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読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

ほめるな

2012年01月30日 19時52分24秒 | ■読む
伊藤進著、講談社現代新書刊
人の良い所を発見し褒めることは、互いの人間関係を良好にし、プラスに作用します。私自身も職場のお局様の、あることを褒めたところ、すっかり対応が変わったので、その効果にびっくりしました。その後、コーチングなどの技法も研究し、部下の育成指導に応用してきました。その結果、相手の良いところに目を向ける習慣が身について、私自身の精神衛生に大変良いことが実感出来ています。また、最近は発達障害の子供達への対応として、その子の持つ適応力の遅れを個性として捉え、受け入れた上で働き掛けをするという手法が一般化しています。
この両者に共通するのは、相手をありのまま受容するという事なのだと思います。しかし、相手の長所を認めて褒めてその行動を助長する一方で、至らない部分もきちんと指摘して変容を促す事が必要だと思っていました。しかし、これがまた難しい、受容的な雰囲気やタイミングで、どのように指摘するか、あるいは相手の性格や考え方を斟酌し、慎重に働き掛けないと上手く行きません。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/伊藤進
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さて、本書のタイトルが、そのような私が抱える悩みに響いたので手に取りました。著者の主張は、人を育てることは自立した人間に育てることにあるので、やたらに褒めることは却って本人の自発性を損なうということです。また、失敗しないように先回りして世話を焼くと、失敗から学ぶという貴重な体験をも奪うことになるとも指摘しています。褒めるのであれば、テクニックとしてではなく心から褒めることが必要であるとしています。一部しっくり来ないヶ所もあるものの、非常に同感出来る主張です。
評価は4です。

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