ここ3日間というもの比較的過ごし易いぽかぽかとした秋晴れが続いている。だからというのではないけれど、ブログのテンプレートを先走って冬ヴァージョンにしたことが今頃になって悔やまれる。けれど今更元に戻せば、何か言い訳がましい気もする。だからこのまま当初の思いを貫かせて頂くことにして、さあ、今夜もとびっきりイカしたサウンドをお届けしたい。もっとも僕自身が試行錯誤しながらアップしたものではなく、毎度の事ながら今夜も他力本願にYouTubeにアップされているものを拾い集めている。
ノラ・ジョーンズ・ライヴ・ベスト~ライヴ・フロム・オースティン・テキサス 価格:¥ 3,800(税込) 発売日:2008-09-26 |
アルバムリリース後に必ずライヴDVDを発表するのは、最早ノラの場合恒例となっているらしく、この『ライヴ・フロム・オースティン・テキサス』もアルバム『ノット・トゥ・レイト』のライヴ盤になっている。これはファンにとっては誠に嬉しい限りだ。ノラが初来日した時、チケットが取れなくて口惜しい思いをしたけれど、たとえDVDでもこうして映像を通してノラの溌剌とした笑顔に逢えるのはこのうえもなく素晴らしい事だし、とても感謝している。それでは最新作『ノット・トゥ・レイト』から表題と同名曲の「ノット・トゥ・レイト」のライヴ映像をご覧ください。殆どピアノの弾き語りといってもいいくらいの静謐なナンバーなんだが、そもそもあれほどデビュー作『ノラ・ジョーンズ』が爆発的にセールスを伸ばしたのもノラのスモーキー・ヴォイスと独特のピアノの音色の魅力によるところが大きい。僕が知る限り彼女と同じタイプのシンガー/ピアニストはこれまでみたことがない。久し振りにレコードの精度だけで知名度を上げているアーティストなんだけれど、そこに視覚的なものも加わると最早無敵だ。
社会の荒波に揉まれていると不意にそこから抜け出し、独り、列車に飛び乗り、どこか遠くへ行きたくなる。まるで一昔前のフォークソングの歌詞のようなフレーズが頭の中を駆け巡る。
さしずめ乗るんなら夜行列車がいいね。学生の頃貪るように読んだアガサ・クリスティーの『オリエント急行殺人事件』みたいな物騒な展開は望まないけれど、夜汽車の窓の外を眺めながらイカした音楽を聴いていたい。夜、車窓を眺めながら聴く音楽でもっともぴったりなのがトム・ウエイツだと、何かの本に書いてあったが、僕は同じくらいノラ・ジョーンズの音楽はこのシチュエーションにはぴったり嵌るのだと思う。この手の音楽がこの場面に合うのは、いわば車窓の景色が紙芝居か何かのように移り変わるのだが、その景色はあたかも時間が止まっているように代わり映えしない。そこがトム・ウエイツやノラ・ジョーンズの音楽としっかり溶け合うのかもしれない。
最後もやはり『ノット・トゥ・レイト』からの選曲で「シンキン・スーン」といいます。曲調がトム・ウエイツの音楽となぜかシンクロするので選んだんですが、皆さんの感想はどうかな。『ライヴ・フロム・オースティン・テキサス』ではトローン・ボーンのパートをJ.ウォルター・ホークスが豪快に演奏していたんだが、このライヴ映像はそのパートをノラのピアノがカヴァーしている。それにしても凄いよなぁ! ノラのピアノがファンキーにスイングしてるよ。いつものノラと違ってジャズのドライヴ感を愉しめるのもこの曲を選んだ理由なのさ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます