読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

老妓抄

2009年04月15日 19時57分50秒 | ■聴く
岡本かの子著、新潮CD刊、奈良岡朋子朗読。 著者は岡本太郎氏のご母堂です。下記のURLによれば、裕福な生まれであったが、大変に虚弱な体質であったとのこと。芸術家と結婚するも、夫婦の激しい気質から軋むような夫婦生活の後、仏教に救いを求めてやっと安定した生活に入ったそうです。 --------------------------------------------------------------- . . . 本文を読む
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坊っちゃん

2009年04月14日 20時09分52秒 | ■聴く
夏目漱石著、新潮CD発行、風間杜夫朗読 ご存じの坊っちゃんを、風間杜夫さんの朗読で聞きました。他の朗読で聞いた時よりも、遙かに面白く聞けました。この作品は一人称なので、読み手が「坊っちゃん」らしいことが大切なのだと思います。風間さんの朗読は、ごく自然で、いかにも江戸っ子の粋の良さは、単純そうな性格を感じるさせるものでした。 風間さんをテレビで初めて見たのは、残業をしている、原田美枝子さんが演じるO . . . 本文を読む
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南天

2009年04月13日 20時00分21秒 | ■聴く
安西篤子著、横浜カセット文庫発行。 町家から嫁をもらった千十郎には、男子が生まれたが、幼くして大病に冒され、その治癒の為、貧しい家計故に借財を重ねます。その貸し主は友人であったため、質草として預けている妻の晴れ着を一時出してもらおうと気軽に訪れましたが・・・。 人が生きて行く上で、他の人の思いに気付かずに傷付けてしまうことがあります。千十郎もその一人でした。知らないうちに友を傷付けていたのでした。 . . . 本文を読む
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なぜ、「できる人」は「できる人」を育てられないのか?

2009年04月12日 08時05分41秒 | ■読む
吉田典生著、日本実業出版社刊。 できる人は、できない人の気持ちや考え方を理解していないので育てられない、という主張です。著者は小さい時分から挫折を味わっていながら、巡り合わせでコーチングを通したコンサルティングを生業にするに至った、いわば「できる人」であって「できない人」でもあったのだそうです。 「できる人」は、自分の目線や立ち位置で「できない人」を評価し、育成をしてしまう。しかし「できない人」も . . . 本文を読む
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人はなぜ心を病むのか-思春期外来の診察室から

2009年04月10日 21時31分55秒 | ■読む
吉田脩二著、高文研刊。 吉田さんの著作を初めて読みましたが、平易であって、中々に奥深い内容でした。様々な若者の症例を示しながら、結局、人は自ら気付かない限り立ち直れないのだ、ということを語っています。また、優れた精神科医は、患者が自ら立ち上がれるようになったことが、誘導されたと感じることなく自然に治癒して行くようにできる、としています。 多くの精神科医は、沢山の患者への対応に追われ、薬の処方で精一 . . . 本文を読む
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不美人論

2009年04月09日 17時40分27秒 | ■読む
陶智子著、平凡社新書刊。 顔に大変興味のある私が選んだ書籍です。本作でご自身の弁によれば、陶さんは不美人とのこと。(ネットで検索した所、詳しい画像はありませんでしたが、清水美沙さんふうの理知的なお顔立ちで不美人には思えませんが・・・。) ----------------------------------------------- URL => http://www.koukaikouza.jp/ . . . 本文を読む
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人は見た目が9割

2009年04月08日 20時27分49秒 | ■読む
竹内一郎著、新潮社137刊 表題はキャッチーですが、内容は斜に構えたものではなく、実に真っ当な構成です。要は、人の行動で発せられる、音声(聴覚)、仕草・振る舞い(聴覚)、体臭(嗅覚)などのそれぞれが、結果として、本人に対する他者の評価を導いてしまう、という極真っ当な主張でありました。そうしたことが、様々な事例によって紹介されています。マンガの表現によるたとえが非常に分かり易かった。 日本人に特有な . . . 本文を読む
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紅梅

2009年04月07日 20時22分24秒 | ■聴く
安西篤子著、横浜カセット文庫 幼くして父を亡くし、美しい母の手で育った児玉新之助は、母が新妻を里に帰したと聞かされて・・・。母の豊かな愛情で育った子が、妻を娶り心が妻に傾く。しかし、母は子と異なる視線で嫁を見ていた。そうして、初めて子が母を女として意識する。そうした構図が物語の背景に感じられました。 私自身の経験からも、母親が一人の女性であるということに気付くには、それなりのきっかけが必要です。丁 . . . 本文を読む
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最強のジョット戦闘機

2009年04月06日 20時34分28秒 | ■読む
青木謙知監修,デアゴスティーニ編,講談社+α刊。 題名の通り,世界の軍用機のうち,アメリカを中心とした戦闘機を中心に紹介しています。昔懐かしい F-4 ファントムから F/A-22 まで,一通り,アメリカの軍用機を紹介しているほか,ヨーロッパやロシアの戦闘機も紹介しています。読んでみて分かったのは,戦闘機にも様々な用途があるので,中々万能の機体は出来ないということと,性能を追求するとそれなりの高価 . . . 本文を読む
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揚梅(やまもも)の熟れる頃

2009年04月05日 19時09分25秒 | ■聴く
宮尾登美子著,横浜カセット文庫発行。 人の一生は,他人から見るとありきたりに見えるとしても,多くの場合,本人にとっては波瀾万丈なのではないでしょうか。ましてや,小説に登場する主人公は,取り分け描くに値する状況があり,それが読者を惹き付ける要素になっているのだと思います。また,一方で,平板な人生に見えて,人の心の中に分け入り,その深く広大な世界を示す作品もあります。 本作品は,その両方の要素を含んで . . . 本文を読む
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箱の中

2009年04月04日 06時38分21秒 | ■聴く
阿刀田高(あとうだ たかし)著,横浜カセット文庫発行。 いわゆる,ショートミステリーというタイプの作品のようです。短い中に登場人物の性格や経歴を書き込みながら,全体としては徐々にストーリ全体を浮かび上がらせていく。そして,緊張感を高めつつ,最終場面の直前で種を明かして,同時に登場人物の追い詰められた状況を作り出して終わっています。 以前も阿刀田さんの作品をカセットで聞きましたが,軽い味わいが身上の . . . 本文を読む
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漆芸-日本が捨てた宝物

2009年04月03日 18時38分05秒 | ■読む
更谷富造(さらたにとみぞう)著,光文社新書119 中々に爽快で明快な主張が込められた著作でした。作者は,京都市立日吉ヶ丘高等学校漆芸科を卒業後,漆芸家の門下となりしばらく修行しましたが,幅広い技能の習を目指し,ある会社に働いてサラリーを得ながら,デッサンや彫刻を勉強します。漆芸は非常に専門化(分業)が進んでいるので,著者のように木地作りから塗り,螺鈿細工までこなせる作家は極少ないとのことです。そう . . . 本文を読む
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蘇芳(すおう)

2009年04月02日 20時24分13秒 | ■聴く
安西篤子著、横浜カセット文庫発行。 安西さんの「金雀児(えにしだ)」に続き聞いた作品です。同じく時代劇で、岩倉家に嫁いだ嫁と舅との悲しい契りの果てを、沈痛に描いています。 --------------------------------------------- URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/スオウ      http://ja.wikipedia.org . . . 本文を読む
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ひかりごけ

2009年04月01日 20時35分17秒 | ■聴く
武田泰淳(たいじゅん)作、新潮CD発行 武田泰淳さんの初めての作品です。本作は戦時中の食人事件を元にした小説です。事件の裁判記録も全て失われており、まったくの創作です。しかし、下記のURLによれば、モデルとなった人物は、小説の内容が本当であるかのように世間から受け止められ、苦難の人生を歩んだとのことです。 ---------------------------------------------- . . . 本文を読む
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