新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

照会・お便りetcはこちらへどうぞ
opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

WHOのマスギャザリング リスクアセスメントツール、COVID19追加

2020-07-14 09:32:47 | マス・ギャザリング

WHOのマスギャザリング リスクアセスメントツール、COVID-19関連が追加されています。

宗教行事、スポーツイベントも網羅

エクセルファイル。

こちらからダウンロードです。
https://www.who.int/publications/i/item/10665-333186

 

 

 


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マスギャザリングのポジティブな側面。近づけない戦乱地の感染症動向をハッジ巡礼でウォッチする公衆衛生のプロたち

2018-09-09 02:09:55 | マス・ギャザリング

ハッジ巡礼といえば、世界中からメッカに200~300万人が集まる公衆衛生のネガティブ要因として、侵襲性髄膜炎やインフルやMERSと関連づけて語られるのが相場でした。

しかし、この”恐怖のマスギャザリング”が実はポジティブな側面をもっているという目からうろこの記事@Newsweek。

巡礼者のケアにあたる医療従事者2万5千人(!)の余力をつかって、通常ならアプローチの困難な戦乱地の状況を、そこからの巡礼者の健康状態を調べることによって把握、ひいては将来のパンデミック対策に役立てようという壮大な活動。

巡礼期間中には2万5千人の医療従事者が、体調不良の巡礼者のケアは言うに及ばず、陸海空の玄関口13か所でのチェック(と必要に応じワクチンや予防薬)、25か所の医療施設でのケアと疫学データ収集、監視チームの巡回、etcetc で、巡礼者の60%(!)の疫学データを集め指令センターに送られWHOほかと共有。米CDCも技術支援。

H12年にマスギャザリング医学協力センターを創立、いまやマスギャザリング医学のメッカ(実際にもメッカだけど)になっています。こうしたマスギャザリングを利用した監視で、たとえば戦乱で公衆衛生システムの崩壊したシリアやイエメンなど、疾患ではリーシュマニア・疥癬・狂犬病・ブルセラ・髄膜炎・リステリア・結核・肝炎・エンテロ・赤痢・サルモネラが挙げられています。

こうした、メッカ巡礼の渡航医学上のポジティブな側面は、なかなか表にでる形で報じられませんが、200万の巡礼者の過半数120万人以上(!)が2万5千人の専門家の目でデータ収集されているのは、縁の下の巨大な力持ちですね。今後も変わらぬ活躍を期待したいです。 

https://www.newsweek.com/new-research-efforts-hajj-could-prevent-next-health-outbreak-1069009

How Hajj Pilgrimage to Mecca Could Help Prevent Next Global Health Pandemic

↓ Newsweek日本語版は紙の記事のみ。 


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ワールドカップに行く人、麻疹風疹確認をと強調されている

2018-06-01 00:22:44 | マス・ギャザリング

例の監督解任事件以来、なんとなくサッカーに白けてた管理人ですが、outbreaknews見てはっと思いだしました。いつのまに、ワールドカップ開幕まで2週間だと。

感染ツアーじゃなくって、観戦ツアーに現地へ行かれる方は、麻疹風疹ワクチンお忘れなく(原文はMMRですが)と。感染して麻疹など持ち帰らないようにと。

欧州では麻疹の流行広く、昨年には4倍増で22360例、死亡36例。2018年は最初の3カ月で18000例超え。フランス・ギリシャ・ウクライナ・セルビアで特に多い。

ワールドカップ参加32カ国中28カ国で今年麻疹の発生が報告されているぞと。

ここでも強調されているのは麻疹風疹です。いまいちど確認を。

http://outbreaknewstoday.com/2018-fifa-world-cup-russia-make-sure-vaccines-date-36081/

2018 FIFA World Cup in Russia: Make sure your vaccines are up to date

May 30, 2018

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本家ディズニーランドの麻疹騒動、最新数字のサイト

2015-01-28 16:46:10 | マス・ギャザリング

本家ディズニーランドの麻疹騒動。

カルフォルニア州保健当局のHP、1月22日付の記事ですが、表の数字はアップデートされて26日現在の数字になっています。ここらへんを追いかけるとリアルで実感できるようです。

URLは
http://www.cdph.ca.gov/HealthInfo/discond/Pages/Measles.aspx

1/26時点の数字。カルフォルニア全体で(表は郡ごとの数字も)73例、うちディズニーランドがらみ50例。

また、タイムラインはNBCで(動画あり)
http://www.nbclosangeles.com/news/local/Timeline-Disneyland-Measles-Outbreak-289520681.html

ディズニーランドHPはこちら。
特に変わらず営業中。
https://disneyland.disney.go.com/calendars/day/

本件とは関係なく、改装によるものですが、多くの施設がクローズドになっているのは意外でした。こんだけ閉鎖されてたら面白くないなあ。。。

Sleeping Beauty Castle Walkthrough

Closed for Refurbishment

  • Disneyland Railroad - Mickey's Toontown

    Closed for Refurbishment

  • Davy Crockett's Explorer Canoes

    Closed for Refurbishment

  • Splash Mountain

    Closed for Refurbishment

  • Starcade

    Closed for Refurbishment

  • "it's a small world"

    Closed for Refurbishment

  • The Many Adventures of Winnie the Pooh

    Closed for Refurbishment

  • Disneyland Railroad - Main Street, U.S.A.

    Closed for Refurbishment

  • Disneyland Railroad - New Orleans Square

    Closed for Refurbishment

  • Matterhorn Bobsleds

    Closed for Refurbishment

  • Disneyland Railroad - Tomorrowland

    Closed for Refurbishment

  • Captain EO

    Closed for Refurbishment

  • The Briar Patch

    Closed for Refurbishment

  • Professor Barnaby Owl's Photographic Art Studio

    Closed for Refurbishment

  • Enchanted Chamber

    Closed for Refurbishment

  • Pooh Corner

    Closed for Refurbishment

  • La Mascarade d'Orleans

    Closed for Refurbishment

  • Hungry Bear Restaurant

    Closed for Refurbishment

  • Cafe Orleans

    Closed for Refurbishment

 


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ディズニーランドの麻疹騒動続報

2015-01-26 19:46:10 | マス・ギャザリング

本家ディズニーランドで麻疹拡大の大騒動、続報です。

  • 今回ディズニーランドがらみの感染者は53例に。Orange County 管内では18例に。
  • ディズニーランド従業員から5例の感染者がでて、うち2例はワクチン接種済であった。これら5例と接触歴のある従業員には、ワクチン証明書か抗体陽性証明書が求められ、提出できなかった者は有給休暇扱い(出勤停止)となった。
  • Orange County内で、感染者が確認されたHuntington Beach 高校では、ワクチン接種or抗体陽性証明書の提出できない生徒について出席停止措置をとった。
  • メキシコにも拡大。
  • これまで、麻疹の流行はある程度の期間内でおさまってきていたが、今回の事態の背景には、ワクチン接種率が低下していることがある。

ワクチン接種率が低下すると、どんな事態を招くのか、ディズニーランドという注目度の高い場所を舞台にハッキリと見せてくれた今回の騒動です。

ソースはLAタイムズ
http://www.latimes.com/local/lanow/la-me-ln-disneyland-employee-measles-20150120-story.html

Several Disneyland workers diagnosed with measles

Measles, whooping cough in California


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ディズニーランドで麻疹の全米中継(マスギャザリング問題)

2015-01-20 14:15:31 | マス・ギャザリング

マス・ギャザリング(mass gathering)は渡航医学の伝統的テーマ、 定番はメッカの巡礼を舞台とする細菌性髄膜炎・インフルエンザ・MERSが話題になってきました(毎回、サウジ保健当局が”ビザ発給要件”という伝家の宝刀を使いながら結構うまくハンドリングして、世界がビビるほどの事にならずに済んでいますが)。

今回はクリスマス前のディズニーランドを舞台に、米国中に麻疹がばら撒かれてしまったお話です。

  • クリスマス前のディズニーランドは、世界中から集まった多くの観光客でにぎわっていた。そこで麻疹が持ち込まれてしまった。ごった返した通路は閉鎖スペース、そして各地への持ち帰りで麻疹にとって絶好の条件がそろった。
  • それ以来、カルフォルニア・ユタ・コロラド・ワシントンの各州で26人の麻疹患者が確認され、おそらくはそれ以外にもあるだろう。いずれも12月17〜20日にディズニーランド訪問。
  • カルフォルニアでは過去15年で最悪の事態となっている。ここは交通の十字路だから。
  • 昨年から米国で麻疹が急増している。その背景に、麻疹ワクチン接種率の低下がある。ワクチンを接種したら自閉症になるという、すでに多くの研究で否定された誤解をしている母親が子供にワクチン接種させようとしない。
  • 今回ディズニーランドを介して感染したケーズの、相当な割合がワクチン接種を受けていなかった。
  • シアトル南西のGrays Harbor County、シアトル空港、その付近のSnohomish County。
  • ユタ州当局は380人を追跡調査し、21日間の自宅隔離要請。(その他、ローカルな地名がいっぱい報道)
  • 2000年に土着感染が撲滅されて以来、最悪の事態になっている。2013年の189例から2014年の644例へと急増。 カルフォルニアに限っても18⇒70例。
  • ワクチン接種率の低下。カルフォルニアでは2006年まで95%を維持していたが近年では92.6%まで低下。カルフォルニアの幼稚園では、医学的理由のほかに "personal belief" exemptionを認めている。

年がら年中mass gathering状態なディズニーランドは、メッカ以上に悩ましい場所です。当然、東京ディズニーランドも同条件なわけで、これからLCCアジア線の相次ぐ新路線就航、アジア諸国のビザ要件緩和を控えて、覚悟してゆかねばならないことです。

また、ワクチン自閉症説が、インフルのみならず麻疹にも影を投げかけている現状も浮き彫りになりました。

他山の石にしなければならないことが豊富な、ディズニーランド騒動の教訓です。

http://www.latimes.com/local/orangecounty/la-me-disneyland-measles-20150114-story.html#page=1

Disneyland, holiday travel a perfect mix for measles' spread

 

                     


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