在外公館

5 身分待遇

  • 国家公務員医療職(一)

6 選考内容

  • 第1次書類審査,第2次筆記試験及び面接。

7 応募締切

  • 令和元年11月14日(木曜日)
  • (当日の消印有効。但し,当日の消印となる場合は前もって連絡願います)

8 応募方法

  • 応募を希望される方は下記10に選考申込書を請求して下さい。

9 筆記試験及び面接日

  • 令和元年12月9月から12日頃(変更の可能性あり)
  • (第1次書類審査に合格した候補者のみ)

10 連絡先

  • 〒100ー8919  東京都千代田区霞が関2-2-1  外務省福利厚生室 医務官班 電話;03-5501-8000(代表)内線3812

発災直後のいま、合言葉は「ド・レ・ス」

2019-10-14 23:59:26 | 洪水・水害・震災・津波・噴火・戦乱

このたびの被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。

さて、被災された皆様も、これからボランティアをと意気込んでおられる皆様も、ボランティアのアレンジにあたる皆様も、まずは発災直後のいま、認識いただきたいことです。

管理人の西日本豪雨(真備町)医療ボランティア経験、アフリカ在勤経験から。

合言葉は ド・レ・ス

:冠水・浸水した泥水。見えないところに石やコンクリ片でケガをします。裸足やサンダル避けてください。ケガしたら破傷風トキソイドのブースター、必ず受診を。

これはミャンマーの雨季の写真。ここを歩けと言われたら、最大防備をするはず。これと同じ条件なのですよ・・・と説明・説得用に

:冷蔵庫。停電中に中身は冷えず変質しているかもしれませんが、復電したら一見冷えてるので食べてしまうリスク(セネガル勤務経験から、それでお腹こわす人を見てきました。管理人だって・・以下略)。停電のある途上国の経験。

:スイーツ。甘い物忘れずに。被災地ボランティアセンターへ支援物資も、ボランティア自身のリュックも、水と塩分ばかり目がゆき、甘い物を体が欲したときに無い! ということが、西日本豪雨のボラセンターテントで痛感しました。生真面目な人は水と塩分ばかりに目がゆきますが、作業して疲れた体が、本能が糖分を欲したときにはなかった。差し入れ物資は、(国会のマーク入りの水だとかポカリだとか山のような塩飴だとか)。

 

 

 

 

 


今年のインフルエンザはなぜ異様なのか・・2年前に遡った考察

2019-10-09 10:21:25 | インフルエンザ:基礎知識/新知見

今年のインフルエンザが異様に速く席巻しているのはナゼか。。。

ここのところ、メディアも賑やかになり、管理人も関西ローカル(MBS ミント!)で解説したりしています。で、この取材を機にスイッチオンした頭で思いついたのは、2シーズン前からの経緯です。

1.2シーズン前に、「オージーインフルエンザ騒動」というものがありました。

2017年、オーストラリアを中心にH3N2が大炎上、それが入ってくるぞ・・と、往来多いUKはじめ英連邦諸国が戦々恐々としてマスコミには”Killer Aussie flu”の大見出しが並んだのでした。そして、実際にも、UKはじめ欧州ではそれなりの事態になりました。つまり、先立つ南半球、特にオーストラリアの状況は、続く北半球シーズンの「流行」と「心理、世間一般の雰囲気」の両面において影響が大きいという教訓が、2017年に得られていたのでした。

2017年9月の報道↓
https://metro.co.uk/2017/09/26/killer-aussie-flu-h3n2-is-heading-to-the-uk-6955857/

Killer ‘Aussie flu’ H3N2 is heading to the UK


 

2.今年の4月、南半球シーズン
今年2019年の南半球、就中、オーストラリアはといえば、(比較的穏やかだった2018年とは雰囲気が変わり)、結構なことになっていました。南オーストラリア州では急激な立ち上がりに、慌ててワクチン接種を前倒しということも大見出しで報道されています。

https://www.abc.net.au/news/2019-04-08/flu-vaccine-program-brought-forward-as-numbers-spike/10980370?fbclid=IwAR1oTt7KuROdxauIKQf36AKzvnIAwiSil428dbbxRgQDVTNA9jooAmBzd8I

Flu vaccine program brought forward as surge in cases surprises health authorities

つまり、2019年は南半球シーズンとおなじ光景が、「流行」と「人心・心理」の両面で起こっているということになります。

3.LCCの大盛況
 いま、流行レベルマップで真っ先に真っ赤(定点当たり30超えの警報レベルの色)がついている沖縄県。LCCの大盛況で東南アジアからも大きな奔流が。ひとつには、那覇空港は東南アジアに(関空や成田に比べても)近いことがあります。たとえば、Peachはバンコク線を、成田関空から飛ばしていませんが、那覇からは飛ばしています。4時間の壁、機材の性能やクルーのローテーションなどの要素から、A320型しかもっていないLCCが飛ばしやすいのが4時間以内の距離。その点で沖縄はとても有利。LCCの就航にも、インバウンドにみ、もちこみにも。

4.ラグビーW杯のマスギャザリング
言わずと知れた、当サイトの常連さん皆さんの頭の中に真っ先にあるのがこれ。
渡航医学会、愛媛の時から、マスギャザリングのシンポで言ってました。オリパラと並列で。W杯。あの時の話題は麻疹風疹・インフル・侵襲性髄膜炎でした。観客規模はずっと小さいけれど、バレーボールもやっていますね。

 

https://blog.goo.ne.jp/tabibito12/c/a1347fd0a6bbda67171ed387d746f0e4

その他、年によって流行の型とか、感染研サイト示しながら話していたのでした。

 

テレビ(MBS ミント!)でコメントしたVTRが番組HPからご覧いただけます。
https://www.mbs.jp/mint/news/2019/10/10/072600.shtml

Yahooニュースにも転載されておりますので、文字でもお読みいただけます。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191010-00010000-mbsnews-hlth

 

 

 


デング熱が今年こんなに炎上してるのは都市化と温暖化のせい

2019-10-09 00:15:00 | デング熱

今年、デングの話題が世界中で大炎上しているのはなぜか。

  • 今年のデング、フィリピン・バングラデッシュでは制御不能なように見える。他にPalau, Nepal, Guam, the Cote D’Ivoire, the Cook Islands, French Polynesia, and in other places throughout the tropics.でも
  • デング熱はまだまだ未知の疾患。症状をだすのはなぜ25%だけなのか、重症化するのはなぜ0.5%だけなのか、わかっていない。ワクチンは試行しているがフィリピンの失敗ではパニックが起こった。ジカ熱に罹患すると、当面の間、その免疫でデング熱に対しても効果。しかし。ある程度が経過すると、かえってかかりやすくなる。
  • ひとつの要因は、気候変動で媒介蚊の分布域が拡大していることにある。欧米でも現地感染が見られるようになってきた。
  • しかし、こうした、新たに出現したところよりも、元々あったところに、さらに濃密かすることが目立っている。アジア・アフリカ・中南米。これらの国では、急激な都市化で、当局の対策の手が回らないことあり。急激に人々が流れ込むこむ結果、衛生環境は悪化し、水のたまる場所も急激に増えた。

都市化(急激に人口膨張してスラムのような地区が出来る)と地球温暖化がキーワードです。

 

https://www.directrelief.org/2019/10/this-is-the-worst-dengue-year-in-nearly-a-decade-it-may-get-worse-from-here/?fbclid=IwAR0ycqXd6h6pqDHKYi7nrJ9hQb4WoJFp60Vso1RZ9O327fPXghAuXVSSI34

 


香港の回収騒動

2019-10-05 09:28:10 | 雑感/他分野ニュースから連想

こんな怪しげな画像。黄色素水なるラベル。ですが、中身はごくふつうのクロルヘキシジン、ヒビテンの名前で昭和の昔から広く使われている消毒薬。

でも、怪しかった。香港で回収騒動。認可外成分が入っていたとして。

香港保健省のHPには、今回回収騒動になった一覧がアップされています。

https://www.info.gov.hk/gia/general/201910/04/P2019100400763.htm?fbclid=IwAR2PDn_s4qm3VlKgyu7MPUjZYhA7D8mWmWd6W5qyPptzssAui2616WKfHNc

この一覧表を見ると14種類にわたり、輸入品が結構あるようです。

そして、日本語でクロルヘキシジンで検索すると

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00011536

米国製商品名というリンクがあり、

https://www.kegg.jp/medicus-bin/similar_product?kegg_drug=D00858&target=dailymed

結構な数、アップ。日本に入っているということかなあ。

両方のリストを見て、重なるものは無く注意喚起することはないようですが、普段なにげに使っている消毒薬もいろいろ起こるようです。

 


ミャンマーの薬局で「カゼひいた」と言ったら出てきたのはこんな薬

2019-09-29 13:21:23 | 耐性菌/AMR/superbug

管理人が年に2回、必ず行くのがミャンマー。まあ、科研費をいただいて、あちらこちら、あれやこれや、定点調査しているわけですが、今回はいつもやらない事をやってみました。

そこらへんの、ごくふつうの薬局に入って「カゼひいた。薬売って」と言って、何が出てくるか(買ってみる)。 多くの常連さんはお気づきのように、これは管理人のアイデアではなく、某有名な先生が出張されてはSNSほかで時折、投稿されていることのミャンマー版。というわけで、オリジナリティは何らありませんが、結果は・・・

こういう調査の意味?は、ひとつにはAMRがあります。発展途上国に行けば、抗菌薬を処方箋なしで(時には服用法の説明もなしに!)バンバン売ってしまうという現実が、AMR問題の火に油を注いでいます。カゼだと言ってる顧客に、説明もなく抗菌薬を売ってしまい、それを買った顧客は、これが何の薬かわからずに(カゼの薬くれと言ったのだから、カゼの薬を売ってくれたのだと何の疑いもなく信じ)、少し症状がよくなったら服薬をやめてとっておき、次に家族や友達の誰かが具合悪くなったら、残りを(純粋に親切心で)あげてしまうという現実。

さて、ヤンゴンのダウンタウンの薬局2店では・・・

1.最初の店では上記画像のワンセット。100円足らず。ミャンマー国産品。
説明はミャンマー語オンリーで、何が入っているのかわけがわかりません。服用法は、間違えないように朝夕と眠前がパッケージに記されています(ここはしっかりしてます。昼間にのむ錠剤と夜にのむ錠剤にわかれています。ミャンマー語ですが、薬局の人が英語で説明補足してくれたからOK)。表に唯一、商品名がアルファベットで記されていたのでこれをググってみたら、ミャンマーMIMSに記載が出てきました。COLDRID.

http://www.mims.com/myanmar/drug/info/coldrid 

昼間の錠剤:
Paracetamol 500mg
Chlorpheniramine Maleate 2mg
Phenylephrine 5mg

夜の錠剤:
Paracetamol 500mg
Chlorpheniramine Maleate 4mg
Phenylephrine 5mg

つまり、AMR的にノープロブレム。 抗ヒスタミン薬の量を昼間と夜間で差をつけて眠気を調整するという、さらに3日間飲み切りパッケージを安価で供給するという、日本のotcカゼ薬よりきめ細かい(!)ことになっています。

どうやらこの薬、オリジナルはインドぽいです。
https://www.tabletwise.com/coldrid-tablet

この薬(専用)のPR用FBも。ミャンマーの国民薬って感じですね。
https://www.facebook.com/COLDRIDMYANMAR/

RDCL社 HP (本社はバハン、ヤンゴン大の近くにあるようです)
https://www.rdclcareforlife.com/?fbclid=IwAR3NPE7VcUzFVf_CUPCqGq5b3JmgpzYiLMxwJZmVBkhN908RbZKzNC9buc0

2.もう一軒。こちらはスーパーに併設のお店。
やはり、「カゼひいた。薬売って」で、出てきたのは、こちら。

こちらもAMR的にはノープロブレムです。中身はメジコン+抗ヒスタミン剤。
実質的に咳止めオンリー、インドネシア製輸入品なので価格もちょっぴり高く、頭痛や発熱には効かないから、ミャンマー庶民にとっては前述のColdridの方がが支持高いのではないかと推測。

結論:ミャンマーの薬局では、カゼに抗菌薬を出すことはなく、AMR的にはマトモであった。
Coldridという3日間で飲み切りの国民的?かぜ薬があり、安価できめ細かく(おそらく)AMR問題の防波堤にもなっているのかもしれない。(N=2ですが)

なお、ミャンマーの一般庶民向けの、現地人でごった返す病院に(医者であることはおくびにも出さず、一般庶民目線で)突撃受診してみたレポートを、ミャンマーブログの方にアップしています。あわせて御笑覧ください。

http://www.myanmarinfo.jp/?page=1552234803

 

 


認知症の新薬がシャーガス病に効くというけれど

2019-09-21 10:12:37 | 渡航医学関連

認知症の新薬(というのは大げさかもしれないけれど、一応、ジェネリックが出ていない期間)のメマンチン(メマリー)がシャーガス病に有効という報告。従来のnifurtimoxが副作用多くしんどい処で、日本のおじいちゃんおばあちゃん達が苦も無く続けられるメマリーが効くなら、こんな良いことはありません。

が、問題は薬価。成分量により、1錠134円~430円。一方でシャーガス病で悩む地域といえば、1日1ドルで暮らしてる人々がいっぱいいる地域。う~ん。

 

http://outbreaknewstoday.com/chagas-disease-alzheimers-drug-memantine-shows-therapeutic-potential-in-research-36004/?fbclid=IwAR2_jLjHk1hUGloPb85YXSCDneD3bG5WJeorkKsFMY_Wve5bwsUETFxxfKg

 http://www.okusuri110.jp/cgi-bin/dwm_yaka_list_se.cgi?1190018&%83%81%83%7D%83%93%83%60%83%93%89%96%8E_%89%96

Chagas disease: Alzheimer’s drug, memantine, shows therapeutic potential in research       

        
September 20, 2019

黄熱ワクチンは一生ものじゃなかったという新報告

2019-09-21 09:31:47 | 黄熱病

黄熱ワクチン。これまでも何かと話題になってきました。一部アフリカの国(ぶっちゃけてしまえば、スーダンの割と正式な某所で、管理人の目の前で目撃した!!)では接種証明のイエローカードの架空発行が横行してみたり、2013年には、それまでの10年間有効を終生有効だとWHOが取り決めたり。

しかし今回、赤ちゃんのとき接種したら数年後に抗体レベル保っているのは半分しかいないからブースターが要るという報告。

  • 9-12カ月で黄熱ワクチン接種した群、マリとガーナでコホート(n=587と483)。
  • マリでは、接種後に基準値(0.5IU)以上の抗体保有が96.7%だったのに対し、4.5年後の測定では基準以上も以下も含めて69.7%しかなかった(うち19.3%は基準以下)。
  • ガーナでは2.5年後の測定。基準以上の抗体保有は30%、基準以下でも抗体保有は11.7%。

9-12カ月で黄熱ワクチンの集団接種を実施するのは、流行地の子供たちですから、トラベルワクチンとしての黄熱ワクチンの話題としてはちょっと論点がずれるかもしれません。が、WHOがイエローカードは一生有効! 10年有効というのは廃止!と宣言したのは記憶も新しい(それでも6年経ってるのですね。時間は速い)ところですから、これからWHOがどういう対応するのか興味あるところです。

http://outbreaknewstoday.com/yellow-fever-vaccine-in-a-single-dose-does-not-offer-lasting-protection-to-all-children-study-82721/?fbclid=IwAR1Kwh-glIH6XvEARjjZgwpqAkHL9e7Ymz7DuQ6wAZu33R7R_SdLNGKTCYg

Yellow fever vaccine in a single dose does not offer lasting protection to all children: Study       

             
September 20, 2019
 

サージカルマスクのインフル予防効果はN95に匹敵したという報告

2019-09-06 00:09:37 | インフルエンザ:対策/対策の進歩

マスクはインフルエンザに予防効果があるのか。毎年毎年、シーズンになると、「効果あり!」「そんなエビデンスはありません」「他人にうつさない効果はありますが、自分を守る効果はない」エトセトラ、エトセトラ・・・ネット上でもマスコミ上でも、百家争鳴状態になります。そんな「the long-running controversy( 原文ママ)」に「finally have an answer(同) 」しそうな報告@CDC・ジョンズホプキンズ大・ミネソタ大・・・(以下錚々たる名前並ぶ)

  • 結論は10セントで買えるサージカルマスクも、1ドルかかるN95も、効果において有意差なし。
  • 全米7都市で調査。2011年ー2015年の医療従事者(N=2400 )について、インフルエンザ確定診断例と、呼吸器症状例を調査。
  • 検査で裏付けられた確定例は、N95群207例に対しサージカルマスク群193例。 
  • その他のインフル症状や症状ないけど検査群などあわせN95 群2734例、サージカルマスク群3039例。
  • 今後、医療機関ではそのスタッフの感染予防にサージカルマスクを含め複数のオプションを示すことが出来るようになり、サージカルマスクでインフルエンザから守られると実感できるようになる(Facilities have several options to provide protection to their staff -- which include surgical masks -- and can feel that staff are protected from seasonal influenza)

ひところ、特に2007年頃の鳥インフルN5N1喧伝⇒2009年のH1N1のあたりで、N95狂騒曲がありました。「H5N1が新型インフルエンザになってSARSみたいにヒドイ目にあうかもしれない北京に対して、日本から支援物資N95を送る」動きがありました。さらに管理人が北京に在勤していた頃もSARSの渦中でも確かに”N95の山”を目にしておりました。

あれから15年の歳月を経てようやく、「N95もふつうのサージカルマスクも一緒の効果あり」ということになりました。

いま、令和の時代にあっても、”マスクの是非”についてはディスカッション(というか、効果あり派はあり、エビデンス無し派はなしで、それぞれ独自行動の様相ですが)あり、メディア上でもそれぞれ独自の見解が開陳されています。

まあ、管理人もFM定期出演や産保センター定期講演もあり、少なくとも毎年2回+α以上は世間に向けてこの話しなくちゃならん立場にありますが、令和元年は

「ふつうの(サージカル)マスク、大丈夫です。N95といっしょですから、高いやつ買わなくても同じことだと、米CDCやジョンズホプキンズやら権威筋が最新発表です」路線でまいりたいと思います。

なお、この研究チームは、次は、呼吸器感染症の拡大メカニズムを解明したいと、インタビューに答えて言っております。令和2年のインフル講演はもっとずっと面白い話が出来るかな。

https://www.sciencedaily.com/releases/2019/09/190903134732.htm?fbclid=IwAR0ZRjd0S49Uus7sHi3pJPaWGLFPp9ot40qSfjpG4-PXNxJehGQkmddDV3E

http://www.cidrap.umn.edu/news-perspective/2019/09/outpatient-study-finds-masks-respirators-equally-protective

http://www.cidrap.umn.edu/news-perspective/2019/09/outpatient-study-finds-masks-respirators-equally-protective

 

 

 

 


麻疹清浄国認定取り消しはこの4カ国

2019-09-05 08:53:00 | 麻疹/はしか/Measles

麻疹清浄国、国内に土着の麻疹が無いとWHOから認定されたリストからはずされてしまった先進国。

今回該当は、UK、チェコ。ギリシャ、アルバニアの4カ国です。

UKはEU離脱したら、スコットランドが独立したがる、北アイルランドは、ウェールズは・・・と四分五裂説も囁かれていたりしますが、とりあえず現時点では1カ国とカウント。

アルバニアが先進国といえるかどうかは???ですが、まあ、欧州の一員ということで。

 http://www.cidrap.umn.edu/news-perspective/2019/08/news-scan-aug-29-2019?fbclid=IwAR2PYxMsm1HCGN1zUYDTFmH_Nvy052u1bilmDhHf9HFB3XeynOsxjePhdnY

http://www.euro.who.int/en/media-centre/sections/press-releases/2019/european-region-loses-ground-in-effort-to-eliminate-measles

European Region loses ground in effort to eliminate measles


チクングニヤの新傾向、台湾とミャンマー旅行はご注意を

2019-08-29 10:31:32 | チクングニヤ熱

チクングニヤの新たな版図。台湾は台北で、日本へ持込み例は全員ミャンマー発。

  • チクングニヤ。最近のIDWR(31・32週号)開いてみれば、国内で把握されたチクングニヤ2例中2例ともに、火元は「ミャンマー」。実は管理人の知人にも(時期的にこの号より前で、この2人には入っていないはずですが)ミャンマーから帰国後発症例があり、要注意です。この国は「最後のフロンティア」として政府民間こぞって進出激増国なので、注意喚起。
    https://www.niid.go.jp/niid/ja/idwr-dl/2019.html
  • 台湾。香港がデモに次ぐデモで大混乱、韓国もあのような状況でLCC運航がどんどん削られる中、「身近で手軽な」渡航先の中では一極集中ともいえる状況になりつつある人気の台湾。その首都台北新市街でチクングニヤ熱の国内感染。60歳女性。2例目。おういえばヒアリ騒動の時にも台北空港近くがホットスポット?として脚光をあびていましたが、なかなか難敵のバラエティに富むのが台北。
    旅行者にも注意喚起。
    http://outbreaknewstoday.com/taiwan-2nd-local-chikungunya-case-1st-hantavirus-case-of-the-year-41486/?fbclid=IwAR33v39gGlU0-hxJTnGuYqr7EHL2r78CBnwIMqv2FnQDa4pefDhr0sskuNw

これからのマラリア対策にはこれが必要だ(WHOレポート)

2019-08-26 10:23:51 | マラリア

これからのマラリア対策に要るもの。WHO execive report発表。

  • マラリア感染者数は2015年以来、増えてはいない。しかし、このままでは感染者犠牲者を90%減少させるという目標には届かない。
  • マラリアの犠牲者の大部分は5歳以下の小児。
  • マラリア対策にはもっと資金がさかれるべきで、現行から340憶ドル増やせば、2830憶のGDP増加が得られる。コスパが高い。
  • 現在のマラリア対策は、前世紀からあった技術を用いたものだが、新たなツールに向けた努力もおこなわれている。たとえばマラリアワクチンは、ガーナとマラウィで使われはじめ、ケニアでも予定されている。
  • 大きな困難は、多くの国々で保健医療サービスを受けられない現状。アフリカの中~高リスク国でマラリア予防薬にアクセスできる妊婦は5人にひとりしかいない。マラリア流行国人口の半分は虫よけ処置された蚊帳なしで寝ている。屋内で殺虫剤使えるのは3%しかいない。

これまで比較的うまくいっていると目されてきたマラリア対策ですが、ここのところ足ふみ状態です。その背景には、マラリアに対する注目がかつてほどではなくなってきたこと、そして資金不足があります。管理人はスーダン在勤中に、家族の罹患で真夜中の初発の瞬間から観察する機会が図らずしも遭遇したので何年たっても関心が薄れませんが、遠いアフリカ(とアジアの田舎)の病気というポジションはチャレンジでしょう。

https://www.who.int/publications-detail/strategic-advisory-group-malaria-eradication-executive-summary

Malaria eradication: benefits, future scenarios and feasibility. Executive summary of the report of the WHO Strategic Advisory Group on Malaria Eradication

http://www.cidrap.umn.edu/news-perspective/2019/08/who-experts-call-new-tools-eradicate-malaria

WHO experts call for new tools to eradicate malaria