新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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中国の感染拡大(2023.1)、本質の問題

2023-01-09 23:31:50 | COVID-19

ここのところ、中国の感染拡大についてメディアから聞かれることが多くなっています。
実際に、テレビを見れば病院の混乱だとか、葬儀場に行列だとか、「絵になる光景」を中心に流れています。
たしかに、現時点では、そうした混乱だとか隠蔽だとかがキーワードになるでしょう。

ただ、管理人的には、コトの本質は少し先に出て来るのではとにらんでいます。そのためのウォッチング視点。
例によって、こういうことは「はずれてほしい・はずれることを願う」予想ではありますが、視点の提供として。

キーワードは「変異株」と「罹患後症状(Long covid,いわゆる後遺症と称されているもの)」

1.変異株と透明性
 いまのところの流行株は、BA5,BF7,BQ1,XBBと比較的おなじみの顔ぶれですが、将来の変異株。新たな発想のものが発生したとき、それが即座に透明性をもって出てくるのか。変異株の出現は感染者数が多い方が確率はあがるといわれ、たとえば感染者数が激増していたインドでデルタ株が発生したような歴史があったりします。 変異株情報はGISAIDというデータベースに提出され、公開されるわけですが、気になるのは、この提出が義務なのかどうか。たとえば発生数だ対策だとか、WHOのIHR国際保健規則⇒PHEICのなかで報告が義務づけられていますが、GISAIDへのアップロードはどうか。義務づけられていなければ、アップロードをしなくとも”隠蔽”とさえ言えなくなってしまうのではないか。。。
 ただし、透明性に?がついても、たとえば米国が中国から到着客に対してanonymous(無記名? プレスリリース原文ママ)で咽頭スワブを採って分析すると発表していたりするわけなので、ひょっとしたらCDCから新変異株の発表があるかもしれなかったりと、必ずしも絶望することはありません。さらには、かの国では重要な節目に内部告発する医療関係者が現れてきたのもこれまでですから、(2003年SARSの時に北京現地にいた管理人としては、北京の発生者数をTIMESに告発送ってくれた軍病院医師を思い出しますし、今回は武漢の眼科の先生なんかがいましたね)なんやかんや表には出てくるような気がします。すると、その変異株がどのような状況なのか次第。

2.罹患後症状(Long covid,いわゆる後遺症と称されているもの)
 米国で、COVID罹患後に職務が困難になり労働力から離脱するケースが400万人という報告がありました。オーストラリアでも百万人以上。
400万×人口比で計算すれば、、、
実際にその計算どおりの数字なるかはともかく(管理人としては、そうはならない事を希望しますが)、近づく春節の帰省ラッシュ(春節)の画像を見れば、候車室(待合室)や硬座車(最もエコノミーなボックスシート)にひしめく大群衆は、ほぼ全てが「労働力」なわけで、この場面を舞台に感染拡大すれば、それに引き続く事態はかなり厳しいことになるかもしれません。
 労働力が大規模に毀損すれば、経済的打撃、生産性低下のみならず、その結果としての物価上昇、政治体制への影響などドミノ的に広がってゆきます。

 

 

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NHKニュース

 

 

 

おそらくは、こうした観点をいれながら、ウォッチしてゆかねばならない2023年です。

これから春節の大群衆を迎える中国鉄路の駅。

こうした農村部に感染拡大・・というのは目の前の懸念。

GISAIDの見解
GISAID - gisaid.org

 

 

 

 

 

 


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