音盤工房

活字中毒&ベルボトムガール音楽漂流記

見果てぬ男のロマンと眠れない夜に聴くキャロル・キング

2008年11月19日 | インポート

Carole_king_7  今日は底冷えのする一日だった。東北から北海道は積雪に見舞われ、福岡でも初雪を観測したらしい。雪国で育ったのにどうも僕は寒いのが苦手だ。こちらでも時折晴れ間は覗いたものの、霙が降ったり、頗る寒い一日だった。昨夜は夜中に目覚めた。冷え性なのと寝相の悪さが災いして僕はよく風邪をひく。昨夜は喉の痛みで目覚め念の為、風邪薬を飲んで寝た。するとそれからはぐっすりと朝まで眠る事ができたが、朝はやはり寝覚めは良くなかった。

 街路樹の銀杏の葉が北風に嬲られ舞い落ちる。路面一杯に黄色い銀杏の葉が落ちている。雲間から差し込む陽射しは意外にも強い。濡れた路面の照り返しが眩しい。読み止しの文庫本は開高健氏の『モンゴル大紀行』。全半で司馬遼太郎氏との対談があるので興味深い。車の中で殆どを読み尽くし、帰ってから30分足らずで全部読み終えた。写真が多く、エッセイの分量としては極めてすくない。ちょっとした息抜きには最適な書物といえよう。モンゴルで川の王者イトウを釣る。それからチンギス・ハーンの稜墓探索に見果てぬ男のロマンを夢見る。そして彼の夢想は本格化する。そんな壮大な計画が日本のひとりの作家によって現実のものとなった。

モンゴル大紀行 (朝日文庫 か 8-2) モンゴル大紀行 (朝日文庫 か 8-2)
価格:¥ 1,050(税込)
発売日:2008-09-05

 食通でもある開高健氏はモンゴルでも良く食べ、よく語らい、釣りに興じる。イトウを釣り上げた時余りの嬉しさに表現した言葉が、

 「あなたは立派だ、腹がポテンポテン。

 君は川の王様だ!

 見事だね、このへんが、風格がある。

 蒙古のものは蒙古へ、カエサルのものはカエサルへ

 オーッ。空が笑いました。

 モンゴルの空が笑いました。」と叫ぶんです。

 夏でも夜は氷点下になるというモンゴルでの釣りは過酷を極めている。戦場ではルポライターであった開高健氏は釣りにそれに代わる刺激を求めたのだろうか。喉が焼けるようなウイスキーを飲み、タバコを吸い、喰えるものは不味かろうが美味かろうが何でも食べた。

 開高健氏は1989年12月惜しまれながらも59歳の生涯を閉じた。彼が生前目論んだチンギス・ハーン稜墓探索には立ち会えなかったが、その遺志はしっかり残された者へ引き継がれた。結局、探索は徒労に終わったが、モンゴルのテレビ局が開高健氏に興味を示し、異例の追悼番組を企画した。彼の出世作である『パニック・裸の王様』もナランツェツェグ女史によりモンゴル語訳が出版された。

嗚呼~それにしても鍋料理が美味しい季節になったなぁ(嬉)。白菜、蟹、鴨、鱈、…鍋料理はどれも好きなんだけど、蟹鍋と牡蠣鍋だけはダメなのよ。子供の頃は大好きだったんだけど、おとなになってからアレルギー体質で食べれなくなってしまってから、蟹も牡蠣も20年くらい食べていない。喰いたいがそういった理由で喰えないのは辛いね。そう思うと、開高健氏は相当強靭な胃袋をしていたんだろうね。『オーパ!』をもう一度読み返したいね(笑)。

 話は変わるんだが、先日偶々つけた「スマスマ」でキャロル・キングが出演していたのには驚いたなよなぁ。スマップのメンバーがキャロル・キングとの競演を夢のようだと語っていたのが印象的だった。競演曲は『つづれおり』の「YOU'VE GOT A FRIEND」。かなりリハーサルしたのかな。メンバーとキャロル・キングの息もぴったり。本音を言うとこんな大物は日本人歌手とは絡んで欲しくないんだけど、昔からキャロル・キングは日本とは関わり深い。こんなところも日本での人気を不動にしているところかな。

 外国の大物シンガーがテレビ出演して持ち歌を披露するのを観るのは「ミュージックフェアー」でのレイ・チャールズ以来だ。その時レイは桑田佳祐さんの「いとしのエリー」の英語ヴァージョンを歌っていた。ゲストコメンテーターは音楽評論家の湯川れい子さんだった。ところでキャロル・キングは一体御歳幾つになったのだろう。ネットで調べてみる…

 1942年…ということは…今年66歳か…。…66歳!!

 ということは、…ミック・ジャガーよりも御歳を召しているという事なのか…。

 セカンドアルバム『つづれおり』がリリースされたのが1971年だから意外に遅咲きのシンガーだったんだな、…余りこの辺りは気にせずに聴いていたので、改めて知ると驚きだよな。久し振りに『つづれおり』を聴くことにするか。真っ先に聴くのは勿論これさ。僕が大好きな「SO FAR AWAY」。外は風もいつの間にか熄んでいる。今夜はこの曲を聴いて眠る事にする。

つづれおり つづれおり
価格:¥ 1,785(税込)
発売日:2004-04-21

-収録曲-

  1. I FEEL THE EARTH MOVE
  2. SO FAR AWAY
  3. IT'S TOO LATE
  4. HOME AGAIN
  5. BEAUTIFUL
  6. WAY OVER YONDER
  7. YOU'VE GOT A FRIEND
  8. WHERE YOU LEAD
  9. WILL YOU LOVE ME TOMORROW
  10. SMACKWATER JACK
  11. TAPESTRY
  12. (YOU MAKE ME FEEL LIKE) A NATURAL WOMAN


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
急に寒くなってきました (夢見)
2008-11-21 00:44:20
急に寒くなってきました
鍋物自体より その後の雑炊が食べたいです
いろんなダシがでててお汁が美味しいですから
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今晩は、夢見さん。 (活字中毒)
2008-11-21 22:54:16
今晩は、夢見さん。
コメントどうもです♪
我が家の場合、水炊きで鶏肉や野菜をゆずポンで頂くのが最高に美味しい食し方なんですが、その後の雑炊もなかなかのものです。
こんな食べ方を愉しめるのも日本に四季というものがあるからなんですよね。日本人はなんて贅沢な民族なんでしょう(笑)。
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スマスマ小生も見ました (sam4848)
2008-11-24 09:30:49
スマスマ小生も見ました
ミスマッチかと思ってたら案外でしたね
それに、キャロルキングって大物ぶらないで日本のアイドルに対してもフレンドリーでしたね
「つづれおり」は小生の愛蔵盤のひとつです
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今晩は、samさん。 (活字中毒)
2008-11-25 21:09:33
今晩は、samさん。
コメントありがとう御座います♪
キャロル・キングは昨日(11/25)、神戸国際会館こくさいホールで18年ぶりの公演があったそうです。テレビ出演は日本公演の副産物的なものでしょうが、あまりに変わっていない彼女を観て驚いたのは僕だけではないでしょうね。あんなに偉い人なのに話し方もフランクだし、スマップとの競演も心から喜んでいるような気持ちが伝わってきました。大物ってたぶんこんな人のことを言うんでしょうね、きっと(笑)。
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