新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

照会・お便りetcはこちらへどうぞ
opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

香港の回収騒動

2019-10-05 09:28:10 | 雑感/他分野ニュースから連想

こんな怪しげな画像。黄色素水なるラベル。ですが、中身はごくふつうのクロルヘキシジン、ヒビテンの名前で昭和の昔から広く使われている消毒薬。

でも、怪しかった。香港で回収騒動。認可外成分が入っていたとして。

香港保健省のHPには、今回回収騒動になった一覧がアップされています。

https://www.info.gov.hk/gia/general/201910/04/P2019100400763.htm?fbclid=IwAR2PDn_s4qm3VlKgyu7MPUjZYhA7D8mWmWd6W5qyPptzssAui2616WKfHNc

この一覧表を見ると14種類にわたり、輸入品が結構あるようです。

そして、日本語でクロルヘキシジンで検索すると

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00011536

米国製商品名というリンクがあり、

https://www.kegg.jp/medicus-bin/similar_product?kegg_drug=D00858&target=dailymed

結構な数、アップ。日本に入っているということかなあ。

両方のリストを見て、重なるものは無く注意喚起することはないようですが、普段なにげに使っている消毒薬もいろいろ起こるようです。

 


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ワクチン打てば貧困減らせるエビデンス、ハーバードのGJ

2018-02-26 11:07:44 | 雑感/他分野ニュースから連想

ワクチン政策にしっかり投資すれば貧困減らせるというエビデンス、ハーバード公衆衛生から報告。

  • ワクチンに投資すれば、貧困層に転落するリスクを減らすことが出来ると報告。低~中所得国に対し、10種のワクチンを15年間投資すれば、3600万人生命を救うことが出来、2400万人が病気を理由に貧困層に転落するのを防ぐことが出きると報告。ワクチンに投資すれば貧困を減らせると。
  • 2016-30年、41か国の推定。ワクチン10種(黄熱・風疹・麻疹・hib・ロタ・日脳・B肝・肺炎球菌・髄膜炎A・HPV)。
  • 多くの貧困地域において、ワクチンで予防可能な疾患にかかるリスクがあり、また、ヘルスケアへのアクセスが限定される。このような国々でワクチンへの投資がおおきなインパクトがあることが数理モデルから証明された。

ワクチンへの投資が、貧困国における貧困層を減らすことに実際に効果があるという事を、エビデンス確立したという話。保健分野への投資がさらにやりやすくなることになります。一方で、反ワクチン運動家に足を引っ張られる・・というのは先進国特有の事象ではなく、それどころか、ワクチン携えた医療者が村に入ってゆくと暴力的に襲われるという話さえあります。こうした事象に対する護衛的なものまでセットでの投資が求められます。

http://www.contagionlive.com/news/harvard-study-indicates-vaccination-investment-can-reduce-poverty

Harvard Study Indicates Vaccination Investment Can Reduce Poverty

 
FEB 16, 2018 | MICHAELA FLEMING
 

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学会でポスター座長やる人へ(ミステリーな経験シェア)

2017-11-29 23:23:11 | 雑感/他分野ニュースから連想

雑談です。学会でポスター発表の座長を指名される方もおられると思うので経験共有。

自分が座長するセッションに行ったら、まったく予定外のポスターが貼ってあり、発表者が(正誤ともに)行方不明! というミステリーに直面したら。。。

11/23-26に東大本郷キャンパスで開催されたグローバルヘルス合同大会(渡航医学会+熱帯医学会+国際保健医療学会の合同大会)、秋のミステリーは、、、

あらかじめ抄録読み込み質問も用意して指定されたポスター発表のセッションに赴いた管理人が目にしたのは

  • 明らかに違うポスターが貼ってある(本来:上海関連の演題、貼ってあったのはバングラデッシュ関連の英文演題)
  • そのバングラデッシュ演題の演者は影も形も見えない
  • 本来の正しい演題、上海演題の演者は影も形も見えない
  • それ以外の各演者はパシッと揃って準備万端

さて問題、何が起こるとこういう事象になるでしょうか。

これはドッキリカメラじゃないだろうかとも思いつつ(笑)、顔ひきつった管理人は(まあ、自分の責任じゃないし・・というわけで、ヒムラの変顔ほどまでは引きつらないものの)、スタッフのみなさんにSOS。スタッフのみなさんはもっと顔引きつって、熱帯・国際保健学会セクションのポスターへ走ってみたり(しかし貼り間違いでないことを確認)、スマホで撮影してどこかに送ってみたり、抄録集の正しい演題をやはりスマホで撮影してどこかに送ったり、トランシーバーで緊迫した通信をされたり・・・

さて解答。

  • バングラデッシュ演題は、前日発表のポスターだった。前日演者はそのまま剥がさず残して帰宅された。(これ自体は認められている行為)
  • それに誰も気づかず、翌日もポスターだけ残った。
  • 当日、上海演題の演者は何らかの事情で欠席された。演題取り下げの連絡等なく(或いはあったのかもしれないけれど、どこかで途切れ?)誰もその事実を知らなかった
  • これらが偶然にも1か所の掲示場所で重なって、珍光景に。

これから学会で座長をされる方や学会スタッフされる方のご参考まで。

セッションは楽しく進行しました。とっても美人で素敵なタイ人留学生がタイムキーパーを務めてくれ、発表演者のみなさんは、とても力の入った発表をしてくださいました。感謝。そして走り回ってくれたスタッフの皆さんに感謝。

写真はN先生提供。問題のポスターは柱の左側で、この写真には写っておりませんので念のため。


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フランスの力強きワクチン政策、2018年に義務付けられているのはこれ。

2017-08-03 09:13:59 | 雑感/他分野ニュースから連想

フランスで2018年に定期接種義務付けになっているのは・・・

百日咳
流行性耳下腺炎
風疹
インフルエンザ桿菌
肺炎球菌
髄膜炎菌C
ジフテリア
破傷風
ポリオ

これだけ見ると、髄膜炎も肺炎球菌もすんなり受け入れ義務化出来るフランス人の民度は素晴らしいのね・・・ぐらいな感想が浮かびそうなのですがそう単純でもなく、実は、えっ!となるのは次の記述。

フランスはワクチン懐疑が強い。「ワクチンは安全だ」というのに疑念を抱く人の割合は、全世界16%に対しフランスでは41%に達する。世界67カ国の調査n=65819で、フランスはワクチンは安全だに同意しない人が最高だったという報告あり。

こういう状況にもかかわらず、義務化の範囲を着実に拡大してゆけるのは、政治が良いのだろうなあ・・・

ソースは
http://www.contagionlive.com/news/france-to-make-vaccinations-for-11-diseases-mandatory-starting-in-2018

France to Make Vaccinations For 11 Diseases Mandatory Starting in 2018

 
AUG 01, 2017 | KRISTI ROSA
 

Therefore, starting in 2018, the following vaccines will be compulsory in France: pertussis, mumps, rubella, hepatitis B, Haemophilus influenzae bacteria, Pneumococcus, and Meningococcus C (in addition to the already mandatory vaccines for diptheria, tetanus, and poliomyelitis).

This decision is highly controversial, as a recent study consisting of 65,819 individuals spanning 67 countries, found that France, out of all the countries, proved to be the most skeptical when it came to the question of vaccine safety. In fact, a popular news outlet reported, “41% of respondents in France disagreed with the statement ‘vaccines are safe,’ compared to a global average of 13%.’”


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日本初と報道されてるヒアリ(火蟻、fire ant)だけれど米ではこんなに真っ赤っ赤

2017-06-15 23:11:03 | 雑感/他分野ニュースから連想

尼崎港でコンテナからヒアリ(火蟻、fire ant)が見つかった!と報道され、加計学園再調査発表とテロ等準備罪成立に挟まれた日としてはまあ健闘といえるスペースをしめています。

ところで、この地図は何でしょうか?

 

アメリカ合衆国でヒアリが棲息する場所。なんとも真っ赤っ赤です、南の方。

かの国でfire antと通称される相手、立派な蟻塚をつくって殖え続けます。咬まれたら激痛、(蜂と同じく)アナフィラキシーショックも・・・

上記地図のソースはこちらですが、「火蟻は生まれてしまったものを駆除するより予防が容易です」と、デングの蚊対策と同様の哲学でもって、これを撒きましょう・・・とやっています。

今回は尼崎港で首尾よく発見されましたが、将来、港で気づかれずに工場まで運ばれてしまうコンテナも出そうです。海外から輸入原料が運び込まれる工場においては、産業医を務めておられる先生方、職場巡視の視点として、安全衛生委員会の講話ネタとしてインプットしておかれると良いかもしれません。

 

 


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医療者の悲しいサガに国境なし?

2017-05-23 07:28:31 | 雑感/他分野ニュースから連想

医療者の悲しいサガ。自分がインフルエンザかもしれないと感じていても出勤してしまう医師の割合は、薬剤師の割合は・・・

百聞は一見にしかず。この通り。日本だけではないですね。


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ビルゲイツの予言。バイオテロで空気感染で3000万人殺せるウイルス1年以内にできると

2017-02-20 19:49:19 | 雑感/他分野ニュースから連想

ビルゲイツの予言、ひと騒動。

バイオテロ。テロリストがバイオテロで向こう15年に3000万人殺害しちゃうぞと。

次のパンデミックは、テロリストのパソコン上で出来上がる天然痘の変異ウイルス、あるいはもっと感染性の高いものでと。空気感染で3000万人殺せるものを1年以内でつくれるぞと。

スペインかぜの犠牲者数が5000万人~1億ぐらいと言われていますから、あれよりは小ぶりではありますが、インパクト大きな話。

http://www.express.co.uk/news/world/769186/Terrorists-bioweapons-Bill-Gates-30-million-year-epidemic-infection-pandemic-risk

Terrorists could kill 30 MILLION PEOPLE within a YEAR using BIOWEAPONS, Bill Gates warns

TERRORISTS could trigger a deadly epidemic and kill 30 million people using chemical bioweapons within the next 15 years, Bill Gates has warned.

PUBLISHED: 03:10, Sun, Feb 19, 2017 | UPDATED: 03:54, Sun, Feb 19, 2017

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ブータンに無料で行けるプログラム(5・25〆切)

2016-05-03 17:51:30 | 雑感/他分野ニュースから連想

渡航医学とは何の関係もないのですが。管理人は指をくわえて見ているだけなのですが。

ブータン観光局が、現地を旅行してブログにアップしてくれる人3名を募集しています。
当サイトの常連さんには、こういうの好きな人もおられるかと思います。いや、当管理人自身、「こういうのが好きな人」で間違いないのですが、「ブログを一年以上継続している」のはともかく、「6月から7月にかけて10日間ブータンに旅行できる」条件に合いそうもありません。

どなたかぜひぜひ・・・

http://www.atpress.ne.jp/news/100710

 

■キャンペーン詳細
旅行時期は2016年6月後半から7月前半の10日間を予定しています。(多少変更になる場合があります。)

<応募条件>
・ブログまたはInstagramを一年以上継続している方
・以下の投稿をすることができる方
 ブログ:旅行前後で15回の投稿(旅行前と後は最大4回)していただく
 Instagram:旅行中に最低500枚の写真を投稿していただく
・旅行後、ブータン政府観光局の関連する2イベントにスピーカーなどでご参加いただける方

<申し込み先>
http://goo.gl/forms/PAK641DyuB

<応募締め切り>
2016年5月25日(水)

<当選者の発表>
2016年5月31日(火)(当選者にのみ直接ご連絡いたします)

<問い合わせ先>
ブータン政府観光局日本事務所
Mail: japan@tourism.gov.bt
お問い合わせはすべてメールで対応させていただきます


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次期WHO事務局長をめぐる下馬評

2016-04-26 08:04:34 | 雑感/他分野ニュースから連想

在任10年をむかえるマーガレットチャン事務局長の後任レースが世間の耳目を集めそうです。

チャン事務局長は2006年就任で二期目です。二期目は無風で継続となりましたが、今回、改選を迎えています。選挙運動は(各国が候補者を公式に推薦できるのは)ようやく先週金曜日に解禁されたばかりですが、下馬評にあがっているのはエチオピアとフランスからの2名。

1.エチオピアのTedros Adhanom Ghebreyesus 氏。
保健大臣と外務大臣、さらにグローバルファンドを歴任。AIDS・マラリア・結核対策に功績。

2.フランスのTedros Adhanom Ghebreyesus 氏。
UNITAIDの議長。AIDS,マラリア、結核で功績。

まだレースは始まったばかりです。二転三転があるのか注目されます。

ソースはSTAT
https://www.statnews.com/2016/04/25/who-new-director-general/

 

 


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鬼怒川洪水で可能性の感染症流行とWHOファクトシートおさらい

2015-09-14 23:19:55 | 雑感/他分野ニュースから連想

先週管理人がミャンマー現地調査中、帰国してみたらミャンマー同様の洪水光景がメディアの一面をかざっていて吃驚したわけですが、この洪水で注意が必要な病気は何か考えてみましょう。

1.環境感染症学会⇒NHK報道
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150912/k10010231471000.html
 すでに日本語報道になっているのが「レジオネラ」と「破傷風」です。
汚泥・泥水で作業の際はゴム手袋・長靴、流木のとげやガレキ作業で思い切り釘が刺さっちゃたら受診おすすめでしょう。

2.WHO Flooding and communicable disease Fact sheet
http://www.who.int/hac/techguidance/ems/flood_cds/en/#

WHOのファクトシートをおさらいすると、そこに挙げられているのは
水系感染症:チフス・コレラ・レプトスピラ・A型肝炎
蚊媒介感染症:マラリア・デング・黄熱・西ナイル熱
の面々です。

  • さらに説明文のなかではモザンビーク洪水⇒下痢、西ベンガル洪水⇒コレラがあげられています。
  • 飲料水(の汚染)によるリスクは、きちんと意識されればさほど高くないとあり、まあ、今回の現場で汚染水を飲む人はいないでしょうからこれはローリスク。
  • 汚染水に接触することによっておこる、創傷感染、皮膚炎、結膜炎、耳鼻科的感染症。
  • 流行するのは、レプトスピラ、人畜共通系。大規模降雨のあとにネズミが増加し、レプトスピラの原因となるネズミが増殖・・・と。

まあ、こちらは平成27年の日本で現実的かどうかは別として渡航医学的おさらいということで。

管理人的には、ライフラインのストップ、「水道がストップすることによる手洗い機会の減少」「電気がストップすることによる冷蔵庫の停止」「水洗トイレの停止」すなわち、「洪水ではないけれど管理人がスーダンやセネガル在勤中に経験していたこと」が、(3.11とは異なり)残暑が残る時期に起こったことが気になります。そこで起こったことはサルモネラ感染症であり、キャンピロバクターであり、消化器感染症にご注意ということになりましょう。ハイチ地震のコレラを思い出した渡航医学コミュニティの方々も多いのではと。

そのようなことが被災地に起こらないこと、そして生活の一日も早い再建を心より願っております。

写真:ミャンマー洪水のワンシーン


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