音盤工房

活字中毒&ベルボトムガール音楽漂流記

天国にいる偉大なロックシンガーへ

2008年11月08日 | インポート

Buddy_holly2_2   一年は早いものでついこの間まで暑い暑いと愚痴ていたのに季節はもう冬。11月7日で立冬を迎えた。今朝僕は氷雨降る中、理髪店でほぼ一月ぶりにすっきりと髪を短くした。以前はちらほらと白いものが混ざっていた程度の僕の頭髪はすっかり初老然としてきた。極度の近視で眼鏡がないと普段の生活にも支障を来たす僕の両目は、近視に加え最近は近くのものも見え難くなってきた。老いが音もなく、しかも確実に迫ってきている。

 好きだった読書もそんな訳で読むのが億劫になっている。字体を大きくすればある程度は難儀することなく読めるのだが、やはり距離間を保てないとぼんやりとしか見えず、第一、本にはころあいの字の大きさというのがあって、矢鱈大きくすればいいというものでもない。文庫本ならともかく単行本でそれをやられると「ほれ、読んでみろ」というような強迫観念を植え付けるだけだ。

角ばったちょっと広めのレンズの眼鏡なんかかけているととてもロックを語れるような風采ではないんだけれど、ジョン・レノンもエルヴィス・コステロも眼鏡をかけたロックンローラーだった。確かに眼鏡をかけていると一見誠実そうで知的に見える。ロックの荒々しく不良っぽいイメージとはあまりにも対照的だ。でも偉大なロックンロールの先駆者達の中には意外に眼鏡をかけたシンガーがいて、その模範があるからロックの後継者達もなんの抵抗もなく眼鏡をかけるようになったんだろうね。ジョン・レノンもエルヴィス・コステロもそして最近はエリック・クラプトンまで眼鏡をかけるようになった。彼らが眼鏡をかけることに誇りを持つようになった一番のアイドルがバディ・ホリーなんだよ。

The Buddy Holly Collection The Buddy Holly Collection
価格:¥ 3,231(税込)
発売日:1993-09-28

 ○バディ・ホリー-ウィキペディア

ビートルズがもっとも影響されたシンガーであり、ローリング・ストーンズも彼をリスペクトしている。僕は昨日の夜、久し振りにローリング・ストーンズのライヴDVD『ザ・ビッゲスト・バン』を観た。4枚のディスクがそれぞれ特異な持ち味を持っていてどれも好きなんだけれど、しいて選ぶとすればディスク1が一番好きだ。それはキースが歌うバディ・ホリーの「ラーニング・ザ・ゲーム」が収録されているからだ。原曲は一分半のカントリー風で静謐なロックンロールなんだが、キースがこの曲を歌うと、荒々しいソリッドなロックンロールに様変わりしている。これを聴くと、やはりキースはキースなんだなぁと思う訳だ。それにしてもオリジナルの「ラーニング・ザ・ゲーム」はなんて美しい演奏やヴォーカルの響きをしているんだろう。ロックンロールというよりもっと高貴な音楽、例えばクラッシックや聖歌のように聴こえる。

 さてそれでは「ラーニング・ザ・ゲーム」のキース・ヴァージョンも聴いてもらいたい。いつだったかキースは言っていた。「曲は作ろうとしないんだ。バディ・ホリーなんかの曲のフレーズを弾いていると俺のアンテナが何かをキャッチする。そうしてあるメロディが舞い降りてくるのさ」と。

 もしも不慮の飛行機事故に遭っていなかったら、今頃、このステージで「ラーニング・ザ・ゲーム」をキースと一緒に歌っていたのではないかと想像すると自然と目頭が熱くなり、年甲斐もなく眼が潤んでくる。22歳という若すぎる死を悼んで今夜はこの曲を捧げたい。キースが歌うこの曲が天国にいるバディ・ホリーに届くと信じて…。

*ちょっと気が早いですが本日から僕のブログも冬ヴァージョンにしました。巷ではすでにクリスマスモードで装っているお店もありますのでいいかなと…。変な理屈をつけながら二ヶ月間はこのテンプレートで皆さんを迎えたいと思います。


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
頭髪が初老然・・・でもって老眼・・・ってことは、ひょ... (カキちゃん♪)
2008-11-09 08:27:06
頭髪が初老然・・・でもって老眼・・・ってことは、ひょっとして活字中毒さんって、私と同じぐらいの年齢でしょうか?(実は三十代半ばから後半と思ってました)

キース・リチャード!!なつかしい!!
すっかり忘れてました。
ここを訪れると、いつも何か懐かしいものに出会えたり、自分にはない感性を触発されます。

老いは誰にでも万遍に容赦なく訪れますね。
たとえ外見は手段を労じて誤魔化せても、確実に老いの最終地点そして人生の最終地点の死からは逃れられないのだ!!嗚呼・・・!!
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今晩は、夏姫さん。 (活字中毒)
2008-11-09 20:56:58
今晩は、夏姫さん。
コメントどうもです♪
そうなんですよ、意外に年齢はいっているんですが、書いたものを読まれると余りに幼稚なんで吃驚されるんですよね。
ところでキース・リチャードはぼくの最大のアイドルなんですよ。ローリング・ストーンズのビデオクリップでキースを観てからというもの彼が発言したキース語録はいわばぼくにとってのロック哲学になっているんです。
老いは確かに誰も公平に訪れる試練ですが、還暦を迎えても元気なストーンズを観ていると、ぼくにも何か出来そうだという勇気を貰えますね。彼らが若いミュージシャンに与えている影響はなにも音楽ばかりではないんです。ちなみにキース・リチャードは芸名で、『サム・ガールズ』あたりから本名のdの後にsを付けた本名のキース・リチャーズと今は改名しているんです。ぼくもつい、昔の名前で呼ぶことがあるので余り偉そうにはいえないんですが…(苦笑)。
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いえいえ、決して幼稚などではありませんぬ!! (カキちゃん♪)
2008-11-11 10:59:44
いえいえ、決して幼稚などではありませんぬ!!
それどころか、深い知識と鋭い感性、そして知性を感じさせる、とても私にはマネの出来ない文章と内容です。
その感性の美しさ(純粋さとでも言いますか)が、とてもトシをとってるようには感じさせなかったのです。
なんというか、いつまでも若者だけが持つピュアな精神、既に私がなくしてしまった精神を持っている。って感じで(^^)

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わぁ、なんか凄い過大評価してますね。本当のぼく... (活字中毒)
2008-11-11 22:31:03
わぁ、なんか凄い過大評価してますね。本当のぼくを知らない人にはなんか気の毒でなりませんが、本当の自分を出すとその落差に幻滅されそうなので、夏姫さんから見た良いイメージのままでしばらくいさせてください。そのうちボロがでますんで、その時にもどうか暖かく見守ってくださいね(笑)。
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バディ・ホリーはさまざまなビッグアーチストに影... (sam4848)
2008-11-16 19:50:05
バディ・ホリーはさまざまなビッグアーチストに影響を与えてるんですね

僕がその名前を知ったのはサイモン&ガーファンクルのアルバムにあったカバーでバイバイラブでしたね
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samさん、こんにちは。 (活字中毒)
2008-11-17 12:34:26
samさん、こんにちは。
コメントありがとうございます♪
そうですか~意外なところでバディ・ホリーとは接点がありましたねぇ! ぼくも実はバディ・ホリーを知ったのはリンダ・ロンシュタットの「イッツ・ソー・イージー」からなんで、長い間、これがカヴァー曲とは知らずに聴いていたんです。ほら、リンダ・ロンシュタットがこの曲を歌うとあまりにしっくりと来るじゃないですか。
でもバディ・ホリーの曲ってどれもこれも歌唱力を要求されるんで歌い手にとっては歌手泣かせのナンバーばかりですよね。坂本九さんが生前バディ・ホリーの歌唱法を真似て「上を向いて歩こう」を全米でNo1ヒットさせたのは余りに有名ですが、才能のある人ってどうしてこうも短命なんですかねぇ。
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