朱川湊人(しゅかわみなと)著、文春文庫刊
6つの作品で構成されている短編集です。作者は1963年に大阪に生まれ、高校から大学は東京の学校に通った。そして、戦後の貧しい世相が高度経済成長を迎える昭和40年代に、多感な少年時代を過ごしたようです。そうした大阪の下町を舞台にした以下の短編が収録されています。
●「トカビの夜」 => 差別を受けている朝鮮人一家の病弱な次男と一時交友した主人公の少年が体験し . . . 本文を読む
「ほしのこえ」/DVD
ガンダム系の作品かと思い見始めたら、高校生の男女が登場します。淡く透明な初恋の雰囲気が繊細に描かれていますが、人物描写がヘタだなぁ、な程度で見ていると、突然、ストーリーが急展開します。そして、宇宙での戦闘場面。二人のメールの遣り取り。21世紀中葉を舞台としているのに、二人が使う携帯は(恐らく)アニメ制作当時のまんまです。(通信手段としての象徴なのでしょう)
宇宙人の正体が明 . . . 本文を読む
この曲は、結婚してから妻が好きな歌だというので知りました。「いとしのマックス」という、ちょっと恥ずかしい歌は知っていましたが、この歌は全く知りませんでした。歌い手は荒木一郎さん。1944年に女優さんの息子として生まれたそうです。この曲がヒットしたのは1966年(昭和41年)なので、私は既に中学生になっており、専ら洋楽に関心が移っていたので、荒木さんの「いとしのマックス」を聞いた途端にこっぱずかしい . . . 本文を読む
本作は、1971年に製作されたアメリカのテレビドラマだそうです。監督は、スティーヴン・スピルバーグで、監督の出世作になったとのこと。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/激突!
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今から . . . 本文を読む
伊賀公一著、太田出版刊
小学校に入学する前の健康診断でのこと。今も鮮明に覚えています。白い真新しい校舎はまだ完成しておらず、私は母に手を引かれ、木製の渡り板のようなものを上って校舎の中に入りました。恐らく体重や身長も測ったのでしょうが、今もはっきり記憶しているのは、知らない人から本のようなものを見せられ、そこには様々な色の付いた円が描かれていました。その中に数字が浮かび上がっているので、それを答え . . . 本文を読む
本作は、テレビドラマとして2005年にイギリスで放映されたそうですが、誠に入念に作り上げられた歴史絵巻です。主演のエリザベス1世を、名優のヘレン・ミレルが演じています。俳優陣、美術とも圧巻でした。類似の作品にケイト・ブランシェットがエリザベス1世を演じた「エリザベス」があり、その映画も中々に良い映画でした。
本作は、エリザベス女王の孤独な生涯に焦点を合わせています。政略結婚への戸惑い、若い頃からの . . . 本文を読む
藤村靖之著、羊泉社刊
少し前に、著者がテレビに出演していました。2つの別な番組(放送局)で見たのですが、ひげを生やした、少し変わった方とお見受けしました。しかし、本書を読んでみると、非常に見識豊かで立派な方だと感じました。環境に関心があって活動をする方々に多いタイプは、現状の在り方を全く否定する事が多い。そうしないと、世の流れを変えられない、という現実的な考えもあるかと思いますが、そうした考え方に . . . 本文を読む
面白そうなSF映画だったので、久し振りに劇場で映画を観てきました。感想としては、パーツは良かった。脚本もまあまあ。俳優も良かった。でも、大したことがなかったように感じました。この程度ならDVDが出てから見ても良かったと思いました。
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URL => http://www.super8-movie.jp/
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廣中直行著、ちくま新書刊
やめたくてもやめられないことがある。私にも幾つかあります。歳と共に少しずつ飼い慣らしてきましたが、物欲はいかんともし難い。素敵なグッズを持つ私の素晴らしさ、その素晴らしい機能が導く素晴らしい日々。しかーし、そんなことはありません。手に入った時の嬉しさは格別ですが、結果は思い描いたものよりも大分プア~~。(とは言え、私のパソコン、オーディオビジュアルライフは相当に充実してい . . . 本文を読む
1986年公開のイギリス映画です。しかし、言葉はイタリア語(だと思います)で、16世紀当時のイタリアの風俗や生活を(多分)しっかりと再現しています。
今までカラヴァッジョの絵画や解説に触れて、画期を成した画家という知識を持っていましたが、実際の創作活動や生き方を、全く知りませんでした。
本作品は、必ずしも史実に忠実ではないようですが、カラヴァッジョの生き方を、生々しく描きたかったのだと思います。
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村上龍著、文春文庫刊
バブル崩壊によって日本経済が悪化し、適切な政策が取られないまま、いわゆる「失われた10年」が過ぎてしまった。その失敗の原因は、戦後の日本が目覚ましい急成長を遂げた成功要因に囚われてしまい、世界の経済システムの変化に追従出来なかった、日本の社会の仕組みを変えられなかったことに起因すると思います。その後の小泉政権が取り組んだ改革は、世界で生き残るために日本の社会経済システムを変え . . . 本文を読む
シリーズ一作目の「Genius Party」が結構面白かったので、本作も観ました。本作には以下の五編が収録されています。
前田真宏 -GALA-
中沢一登 -MOONDRIVE-
大平晋也 -わんわ-
田中達之 -陶人キット-
森本晃司 -時限爆弾-
評価はです。
結論から言うと、イメージ優先の作りで、深い味わいが感じられませんでした。一つ一つが力作でありながら、こなれ切れてない印象です。しかし、 . . . 本文を読む
神谷ちづ子著、早川書房刊
著者は、1953年に千葉県に生まれ、お茶の水女子大学化学科を卒業後、NHKに入社するが、外務省職員の夫の転勤を機に退職し、その後、世界の国々での生活を経験しているとのことです。読んでいて、学生時代の電卓の値段のエピソードを読み、私の経験と似ているので「???」と思ったら、読了後に著者の年齢が私の一つ上ですから同世代の人だったので同じ時代を経験してきたのだなぁ、と感じました . . . 本文を読む
ハリウッドでリメイクされた「ディパーテッド」を先に見ましたが、原作に当たる本作の方が優れているとの評判に触れ、シリーズ3作を見ました。
第1作目:インファナル・アフェア/2002年
第2作目:インファナル・アフェア 無限序曲/2003年
第3作目:インファナル・アフェア3 終極無限/2003年
潜入捜査官役のトニー・レオンと警察に潜入したアンディ・ラウなど、魅力的で達者な役者が出ています。私も、リ . . . 本文を読む
ナヤン・チャンダ著、NTT出版刊
著者は1946年生まれのインド出身のジャーナリストです。インドのコルコタにあるプレジデンシー・カレッジで学んだ後、パリ大学で東アジア現代史を学んだそうです。その後編集者のキャリアを経て、現在は、エール・グローバリゼーション研究センターの出版部長とエール・オンライン編集長の職にあるそうです。つまり、アメリカのエール大学の関連研究所に勤務する知識人です。
著者は、グロ . . . 本文を読む