石井妙子著、新潮社刊
原節子さんは、伝説の女優としてしか知りませんが、小津安二郎監督の評伝の中で原さんの存在の重さを知り、関心を持っていました。
石井妙子さんの著作「おそめ」を読み、簡潔で明晰な文章に触れ、その次に「女帝小池百合子」、本書は三つ目に読む著作です。
とは言え、石井さんの著作は共著を含め八冊とのことで、本書でも、丹念な取材と綿密な再構成故に、作品を仕上げる為の時間が掛かっていることがうかがえます。
本書では、原節子という芸名の女優が辿った軌跡そのものが、その精神と志を鮮やかに示していると思います。
原さんの、多くを語らないながら、率直で誤解を恐れぬ発言の数々を見ると、向かい風に抗いながら突き進む、強靱でありながら脆さも窺える孤独な精神をお持ちであったようです。
また、己を恃み、自らを律する強い決意が、その高い志を支え続けたのではないでしょうか。
小津監督の作品は好みではありませんが、多くの出演作があるようなので、出演作品を鑑賞したいと思います。
-------------------------
○原節子 ○石井妙子
-------------------------
評価は4です。
※壁紙専用の別ブログを公開しています。
〇カメラまかせ 成り行きまかせ 〇カメラまかせ 成り行きまかせその2
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます